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京都旅行に行ってきた!

卒論提出が終わったと思えば、部屋探し、引っ越しと怒涛の一か月が過ぎた。引っ越しが滞りなく済み、一息ついた頃に彼氏と卒業旅行として京都を訪れた。とても楽しかったので、備忘録としてここに残しておく。


1日目

京セラ美術館

まず訪れたのは、京セラ美術館。村上隆の企画展が行われていた。重厚な近代建築と現代的な建築が一体化した建物でとても面白かった。村上隆については何も知らずに見学したのだが、作品を観ていると京都で展示することを意識したのか彼が藝大の日本画科出身である(これもキャプションで知った)ことを裏付けるような、日本を意識した作品が多くあり、現代アートと和の融合が興味深かった。


京セラ美術館外観

中には闇の中で作品が浮かび上がるような作品もあり、展示方法も面白かった。この方法を観て、西洋の祭壇画もこんな風に展示できないものかと考えもした。電気による照明が発明される以前は教会の中の祭壇画は暗い空間で差し込む陽光のみを頼りに鑑賞されており、この村上隆の展示方法ならそれを再現できるのではと思ったからだ。でも暗い中で鑑賞できるくらいに光を当てるのはそれはそれで作品の負荷になってしまうのかな…とぐるぐる考えているうちに美術館をあとにした。学芸員の資格を取ると美術展の見方が少し変わる。


闇の中での展示作品のひとつ。かわいい。

美術館周辺散策

この日は結構な雨だったため、京セラ美術館から平安神宮を散策する気にはなれなかった。本当は近くの有名なうどん屋さんに行きたかったのだが、予約がとれなかったため別のお店へ。そこで食べた鴨南蛮うどんのおいしかったこと。京うどんというものを初めて食べた。引っ越す前に住んでいた山形ではうどん屋さんがほとんどなく蕎麦屋さんばかりだったのもあって、そのおいしさにいたく感動した。健康とか周りの目とか気にしなくていいのなら、汁を全て飲み干したかったくらい。

本当においしかった。

お腹いっぱいになったところで、うどん屋さんから平安神宮を通り過ぎて蔦屋書店に行った。大きい本屋さんに行くとテンションが上がる田舎者の私と彼氏、やいのやいの言いながら本棚を巡回した。面白いなと思ったのは、お菓子のレシピ本の棚には実際においしそうな焼き菓子が売られていたり、お茶や香水、おつまみが売られていたこと。そんなの、本もお菓子も相乗効果で良く見えてきて、買いたくなっちゃう。彼は哲学関係の本と食べる鰹節、私はミッフィーの卓上メモを買った。

その後これまた近くの京都府立図書館の中をチラ見して、次の目的地へ。このころには、雨がやんでいた。

薫習館

お香のお店に併設された、香りの博物館のようなところ。体験型の展示で、そのキャッチーな見た目からか若い女性客がほとんどでみんな写真をたくさん撮っていた。面白かったけれど、思っていたよりちゃちで、早く見終えてしまった。調査不足。

そこから少し歩いたところにあるカフェで休憩。こじんまりとしたところで、落ち着いた雰囲気で良いところだった。私と彼で違う豆のコーヒーを頼み、飲み比べてみたり、プリンを食べたりした。

店内の様子。


卵感つよめプリン。


二条城

事前に立てておいた予定では残すのは19時前の映画のみとなったから、それまでの時間つぶしに二条城に行ってみることにした。周りをぐるっと回って、最後の方にキッチンカーがいたのでそこでたこ焼きを買って食べた。


雲行きが怪しくなる

出町座

なんだかんだで時間をつぶし、この日最大の目的地、出町座へ。これは彼が見つけたミニシアターで、上映スケジュールを観てみると私が最近観た『枯れ葉』の監督、アキ・カウリスマキの特集上映をしているという。これは行かなくちゃということで、『浮き雲』を目当てに訪れた。この映画館は本屋さんとカフェが併設されており、映画までの時間をそこでつぶした。美味しいカツサンドを食べ、そこで買った本を読みながら映画の時間を待つ。

カツサンド。劇場内に持ち込みもできるらしい。
飾られているポスターのセンスから良い映画館であることが分かる

そしてついに映画の時間。本当に小さなシアターで、お客さんは20人いるかいないかくらい。映画はとても良かった。結構『枯れ葉』と似ているところが多いなと感じた。アキ・カウリスマキ作品が初めての彼も大満足だったようで、とても良かった。他の作品もどんどん観てみたいなあ。

最高だった。

こうしていい映画で満足した気持ちのままホテルに向かい、旅行1日目は終了。あ、ホテルのバーでクラフトジンを1杯飲んだ。

2日目

ブルーナ絵本展

二日目の目玉はこれ!このために京都旅行の日程を決めたと言っても過言ではない。私はミッフィーがとても好きで、あのシンプルで洗練された線と鮮やかな色彩が大好きなのだ。観ている最中、ずっとかわいいしか言ってなかったような気がする。中は写真が撮れなかったのだけど、あの絵本の表紙が一挙に並んでいるところは圧巻だったな。時代によるミッフィーの作画の変遷を感じられた。

