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閉店のスタジオラグ伏見店に対しての想い【音楽スタジオ奮闘記】

京都の音楽スタジオ・スタジオラグ伏見店は2019年11月末をもちまして、閉店することになりました。

ご利用いただいている皆様ほんと……申し訳ないです…

そして今までありがとうございました。

1995年のオープンから24年間。

プロ、アマチュア、インディーズ問わずの多くのミュージシャン、楽器人にご利用いただきました。

正直なところ、将来のどこかで閉店は視野に入れていたのですが、タイミングがこのタイミングになってしまいました。

今でも、たくさんの常連様がご来店されている音楽スタジオ・スタジオラグ伏見店。

「なんで閉店するの?」
「閉店したら寂しい!」
「どこでリハすればいいの?」

閉店を告知してから、そんなメッセージやお電話の毎日です。

そんだけたくさんの思い出や、あって当たり前の街の音楽スタジオだったことを再確認しております。

閉店の理由として、さまざまな要因があるのですが、大きくはこの3つ。


1. ビルの老朽化

まずビルの老朽化ですが、これは「直ちにビルが壊れる!」みたいなことではなく、将来性の問題でもあります。

スタジオを建設したのが1995年。

ビル自体はもっと前から存在していたようですが、内装の劣化や防音室としての機能低下などこれからのことを考え、どこかでリニューアルもしないといけない状況だったのです。

そこから明確な将来像をまず計画し投資するという流れまで行き着かず……。

2. 音楽スタジオの需要の低下

そこで日々の需要や、マーケットを確認するのですが、10年前と比べると売上も約4分の1まで低下しておりました。(具体的な金額は伏せます)

衰退や低下というより、この10年での時代の変化に対応が追いつかなかった感じです。


この状況で新たな投資は見だせず、閉店を視野に運営することになります

3. わたくしの割く時間

まず大きい動きとしては、スタッフ縮小や営業時間短縮でした。

1年前まではアルバイトスタッフも数名いたのですが、全員雇用停止や他の店舗に移ってもらい、ほぼわたくし1人で店番をすることになります。

伏見店の店長になるのは数年ぶり。

アルバイトスタッフと言えど次世代の担うスタッフや店長候補になってもらうための投資だと考えていたため、将来性がない店舗に新たな人材を投入し、人件費を割くわけにはいきません。

アルバイトスタッフ含む数名で運用していた店舗を、1人で運用ですから、あらゆる業務を最適化するわけです。

掃除一つにしてもオペレーションも、時間を決め効率よくカリカリにしていきました。

例えば、スタジオから配信していた生配信も、わたくし1人で運用しているため外部の営業などができない状況打破と、動画を使い顔を出し1人で運用していることを強みに持っていくためのアクションでした。

なにより日々のお客さんとの貴重な交流の時間でもありました。

その他にもいろいろとできることを試しておりましたが、流れに逆らうことはできず……(過去のnoteご覧ください)

現代では人生100年時代と言われていますが、その100分の1の1年間を投入しました。

……が良い方向に進む結果にならず、自分の力不足を感じております。

最終的な決断のきっかけは、こういったわたくしの日々の時間もありました。

「どこで自分の時間を使うか」

その覚悟が、今後のスタジオラグの方向性も左右すると感じました。

別に自分が音楽スタジオなんてしなくてもいいのですが、当たり前にあった場所を簡単に手放す決断もできず、現在に至って閉店なわけです。

正直めちゃくちゃ悔しいです……

あと自分がかけた時間が無駄だったんじゃないか……

みたいに、気を抜くとネガティブに考えてしまいそうになるのですが、  いい経験させてもらっていると今では考えることができ、次へのステップとしてのはじめの動きと思えるようになりました。

閉店を発表してから、さまざまな声があって、申し訳ない気持ちもあるのですがそこで感じた違和感を次回はつづりたいと思います。

決してネガティブなことではありません(笑)。

次回に続く……


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