ダシ醤油を断ったので

会社に
ちょっとだけ面倒くさい人がいて
極力接触しないように努めている

世話焼き と言えば聞こえは良いが
どうもその背後に
「お世話焼いてる私えらい」や
「私はこんなにみんなのこと考えてるのにみんなは私に感謝してくれない」が
見えすぎる
常にその 「圧」 をすれ違う全ての人に与えている

そして彼女の一番残念なところが
「良い人」をまっとうせず疲れ果て
最終的に自分の行いを受け止めなかった みんな が悪いと「愚痴」をこぼす

私自身は
「良い人」は演じ切った方が良いと考えているので、彼女の吐き出しをどうしても「愚痴」と捉えてしまう。

昨年度までの3年間彼女を担当していたので、私はその聞き役だった
愚痴を聞くのが私の仕事
と思っているのでその3年間は随分彼女に時間を費やした

彼女は常に人間関係にピリピリしていて、他人のミスを見逃さずその原因を本人以上に追求し、本人よりも一歩でも早く解決策を見つけることに全力を尽くすものの、本人がついていけず、さらにその事にイライラを重ねている。
彼女は「お世話を焼いている」のだが、はたからみれば引きずり回して疲れさせているだけにも見える。
だが彼女はそんな自分を褒めてもらいたくて仕方ない

彼女は一回り以上年上で
仕事歴も私の倍以上の大先輩
だが立場は私が彼女の仕事を管理する側でいわゆる「上司」にあたる
知識もプライドも数段上の彼女に「上司」として接するのはキツかった。
そこはThe末っ子、世渡り上手に育ててくれてありがとうと、両親にこんな形で感謝する日が来るなんて思ってもみなかった。

だいぶ彼女の扱いにも慣れてきた頃、数年毎の担当変えで今年度から私は彼女の担当から外れた

彼女の不満の全てを解消出来てはいないだろうから、私が担当だった3年間を彼女が満足したたかは分からないが、まあ私はお陰様で随分「聞き上手」がステップアップしたと思う。
また、適度な距離感をとることの大事さも学んだ。

あんまり関わっていると私が疲弊してしまう


「良い人」を演じ切る制限時間はそんなに長くないのだ

「人気のダシ醤油をネットでまとめ買いしたからお安く分けられるんだけど きんととちゃんはどう? 」

そのメールを受け取ったのは久々の有給休暇の朝だった

たわいのないお誘いなのに

「久々の有給休暇」
精神的にも仕事と距離を取れる唯一の日に
彼女との関わりを断ちたかった

恐らくだが
こんなふうにメールをしてくる時は「かまって欲しい」傾向である事はこの3年間で学習した。

かまってあげる?

ごめんよ今日だけは勘弁して欲しい
出勤している新担当さんに相手してもらってくれなんでよりにもよって朝なんだよダシ醤油も普段使わないもん興味もないものに高い金払えないよセレブじゃないんだからこちとら安い顆粒ダシで十分なんです


のんびりした気分を害された
キレ気味の気持ちを抑えて
「お誘いありがとうございます。先日頂いたものが沢山あり、使い切れないといけないので今回はご遠慮します」と断った。

ウソだ

頂いてはいない
ダシ醤油

ウソをついてまでして追っ払いたかったのか私
「良い人」を演じ切るために?
そう距離を置きたかったんだ

今回はこれで良し




しまった……

セレブのダシ醤油
買っとけばよかった……



晩ご飯
お蕎麦を茹でて薬味も準備して
つゆを作っていたら顆粒ダシが切れていた

かつお節も無い
コンソメならあるがうまくなる気がしない

どうしようどうしようどうしよう


ウソなんかつくんじゃなかった~

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