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重症筋無力症のこと(現在)

一つ前の記事で、
重症筋無力症の「重」は重力の「重」のように書いていますが、
今回noteに転載するにあたり、少し調べてみました。

重症筋無力症は、
英語で「myasthenia gravis」と言いますが、
myasthenia = ギリシャ語で「筋肉が弱い」
gravis = ラテン語で「重い」
となり、重症筋無力症という和名になったようです。

患者歴40年以上の大先輩の話を聞くと、
クリーゼは、ほぼみなさん経験してらっしゃいますし、
呼吸筋が動かなくて子供に胸に乗ってもらってさっと降りてもらい、
その反動で息を吸うことを繰り返した話や、
自宅で寝ていてもトイレまで間に合わないことは当たり前だったとか、
病歴10年やそこらの私には驚くことばかりです。

きっとその頃は、患者にとっても医師にとっても、
「重症」という言葉は事実に即していたのかもしれません。

この30年ほどで、ステロイド内服での治療や胸腺摘出手術が定着したことに加え、
1993年にプログラフが、2000年にネオーラルが治療薬として承認されたことで、症状が軽快することが増えたのだと思います。

ただ、大きい病院に通っている友人に聞きますと、
人工呼吸器や車いすが必要だったり、寝たきりの文字通り重症の方が、
感覚的にはMG患者の1割程度はいるように思うということでした。

私自身は前の記事で書いているように軽~中度程度の症状だったことと、
入院していた当時は、病棟内に同病の方がおらず、
読み返すと自分の幸運さが分かってなくてお恥ずかしい限りです。
が、それも私なので、当時の能天気さを残したまま載せております。
なにとぞご容赦ください。

*MG:患者や医師は、myasthenia gravisの頭文字を取ってこのように呼んでいます。



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