とても長かった梅雨がようやく明けて、もうこのタイミングしかないでしょう！ということで、新海誠監督の最新作「天気の子」を見てきました。

今月の夏、お盆前に見たので、感想を書き上がるまでに本当に長い時間がかかりました、、、。

新海誠監督作品「秒速5センチメール」を見た時、これまで生きてきて初めて感じた、人生や世界に対してのいろいろな〝ままならなさ″。あの気持ちを教えてくれた日から、新海誠監督作品が大好きです。

新海誠監督の映画を見てると、途中でぐわぐわお腹にエネルギーが溜まって、抑えきれなくなって、なんでか上映中3.4回は叫びだしそうな気持ちになる。深呼吸してぐっと堪えるけど、言葉にできない突き上げるような感情が身体中駆け巡るような感覚が毎回毎回あって、その衝動にまた会いたくて、襲われたくて、だからこの作品も本当に楽しみにしていました。

結果、2019年の、この時代のこの夏の、このタイミングの私で出会えて、本当に良かった作品でした。

ちょうど作中と同じく、今年の東京の梅雨は本当に長かった。空を覆う雲に押しつぶされそうな、さりげないけど確かにそこにある閉塞感が、作中の東京とシンクロしていて、自分と映画の中の新宿がきちんと世界として繋がっている感じがしました。

そして、見ていて思わず目を細めてしまうくらいに、帆高の姿が眩しかった。

●帆高の無鉄砲なまっすぐさ

絶対無理なことでも突き通そうとする無敵さとか、でもままならない無力さとか、その両極端なところが同居してるところとか、それでも食らいついていっちゃう真っ直ぐさとか。

将来を棒に振るぞ

たった一人と天秤にかかっているのは世界だぞ

そんな言葉をはねのけて、大切なあの人と、ただもう一度会うためだけに、自分の未来を犠牲にしてでも、世界の形が歪んだままでもいいからと、躊躇いなく銃を構える。駆け上がる姿。

大人になると、誰かのために全てを投げ打つとか、がむしゃらに何か頑張るってことが、少なくなってくるように思います。少なくとも私は。全力でぐちゃぐちゃに頑張ることがカッコ悪い、みたいな風潮もあったりするよね、スマートじゃないって。

多数決が絶対で、みんなが良いという方になんとなく流されていくことの楽さとか、無難さとかも、だんだん私たちは覚えてきたように思う。

でも、この映画は、個人的な事情によって、自分と誰かのためだけになされる無茶な選択を肯定してくれた。

ラストの帆高のセリフで、すごく楽にしてもらったような気がしました。

今を生きる人の、背中にそっと触れる映画

背中を押す、とも少し違うような気もして、触れるという表現を使いました。

この前に書いた内容と少しかぶるけど、大人になると、変にずるくなることを覚えてしまうと思うんです。

何かにくすぶり続ける思いがあっても、どうにかしてやらない理由を探したり、傷つくのが怖くてあえて誰かに背中を向けたり、本当のことを言えなかったり、とか。

東京四年目に突入した私も、少しずつずるいやり方とか、やり過ごし方というものを覚えてしまったような気がする。悪いこと！とは一概には言い切れないけど、でもなんだかちょっと寂しいような気もする。

でも、映画の中の帆高は周りの人間の言うことや状況や世界なんかおかまいなしに、ひたすらに走って、まっすぐに、文字通りいろんなことにぶつかっていった。

彼の背中を見つめて、ああ、眩しいな、と思う一方で、大人になった私も、がむしゃらに何かに向かっていってもいいんだよと、肯定されているような気もした。

そんな世界で降り続ける雨は、誰も知らない何かに挑んで戦った無鉄砲な誰かのことを、讃えているかのようにも、思えたのでした。

感想を書いてみて

文章をきちんと書くのは本当に久しぶりで、とてつもなく時間がかかりました...

自分が、もやもや、とか、よかった、とか、抽象的な言葉でしか表現できなかった気持ちや感想を、ものすごく丁寧にわかりやすく記しているブログやnoteに出会うと、尊敬と同時に自分の持つ言葉の足りなさに悔しくなったり。

昔から、書き言葉って自分にとってとてもハードルが高いものでした。

言葉を連ねていくうちに、思っていたままの気持ちからどんどん離れてしまっていくような気がしたり、どこか白々しく薄っぺらくなってしまうような気がして怖くなったり。

自分の気持ちや感情を、その重さ、密度、熱さのまま誰かに伝えるのって本当に難しい。

声の高低・大小や身振り手振りを使えない分、話し言葉よりもずっと、書き言葉が苦手でした。

でも、しんどいと思いながらもこうやってきちんと言葉にした時に初めて、自分の気持ちがくっきりとした形や輪郭を持つこともある。

これからも、「なんかよかった」とか、「もやもや」「エモい」とか便利な言葉に逃げないで、感じた気持ちや感情の細かな動きを書き留めていけたらいいなと思います。

訓練がてら、天気の子、の、感想でした！

たぶんもう一回観ると思います！笑