クーリエジャポンが独メルケルさんの反保護主義演説を「反トランプ」とタイトルにして失笑が集まる件

 投資家として言いたいことは「ドイツ銀行をどうにかしろ」と「保護主義って言ってますけど、それ中国のことですよね」ってのがあるんですが、なぜか独・メルケル首相のハーバード大学のスピーチ全文訳が出ているんで観に行ったんですよ。

 そしたら、掲載されてるクーリエジャポンの記事タイトルが「トランプ批判に大喝采」って書いてあるんですよね。

 これ、トランプ批判のことだったんですか。

 米中貿易紛争の元になっているのは知的財産に関する問題を含めた通商上のトラブルだけでなく、南シナ海他の航行の自由や中国企業による不正競争をアメリカがトランプ政権前から問題視し続けてきていたことが根底にあるわけで、トランプさんだけの問題じゃないわけですよね。

 もちろん、トランプさんは問題続発の人ですし、まさにクーリエジャポンのようなフランス系メディアならば批判の対象なのは分かりますけれども。

 そして、保護貿易という点では中国のほうが圧倒的に参入障壁が高くて、私も経験ありますが中国に企業を出すのには中国企業からの過半の出資が無ければならないとか、中国国内での操業に当たっては技術を全部中国当局に開示しなければならないとか、コンテンツにいたっては頒布や運営は許可制で中国国内企業が優先的に審議されるとか、まあ保護主義の最たるものなわけです。

 ましてや、冷戦時代に東ドイツと西ドイツの間にあったベルリンの壁が可能性を妨げたというのならば、中国人はいま中国から5万ドル以上持って出国することも禁じられています。あくまでメルケルさんは一般論として経済がブロック化することへの反対と、選挙に負けて終わりゆくメルケル政権のモラトリアムを表明しているだけで、安易にトランプ批判に結びつけちゃうクーリエジャポンの見識のなさにも驚きます。

 よくこんなタイトル、平気で付けたなあと思うわけですが。ウケると思ったんですかねえ、もちろん私にはウケたわけですが。


神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント