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京都のサロパへ行ってきた話

ぼくは出張族である。月に4回ほど、主に西日本を回っている。
2週間ほど前、京都へ行く仕事があったので京都駅伊勢丹にて開催されていたサロン ド パルファン 2023へお邪魔してきた。

10月中ごろには新宿伊勢丹で本家とも言えるサロパが開催されていた。しかしながら、ちょうどそのあたりから香水にハマり始めており、恥ずかしながらサロパの存在を知らなかったのである。会期中には東京にも滞在していたのだが...なかなかに惜しいことをした。
会期後に新宿サロパの様子を調べるとそれは大変に盛況していた。あまり人が多いのは得意ではないので尻込みする反面、華やかな景色が鮮やかに映った。

さて、京都サロパの話だ。京都駅直通の伊勢丹10階催事場にて11/14〜11/19に開催されていた。
京都には何年か住んでいたのだが伊勢丹にはあまり縁のない生活を送っていた。何度か訪れたことはあったが、催事場に足を踏み入れたのは今回初めてかもしれない。

伊勢丹オープンの10:00から入場したこともあり、ぼく含め2,3名しか客がいなかったかと思う。平日、それも天候もあまり良くなかったのでこれは仕方がないであろう。
フレグランス初心者としては初めて訪れる対面式販売、それも大きなイベントということもあり、混雑していたら嫌だなあ、などと思っていたのだが杞憂に終わった。

各ブースを細かに文章化すると冗長になるので割愛する。今回商品を購入したブランドについては近いうちに所感として別記事にまとめたいと思う。

ぼくが書こうと思うのは京都サロパの全体像だ。
まず会場についた時の率直な感想は「ああこんなもんか」である。エスカレーターで登ってきて会場を遠目に見た時の感想は確かにそうなのである。
実際決して広い催事スペースではなかったように思う。京都駅と言えど規模感は地方の伊勢丹催事場と変わりないのだ。90年代にガメラに壊されていたことを考えると、築年数も20数年、30年近いだろう。決して流行をふんだんに取り入れた斬新な会場ではない。

しかし足を踏み入れた感想はどうだろうか。

各メゾンには所狭しとアーティスティックなボトルが並べられている。美しい。目移りしてしまう。
ただ単に値札をつけて並べてあるだけではなく、手の込んだPOPやレイアウトでそれぞれに特色が出ていたように思う。これは自分の仕事へも大変に参考にもなった。

単純に空いていたということもあり、各ブースでは非常に丁寧で上質な接客を受けられた。
まだ香水にちゃんと触れて日が浅いこと、今のところの好みの系統などを話すと、どのブースでも商品を押し付けるようなことはせず、的確に、柔らかくコンサルティングしてくれるのである。
なんと暖かい空間であろうか。ぼく自身のセールストークとは真逆の方が多かった印象である。

調香師や販売員の方に直接レクチャーしていただけたのは本当に幸運であった。この人たちクールだがうちに秘めたパッションが見え隠れしていて、素敵でカッコいいじゃないか。
余談だがぼくも自分の業界では、メーカーとして催事に立つことが多い。客目線ではああいう風に見えるように努力したい、と心の底から反省した。

ひとつひとつのブースでたくさんの貴重なお話を聞き、ムエットもこれでもかというほど頂くと、あっという間に時間が経っていた。
ぼくの滞在時間は10:00から14:00、途中昼食や喫煙所を求めてさまよっていたことを加味すると、実質3時間強程度だろうか。とてもじゃないが3時間では回り切れなかった。全体の1/3程度しか巡れなかったように思う。

結論、催事スペース自体は広くは無いが、そこにはいくつもの世界観が林立していた。規模が小さいなどの意見もあるだろうが、初心者目線からしたら贅沢が過ぎるのでは?というのが率直な感想だ。
一体本家の新宿サロパとはどれほど豊かなイベントなのだろう。

ひとつ残念な点を挙げるとすれば、ブランドに所属していない、つまり伊勢丹の販売員の方々については商品理解がそこまで高くないということだろうか。
何百もの商品が並んでいたのだ、これは責められないだろう。
責められない、確かに責められないのだ。しかし全てのブースで伊勢丹の方に接客を受けていたら少し物足りなさを感じていたかもしれない。

香水初心者こそサロパへ行くべきだ。これはぼく自身で証明できた。
来年も京都で開催されるのであれば参加するだろう。
新宿サロパへも是非足を運びたい。

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