グッズ売り場では厳選に厳選を重ねて、ポストカードと小さなクリアファイル、今月末に友達と会うのでその子のためのお土産としてロルバーンのメモ帳を買った。私は昨今のミッフィーのグッズにもの申したいことがあって、淡い色が多すぎない?ということ。私は絵本の色彩を愛しているのだけど、そのまんまの色彩のグッズが少ない。今風のパステルカラーやくすみカラーのグッズが多すぎる。共感してくれる人はいるかしら。


今回の展示は結構ボリスがフィーチャーされていた。

その後、お昼にお好み焼きを食べ、バスの時間までKIDDY LANDでミッフィーグッズを見た。そこにあったUFOキャッチャーに彼氏が突然こだわりを見せ、5回目くらいの挑戦でボリスをゲットしてくれた。とてもかわいい。

ゆきんこボリス


KIDDY LANDにあった可愛いエレベーター。

京都大学附属博物館

バスに乗って向かったのは、京大附属博物館。大学附属博物館が気になるのは私だけだろうか。京大のそれはとても大きくて、私が通っていた大学のものとは比べ物にならないほどだった。豊富な資料と分かりやすい展示で自然科学も文化史も面白かった。「私たちも京大生だと思われてるのかな!?」と言ったら彼氏に鼻で笑われた。旧帝落ちがそんなこと言うなってことか。

展示を見て満足したあと、カフェで休憩をして、そこから歩いて下鴨神社へ。真っ赤で大きくて綺麗な門に圧倒される。

お気に入りの1枚

境内にあるお茶屋さんで一服した後、ホテルに戻り、ボリスを含めた財布以外の荷物を置いて先斗町へ。

先斗町

京都の夜を舐めていた私たちなので予約はしていなかったのだけど、奇跡的に空いている居酒屋を見つけた。契約農園の野菜を売りにしているところで、どれもおいしかった。店員さんたちも親しみやすくて、忙しいだろうに色々お話してくれた。私たちが大学の卒業旅行で京都に来ていると言うと店員さん3人にそれぞれ驚かれた。「本当に大学生なんすか!大人っぽいですね!」やっぱり私たちは年増に見られるんだなと苦笑する。

あさりとねぎのおでん


鴨と九条ネギのおでん。見切れているのはイイダコのから揚げ。

美味しいものをたらふく食べて酔いも回ってきたところで、二軒目。ここは前から決めていて、森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』に登場するバーのモデルになったお店、moon walk。私も彼も、特に私は数えきれないほどこの本を読んでいるので、絶対に来たかった場所なのだ。カクテルが200円から飲めるリーズナブルなところ。店長さん?がとても手際が良くて、ひっきりなしにくる注文を目にもとまらぬ速さでさばいていた。


マスターの方と実写化するなら誰?という話をしていたらDVDを流してくれた。

途中から、隣にいた陽気な常連3人組が「これ飲みきれないんで(^^)」とシャンパンを私たちにそれぞれ1杯ずつくれて、そこからちょっと会話に参加したりしなかったりしていたら結局シャンパンを3杯も飲ませてもらった。ここでも私たちの年齢を言うと驚かれる。28歳の方には「同い年かと思った!」と言われた。そうか、私たちは見た目アラサーなのか。程よい頃合いで私たちは宿に帰った。

3日目

東本願寺

3日目は清水寺周辺を散策するというざっくりしたことしか決めていなかった。着物レンタルの時間がお昼だったため、急がなくていいのでホテル近くの東本願寺を訪れた。朝のお寺はとても静かで心が穏やかになるような気がした。

大きな建築を前にすると「ほぇー」しか言えなくなる。

祇園に向かい、八坂神社と円山公園を散策。お昼になったら、前日のバーで隣のお兄さんが教えてくれたラーメン屋さんに行った。これがもう本当においしくて、ずっとおいしいしか言ってなかった。鴨のラーメンを売りにしているところで、上品だけど、ちゃんとラーメンぽい油もあって、それが山椒で爽やかになっている、という絶妙なバランスだった。

美しい

店内のBGMが私が最近ハマっているnujabesのアルバムそのものだったので、なんだか変な感じがした。

清水寺

そしてついに待ちに待った着物レンタル。すごく楽しみにしていた。私が事前に考えていたのは、今時のレースとか淡色とかの着物じゃなくて、濃い色で大人っぽいモダンな着物がいいなと考えていた。そして迷いに迷って着物を決め、帯は兵児帯でもなく課金して少しいい帯にし、結果とても満足のいくコーディネートになった。


帯が素敵!!

アラサーの見た目も相まって女将さんに見えなくもないけれど、すごく満足している。清水寺に大量にいた着物女子たちと比べても、私がいちばんかっこよかったと思う(過言)。

着物を着てお抹茶と八つ橋をたしなんだり、散策をしたりして新幹線の時間ギリギリまで楽しんだ。

こうして、あっという間に過ぎた2泊3日。あまり王道の観光地には行かなかったけれど、その分あまり人ごみにも巻き込まれず、充実した3日間だった。気づいたら4000字を超えていた。ただの旅行記をここまで読んでくださった方、ありがとうございます。大学時代は感染症であまり遠出できなかった分、これから色んなところに行けるといいな。

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