ペルー料理を食べに行く

ペルー料理を食べに行くことになった
娘から、ペルー人の娘の友達の家族の食事会に母も一緒に行かないかと誘われて。

シチュエーションが出不精の隠れ陰キャの私には異例過ぎて、振る舞い方がわからなさ過ぎて、懐大きいですからアピールでもしたかったのか、お申し出を受けてしまったのだ。

3ヶ月ほど前
会社の同僚二人と意を決して、初めてのペルー料理に踏み切ってはいる。

かなり近場にあるものの、何となく紹介のないガッツリ日本人一見さんは入りずらい雰囲気を勝手に読み取り、店を発見してから約6年もの間、遠巻きに様子を伺っているだけだった。

たまたま超少人数の『こっそりカフェ巡りグループ』の一人が異文化を受け入れる派であることが発覚したので、彼女にペルー料理屋があることを持ちかけ、もう一人は道づれ的に誘い込み、いよいよその門徒を叩いたのである。


私の思い描いていたペルー料理というものは

「高地で取れたイモと豆を塩でほちゃっと煮たものとヤギ系のお肉にインゲンを添えて」

のようなちょっとだけ土臭い料理(どんなだよ)を勝手にイメージしていた。
本当に申し訳ないのですが
興味本位だけが勝っていて、美味いもの、口に合うものを食べに行くつもりは全くなかった。

世界の料理を食べてみたい!と言いながらも未だお肉は鶏と豚と牛しか食べたことが無い。
馬もイノシシもヤギも羊もクマもカエルも食べた事が無いチキンな私(ややこしい)が、未踏の地のペルーにどんな動物が主なタンパク源かも調べずに「出されたものを黙って食べる、豪に入れば郷に従えスタイル」で目をつむって入店した。

どっこい

店内は
マチュピチュ感を全面に押し出した民芸品で飾られ、私の思い通りの「土臭さ」を演出していたのに、メニューの写真は驚くほど煌びやかだった。イモもマメもあれども、ちっとも土臭くなく、都会的にアカヌケている。おやおや?

まず飾り付けが豪華で目を疑った。
「これは見た目だけ良くしちゃってるパターンかも」と映え狙いでは?とも疑った。

ポテトサラダなどはケーキのように可愛くかたどられ色彩やかで美しい。
見栄えのするものは案外 "映え負け" というか、私の味蕾ハードルが上がりすぎてしまうことが多くある、だまされてはいけない。

どっこい
どっこい

初ペルー料理で流儀も分からぬ素人3人。
ここはガサ入れが必要だろう。

店主に皿の大きさを聞いたら「まあまあデカいよ」と教えてくれた。やはり。

ならば一人一皿ではおばはん三人の胃袋は滅してしまうので二皿に絞るしかない。
シェアとなれば個人の冒険心は邪魔だ、無難なモノを選ばなければならない。

店主オススメの、日本人好みの二品をオーダーした。

彩りの良い香味野菜とポテトと牛肉の炒め物と、渦高くキレイに見事に積み上げられた魚介のフリッターに揚げた粒トウモロコシ添え。

どちらも本当に美味しかった!

私がハードルを下げ過ぎていた可能性は否めないが、それにしてもこの美味さはみんな大好きじゃなかろうか、と言いたいくらいに美味しかった。

……また食べたいな。

そんな美味しい思い出のペルー料理をもう一度食べる機会が、思わぬ形でやってきた。

ペルー人のお母様と、トルコ人ではなかった(勘違い(´>ω∂`)☆)ペルー人のお父様と、年の離れた妹弟と叔父様と、市内の、御家族行きつけの別のペルー料理店でお食事会だ。

娘のお友達の陽キャさからの勝手なイメージで、ご家族もいわゆる外国人のノリの、陽キャ5倍デーなんだろうと構えていたが、そんなことはなかった。
普通のテンションで、静かな挨拶を交わし、特に紹介をし合ったりハグし合ったりするわけでもなく、静かに席に着くことになった。
私は外国人のことを全員エディ・マーフィだと思ってたのだろうな。



しかしこの静かな普通のテンション……
かえって気まずいゾ……


〈つづく〉

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