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あなたの知らないリケダン・リケジョの世界(前編)

こんにちは。この前散髪に行ったんですが、
何気ない会話の中で、美容師さんから
『そういえばゼミってなんなのか知ってますか?』
『ゼミと研究室とで、何が違うんですか?』
と聞かれました。

もしかしたら理系独特な世界に興味ある方もいらっしゃるかと思い、前編・後編の2回に分けて書きたいと思います。

アカデミックな世界と一般社会のハザマで

私は理系(生物系)の大学に4年間、その後大学院に2年間通った後に、メーカーに就職しました。

文系の方とは多少システムが異なるかもしれませんし、理系の工学系や理学系の方とも違ったステップかもしれませんが、あくまで一例として紹介させていただきます。

以下、大学内キャリアのフルコースの一例です。理系の大学は大体がこんな感じかと思います。

ちなみに私の大学は学部で一括入学し、その後、学科に後に分かれるシステムでした(※)。
①学部1年生 教養課程
②学部2年生 教養課程
③学部3年生 (※)成績順に希望の学科に分かれる
④学部4年生 研究室に配属 → 一部の方は卒業
⑤修士課程1年生(大学院1年生)→研究職への就活
⑥修士課程2年生(大学院2年生)→ここでほぼ卒業
⑦博士課程1年生(大学院3年生)→入学者は少ない
⑧博士課程2年生(大学院4年生)→実績が全て
⑨博士課程3年生(大学院5年生)→就職先限定的に

ここまでが学生です。博士になるためには、飛び級を除くと最短でも9年かかります。

しかし、ここで終わりではありません。

ここからさらにアカデミックな競争の世界に進む人は以下のキャリア⑩〜⑬を進みます。

⑩ポスドク(1年任期の仮ポジション)→ポストが空くのを待つ
⑪助教(昔の助手)→ポストが空くのを待つ
⑫准教授(昔の助教授)→ポストが空くのを待つ
⑬教授(アカデミックな世界でのゴール)

ポスドク(博士研究員)とは任期付のポジションです。アカデミックなキャリアを積んでいくためのバッファー期間と理解しています。助教などのポジションが空いていない場合など、任期付きで研究室に所属しながら研究を続けますが、必ずしも行き先が決まっているわけではなく先行き不透明で不安定な職業です。

研究室(後述)に入った後に出会う、『この人はいったい何者なんだろう』という若めの仙人みたいな人物は、大体ポスドクです。笑

このように一般企業には全く就職せずにずーっとアカデミックな世界に生きている人も世の中結構いらっしゃいます。

学部1年生は受験勉強後の箸休め

キャンパスライフに胸を踊らせながらバイトや合コン、サークル(緩い部活)に勤しみます。
ただし、決められた単位(授業のノルマ)を取得しなければ留年します。
※人数 250名/学部

学部2年生〜俗に言う大学生はこの辺まで〜

ここまでは、文系と理系でさほど授業は変わりません(一般教養というみんなが受ける授業の他に、それぞれの専攻に応じて専門的な授業を受けます)。

私の大学では、成績順に希望する学科に振り分けられました。私は農学部に通っていたんですが、林業・畜産業・水産業・農政経済・化学系・食品系などがありました。
※ 人数 245名/学部→40名/学科

学部3年生で次第に専門的に

理系の場合、専門的な授業のみになります。この頃から各研究室の先生(教授・准教授、助教、いわゆる学者)の授業に触れて、自分の進むべき研究分野を固め始めます。また、早い人はこの時点で就職活動を始めます。
※ 40名/学科

学部4年生はリケダン・リケジョへの入口

ここからさらに研究室というさらに単位の小さなユニットへと振り分けられます。

各研究室にはそれぞれ、教授・准教授・助教が1名ずつおり、皆さんその道のエキスパートです。

教授陣は“授業の傍ら研究”というより、研究がメインで授業がサブという印象です。

『先生になりたくてこの道に』という人は皆無で、
研究をし続けるために学者になっています。

研究室は独特の世界

研究室の先生・先輩のキャラや研究内容を参考にしながら、希望の研究室を決めていきます。

私は食品系の学科を選んだんですが、微生物学・衛生学・食品分析学・食品工学・栄養学・バイオ系の研究室が選択肢としてありました。私はバイオ系の研究室に進みました。

各研究室には定員上限がありますので、それを超える希望者がいた場合は、成績順か話し合いにて割り振られます。

ここからがリケダン・リケジョワールドが本格化します。ここまで来ると学ぶ内容はかなり専門的でマニアックになります。
※ 40名/学科→5〜10名/研究室

次回は、社会から隔離された独特世界“研究室”での生活を中心にお届けします。

それではまた。


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