あなたが知らないリケダン・リケジョの世界(後編)

前編に引き続きお送りします。
※ 前編はこちら




研究室ってこんなとこ

学部4年生から通う研究室という空間ですが、
理科の実験室を想像してもらえばいいと思います。

所狭しと実験器具や測定機器が並んでおり、
その脇に各自のデスク(本当にちょっとしたスペース)があります。

当時の私の研究室の所属人数は、学部4年生〜博士課程3年でだいたい30人くらいで、教授側の指導を受ける生徒と、准教授側とで半分ずつくらいだったと思います。

卒業論文の研究テーマの設定

研究室での生活は、まず自分の研究テーマを設定することから始まります。そのために、まず教授か准教授かどちら側の研究分野が良いかを選びます。

私の研究室の場合、教授側のテーマは、マウスを使った機能性物質に関する研究

准教授のテーマは、細胞を使ったアレルギーに効くポリフェノールに関する研究

という内容でした。私はアレルギーの方を選びました。

研究テーマの他に、掃除当番や器具の使い方など運営ルールについては先輩(博士課程)から説明がありました。

研究というと、なんとなく想像がつきづらいかもしれませんが、例えばヘルシア緑茶の中のカテキンが、

そもそも脂肪燃焼に効くかどうかを発見する研究
(マウスを使って痩せるかどうかを確認する)
・・・教授側のテーマ

それがなぜ効くかを突き詰める研究
(細胞を使いながら細胞の中で何が起きたを調べる)
・・・准教授のテーマ

という感じです。

どちらかを選び、教授または准教授からそれぞれ具体的なテーマをもらいます。

1年間授業はほぼなし

卒業までの残り1年間で、そのテーマに関する発見をし、卒業論文(卒論)にまとめる必要があります。
卒論は卒業するための必須条件になります。

ちなみに授業はほとんどありませんでしたが、朝9時から研究室に行く毎日となります。基本アルバイトはNGです。

年中無休です。

8月中旬〜9月上旬までは4年生のみお休みでしたが、夏休みというわけはなく、大学院進学者のための試験(院試)準備〜試験期間になります。

研究室での研究は、軒並みブラック企業

研究をどのように進めるかなんて、初めは皆目見当もつきません。

ざっくりと説明するなら以下①②③のステップをひたすら繰り返し、成果がまとまれば論文としてまとめます。

① 過去の報告書(論文)を読んで、仮説を立てる
② 実験をしてその仮説を立証(または棄却)する
③ 先生を含めた他のメンバーとディスカッション

ちなみに論文はほとんどが英語になります。

研究室に泊まり込みで実験をすることも多々あり、ブラック企業ばりです。24時間365日いつ行っても誰かしらがいました。 笑

私も研究室に寝袋を常備しており、遅くなったら仮眠を取っていました。

研究室で年を越す人も毎年何人かいました。

こんな有様ですので、毎年10人に1人くらいはメンタルを病んで研究室に来なくなっていた記憶です。

10年以上昔のことなので、現在の研究室がどうなっているかはわかりませんが、少なくとも15年近く前はこんな感じでした。

研究室はかなり閉鎖的で、独特の人間関係があります。私の研究室は女性が多かったため、中でくっつく事が多々ありました。

ほとんどの時間を研究室で過ごしますので、プライベートがなくなる事も“研究室恋愛”が多い事の理由の1つです。

私もその1人です。笑

研究室へ配属し、あっという間に1年が過ぎて卒業です。大学院へ進学する人もここで一旦卒業します。

大学院進学後

大学院での生活も、学部4年生の時のなんら変わりません。ひたすら実験を繰り返します。

また、このタイミングで大学院から進学してきた数名が新たに研究室に加わります。

大体の人がこの段階で、このまま大学に残るか、企業に就職するかを決めます。私も含めた95%くらいの人が修士課程1年で企業への就職活動を始めました。

リケダン・リケジョの就活

修士1年の場合、メーカーの研究職を希望する人がほとんどでした。その他に、公的な研究機関や一般企業の総合職、中には他の大学の医学部などへ編入した人もいました。

やっと修了

研究成果を修士論文としてまとめ、修論発表会をもってやっと修士課程卒業となります。

アカデミックな世界に進む方はそのまま大学院に残る、または別の大学院へ編入し、博士課程に進みます。

まとめ

リケダン・リケジョの世界は確かに独特です。

卒業後の進路は人それぞれですが、企業で引き続き似たような研究を続けている人は結構稀です。
あくまでも私の印象ですが、メーカーに就職した人は皆さん研究職としてキャリアを始めましたが、製造や開発、マーケティングなどいろいろな職種で活躍してます。

研究室に所属当時は、結構辛かったですが、3年間だけだったので何とか乗り切れました。

最後まで読んでいただき有難うございます。

それではまた。





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