TakramCast「Service Design基礎 #1 」

デザイン・イノベーション・ファームのTakramが毎週2本のペースでお届けしているポッドキャスト「Takram Cast」。その音声の一部をnoteで公開しています。全編を音声で楽しみたい方は「Takram Cast」でお待ちしてます。

さて、今回はTakramの佐々木がサービスデザインの基礎について語るシリーズの第一回。Takramの渡邉と松田が聞き手となり、佐々木がサービスデザインの定義や成り立ち、歴史について語ります。

( トークの導入部分は省略して、佳境に入ったあたりから抜粋 )

渡邉:高いっていうのはあれかな、1回ルールを作るとあんまり例外が多くない?

佐々木:この三つの原則に合わせると、例えば教育システムを作ろうってなると、ユーザー中心ってなると学生、学生の立場でどういう教育サービスを提供したらいいだろうかっていうこともあるし、全体的でいうと、教育機関でいうと、行政機関があって教育機関があって、教師がいて、生徒がいて、生徒の親がいて。

渡邉:というか、ビジネスシーンと公共を比べたときに、公共の方が親和性が高いという理由は?

佐々木:公共の方がっていうことではなくて、公共もビジネスも親和性が高いんですけど、関係するアクターとか、関係する、どういうトリガー人が動くかっていう観点だと、行政の方が比較的にシンプルだったりするので。

渡邉:複数の登場人物がフラットに出てくるみたいなところが大事なんですか?

佐々木:そうそう。なのでそういう意味でイギリスでは、デザインを全省庁横断でサービスデザインを進めていこうっていう、そういう専門の行政機関ができたりとかしたので、今見たらイギリスがすごくサービスデザインセントリックな行政サービスを提供しているという感じですね。結構歴史は浅いんですけど、元々サービスデザインってどういうところに適用されてたかというと、元々は小売業界がメインですね。ちょうど2カ月ぐらい前に、マクドナルドのCEOの創業者がテーマになった映画。

渡邉:あったね、ありましたね。

佐々木:あれ見ました?あれとかサービスデザインの典型で、どうオペレーションを作って、待ち時間を減らして、結果的に売り上げを増やすかっていう、っていう小売の分野で始まったっていうのが最初ですね。

渡邉:オペレーションのデザイン?

佐々木:オペレーションのデザインと、売り上げの向上と、顧客満足度の向上を分けずにセットでやるっていう、そういう考えですね。そのあと大規模公共設備、空港とか駅とかそういうとこで始まって、そのあと行政サービスにも使われるようになったっていう感じです。それがどういう業界でやられてるかっていう観点なんですけど、次サービスデザインの活躍の仕方の話を3段階で分けてすると、最初はまさにマクドナルドでやったように、既存のサービスの改善っていうふうにやられてたんだけど、そのうち会社のオペレーション丸ごと変えるっていうところまで踏み込むまで来た。

渡邉:その会社のオペレーション全体って例えば何?

佐々木:それは例えばどうやって厨房システムを作ろうかっていうことが、マクドナルドのやり方で語られたんだけど、それと合わせて不動産取得の仕方をルール変えようだとか、それと合わせて会計のやり方をどういうふうに変えようかとか、そういう会社全体のオペレーションを変えるっていうところが二つ目。で、最終段階がサービスそのものをゼロから作りだすっていうのを、サービスデザインの手法を使ってやるっていう、これが三つ目ですね。

渡邉:サービスデザインオリエンテッドな手法で立ち上がったスタートアップ、例ってなんか?

佐々木:それ超グッドクエスチョンだけど、今僕ぱっと思いつかないですね、そういうタイプでいうと。っていうのはサービスデザインって、サービスデザインの教科書を読むと、アーキファクトとか言葉を使うんですけど、ある具体的な物を通じてサービスっていうのは提供されるっていうことなんですよね。なので、新しいサービスができたとか新しい事業が生まれたっていうときに、それはサービスデザインで事業を生んだっていうよりは、このプロダクトが生まれたとかそういうふうに捉えられやすい感じ。

渡邉:なるほど。事業に。

佐々木:なので、例えばマクドナルドっていう新しいハンバーガーショップができましたっていうふうにプレゼンテーションされるけど、実際作ったものっていうのはその背後にあるオペレーションも含めて作ったっていう、そういうこと。

渡邉:じゃあ例えば、サービスデザイン系のコンサル会社が世界各地にあると思うんですけど、その中で代表的な事例みたいなのはどんなのがあるの?

佐々木:よく面白いのでいろんなとこで話をするのが、アメリカのヒューストン空港で起きたことなんですけど、空港っていろんなとこに行列が発生していて、ヒューストン空港は特にバッゲージクレームがクレームの大半を占めていた。そこに飛行機着きました、バッゲージクレームで自分の荷物を待ってますと。15分とか待つわけですね。そうすると、そこでクレームの温床になる、「いつまで待たせるんだ」みたいな話で。

そこで空港が頑張ってオペレーションを改善して、15分を13分に、13分を12分に縮めてって頑張ったんだけど、全然クレームの数が減らない。で、サービスデザインのファームが入ってやったのが、まず人の立場に立って考えると、待ち時間とは何ぞやって。そのファームが優秀だったのが、認知的な待ち時間とリアルな待ち時間っていうのを分けたんです。人は歩いてると実は待ってると感じないのではないかということで、そこの飛行機降りてからバッゲージクレーンに行くまでの間を遠回りしてくださいって言ったんですね。本当は1分で着くところを、7、8分遠回りさせて行かせる。

そうすると7、8分歩いて待ってる時間を3分ぐらいに、合計の待ち時間は変わらないんだけども、認知的な待ち時間が12分から3分に減りますっていうことをやったら、クレームがほぼなくなったという事例があったりとかします。そういうふうに顧客体験を改善するっていうことにすごく得意な。

松田:今さっき年表で挙げた、1980年代から2010年代までで、サービスデザインの適用範囲っていうのがちょっと増えていってる、その立ち上げが1980年代っていう、いろんな要因があると思うんですけど、情報であったりとか心理学があったりとか、時代背景とか。

佐々木:時代背景は、やっぱりプロダクトで差を付けられなくなってきた。要は、よく言われているように物自体の機能、薄いとか防水とか耐久性が高いとか、物自身の差別化が難しくなってき始めたのが1980年代。大量消費の時代がある程度先進国では広まっていって、そうすると車、テレビ、家電とかの差別が難しくなってきて、そうするとブランディングとかで差別化をし始めるんだけど、それでも難しくなってきたりすると、じゃあどう自分の会社のオファリングを他者と差別化かするかというと、プロダクトで差別化するのではなくて、サービスで差別化をする必要があるのではないかという機運が高まったのが80年代ではありますね。

なのでそうすると、プロダクトをどういい感じでデザインするかっていうことのみならず、サービスそのものをどういうふうにデザインするかっていうところのニーズが高まっていったのが、80年代、90年代である感じになっていると。それすごくグッドクエスチョンですね。最近は高級ホテルとか銀行とか、あと小売店、スーパーとか、そういうところでサービスデザインが使われる事例がすごく増えてきてという感じですね。なんかここまでで質問はありますか?

渡邉:さっき教えてもらった飛行場の事例って、すごいある部分サービスっていうより、いちクレームに対する対応っていう感じがするんだけど、もうちょっと全体の事例もあったらうれしいなと思うんですけど。もうちょっと適用範囲が広いような。

(つづきは↓からどうぞ)

Takram Castは、Takramのメンバーがデザイン・テクノロジー・ビジネス・文学などの話題を幅広く展開するポッドキャストです。毎週月曜日に2本のペースで公開しています。

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