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お得な食べ放題?

いつからかお腹に入る食べ物の容量も少なくなり、ラーメン1杯ほどでお腹が満たせるようになった。何年か前までは大盛りだとかジャンボラーメンも食べられたのに…

そうやって昔の事を考えると、できなくなってしまったことに考えを傾けるのはあまり良くない。逆に言えば、昔は少しの食べ物では満足できない貧しい胃袋をしていたと考えるなら良いのだろう。
そんなように考える事もあって、僕は遠ざけていたお店がある。
それは「食べ放題のお店」だ。

少食の(僕はそこまで少食でもないけど)ひとにとって、食べ放題のお店ほど行きたくないお店は無いのではないだろうか?
定食屋さんでもある「ご飯とお味噌汁のお代わり自由!」なんて言われても、1杯でお腹いっぱいになるのなら、あっても無いような特権である。
(ちなみに僕は、定食屋さんのお味噌汁が好きだ。あさげだかゆうげだかわかんないけど、あのインスタントな味噌汁の味が何とも言えない。)

僕はそういう意味でも食べ放題はあまり好まないのだが、久しく行く機会があったので行ってみた。

一般的な居酒屋としても利用できるのだが、「お鍋の食べ放題」が置いてある。そのお鍋を食べようという話だ。
決まっていた事なので、迷わずお鍋の食べ放題を注文。
お鍋を用意されてグツグツなったらだいたい完成。中にある具材を食べなくとも、具材を入れたらどんどん注文しても良いというシステムで90分の食べ放題。(飲み放題はプラス1500円で可能)

もちろん、どんどん入れてどんどん食べる。値段を気にせず食べられるのだから、こんなにも幸せなことはない。よく食べるひとであればなおさらだろう。
スープを足すだとか〆は何にするんだとかを話して、なおかつ頼みすぎて食べきれないと悪いので、お腹と相談しつつも次々と頼んでいった。

後半、ややお腹が膨れて苦しいかもって時に気づく。「この材料のラインナップは、組み合わせで違う料理ができそうだな?」

そうなんだな。
お鍋として出されているし、お鍋を食べに来たという定で来ているのだからお鍋をいただくのは普通のことだが、もっと冷静になって考えたら良かったんだ。
〆の雑炊やらラーメンやらうどんが作れるってことは、色々違うものをあれこれ作ってみれば良かったんだわ。同じ味の鍋の具材をアレコレとやれ鍋に入れろ入れろと、テキトーなことをするんじゃなかった。
空腹と食べ放題ということで「たくさん食べなければ」と必然的に考えていた。

しかし食べ放題だからと言って、そんな事はない。なんならうどん屋さんでうどんを食べるのもお腹はいっぱいになるのである。であるならば、「何を食べても満たされるもんは満たされる」と半分割り切って考えて、「もっともっと食事を楽しむべきだった」のだ。

悔しいよなぁ。
自分の強欲さに負けて、「食べ放題=たくさん食べてなるべく元を取ろう」と考えていたのか。なんで食べ放題になるとこんな考えが、頭に浮かぶんだろうか?

食べ物にお金を払う時、「元を取れる」なんてことは絶対にできない。原価がどうとかという話ではなくて、食事をするのにすでに支払うお金があるのであれば、その時点でおサイフの中身はいくらかマイナスされることになる。支払った分、同じ値段かもしくは報酬のようなプラスのお金が戻って来る事などは絶対にないのだ。
(大食いチャレンジとかではあるけど)

お得な食べ物なんてものはない!


「食べることは生きること」。という言葉があるように、食べることには価値がある僕らが生きていることにも、それなりに価値があるように、生きることを引き延ばすための食べものや食べるという行動にも、もちろん同じくらいの価値があるのだ。

美味しいとか、今日はたくさん食べたとかで満足することがあるだろう。

今日も食べられた。そのおかげで生き延びられた。 だからかもしれない。
「生きていても良いよ」と言われたような気がした。

そんな風に考えたら、毎日何か少しでも食べられている事に感謝できるのではないだろうか。

食べられるだけで、丸儲け。これからの僕は。

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