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「S・A・K・U・R・A」春の桜の展覧会 【グループ展・東京】

春ですね、展覧会でした。

無事に閉幕した桜展のことをまとめておこうと思います。
とにかく必死に作った作品でしたし、ご一緒させていただいたご活躍されている3名の方との交流など、次回に学ぶべきことが多いグループ展でした。
お声掛けいただけて本当に嬉しいです。

桜展に向けて、ご挨拶文

願わくは 花の下にて 春死なん 
その如月の 望月の頃
西行

世の中に たえて桜の なかりせば 
春の心は のどけからまし
在原業平

散りぬべき 時知りてこそ 
世の中の 花も花なれ 人も人なれ
細川ガラシャ

桜ばな いのち一ぱいに 咲くからに 
生命をかけて 我が眺めたり
岡本かの子

平安時代から何度目の春でしょうか。

幾度となくいろんな時代で歌に詠まれ、たくさんの人が桜を眺めて心を震わせてきたでしょう。満開の桜だけでなく、散り際の潔さに諸行無常、どことなく切ない気持ちになります。
桜の作品を作りたいと思ったのは上京して最初の春のことでした。記憶の中の夜桜は相変わらず美しい。ただ悠然と存在する姿は美しいだけではない、何か禍々しい魔性のようです。
あの日見た夜桜にどれほど近づくことができたでしょうか。とても大変な制作でしたが、それでもあの夜桜はまだ遠い。
けれどまたいつか作りたいと思います。

平安時代の始まりから1230回目の春に、こうして桜を題材にした作品を作ることができて光栄に思います。
素晴らしい機会をいただきましてありがとうございます。 ひら子

本物の桜も咲き誇っておりました。

展示風景

お天気にも恵まれました。
2点出しました。
夜桜
サイ
カフェギャラリーにて
明るくて 春爛漫でした
あずみさん「やまのこえ」
薄桃色のお花の印象もありながら、
後ろでひしめいている樹の力強さに目が行きました。
やまのこえ きっと美しい優しいだけではない。
風の音か、もっと力強い悠久のものを感じました。
タンタンさん「燃ゆる桜」「反射」
箔押しの切り絵でご活躍されているタンタンさんの桜の世界
ピンクで埋もれる花筏だけでない、紋様の世界。
一色だけでなく、もっといろんな光を反射している桜
箔の部分はただの黒ではなく、極彩色。幽玄無限。
いろんな画材に挑戦し、いろんな表現をされていて本当に素敵です。
展示会を取りまとめるバイタリティ、私も頑張ろうと思えるお人柄です。

桜の下には猫が埋まっている、というのも素敵でした。
荻原さん 「揺らぎ」「春風」
初めて見る景色なのに、どこかで見たことがある。
存在しない記憶を思い出す、光を感じて眩しくなる優しい絵でした。
私は、どこかの春でこの桜を見たことがある。
印象派
お抹茶と桜餅もありました。
季節感素敵〜

古来から、きっと変わらず春になると咲く薄桃色のお花を見て「春だね〜」とほころんでいたのかと思いを馳せるととても穏やかな気持ちになりました。

とにかく必死だった。計画性大切

とにかく必死に作品を作りました。

夜桜をモチーフにした作品は、上京をした時に見たライトアップされた桜の大樹を見た時です。それから頭の中にイメージはありつつ、いつか作品にしたいと思ッておりました。なかなか形にできず、去年の2月ごろに作ろうとおもってサイズやラフを作ってそのまま放置をして…と頭に思ってからかなり時間がかかりました。(足掛け7年とか)

今回の桜展のお誘いがなかったらずっと放置されていた可能性もあります。
(作るとなると大変なのが目に見えていたので…ね…へへ)
色の入れ方や試したことがなかった素材の紙に挑戦できる状態になって、「よっしゃ、じゃあ作るぞ」というタイミングだったので、本当に運命的だと勝手に思っております。

じゃあ、作るぞ!となってからも年度末の騒々しさの中なかなか進められず、本当に会期ギリギリの完成になりました。
余裕もなく、ポストカードも作ることができず。
こんな焦燥感はちょっと今後は勘弁なので、計画的にスケジュールを立てることの大切さをひしひしと感じました。
(すっかり忘れていた額を注文、額装、ヤマト手配 あたりがもう本当に綱渡りでした。ヒヤヒヤ)

作品の仕上がりとしては、自分の中で新しい表現にも出会え、自信になりました。
本当にいい経験になったと思います。

作品のことは別途まとめようと思います

作品作りだけでなく

4人で出したグループ展、他の作家さんは作家としてご活躍する豪華メンバーでした。

活動内容や集客方法を聞いていると、本当にみなさまいろんなことに挑戦されていて自分の未熟さを感じました。
ただ作品を作ればいいだけではない。自分でいいものができたわ〜で終わらずに、きちんと届けないと意味がない。

当たり前のことですが、届けるためにはいろんな告知や空間の作りこみ、呼び込み、拡散が必要です。
ポストカードだけでなく、作品の風合いを活かしたグッズを用意するとか。
自分を知ってもらうための努力やファンを作るための活動もやっていかないといけないのだと。作家として生きるために、いろんなことに挑戦して運用している方を見ていると本当に尊敬しかありません。覚悟の決まり方が違う。

公募に出したり、展示委託の形で参加することばかりだったのでその辺りの努力が自分ごとに捉えられておらず、お恥ずかしい限りです。
もっと一緒に出す人やギャラリーにも何かを提供できるようにならないといけないなと。

学ぶこと、真似ることが大変多いグループ展でした。
この経験を3月にできたことを幸運に思いつつ、残りの2024年を過ごしていきたいです。

出展概要

「S・A・K・U・R・A」
春の桜の展覧会
Gallery Aoyama Iyasaka

私たちにとって、桜といえば、日本の象徴的な存在。淡く美しく華やぐ街並みの中、それぞれの作家たちが織りなす春の作品をお楽しみください。

開催/Gallery Aoyama Iyasaka 企画・ディレクション/MIKAZUKI Art

開催場所
Gallery Aoyama Iyasaka
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2丁目7-14 VORT AOYAMA101
@gallery_iyasaka

出展作家
樫内あずみ/アクリル @kashiuchi_azumi
タンタン/切り絵 @tantan.1209
荻原久代/油絵 @hisayo_ogiwara
ひら子/切り絵 @naka_hirako2

3月30日(土) 31日(日)
11時〜22時

来年も桜展をやりたいね、というお話になったので来年はパワーアップして戻ってこられるように頑張ります!

精進いたします。
切り絵作家 ひら子

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