見出し画像

込み入ったペーパーを15分で作る価値

 もうジジイなので多くを語るのもなんですが、それでも混乱している状況だからこそできることは多いのではないかと思い、日々を過ごしております。まあ、どうせ上を目指すことも無ければ駄目でも路頭に迷うこともないニュートラルな状態だからこそ、無心で仕事ができるというのは幸せなことです。健康、財産、家庭、仕事、能力、全部備わっていないとこうはなりませんから。

 で、偉い人から「これ問題になってるから紙作ってこい」と言われるわけです。そこには「忙しいところ悪いんだけど」とか「お前だから頼むのだが」みたいな、請ける側のモチベーションを保とうとするような言葉や社交辞令は皆無です。偉い人は、ただ威張るから偉い人なのです。偉いなあ。

 ただ、そういう偉い人が何に関心があって、解決させるためにどういう道筋があるのか検討したいと考えるかは、うすうす予測がついています。まったく何事もないところで突然問題が勃発したのでない限り、だいたいは、すでに起こった未来の中で対処を求められているわけですから、事態のおおよそについては把握できています。

 なので、偉い人から「ペーパー作れ」と言われれば、すでに調べ終わって評価も済ませてあるところから、たぶん偉い人が関心を持つであろう中ポツの紙を作ること自体はそうむつかしいことではないのです。だって、分かっていることなんだもの。

 ならなんでそういう報告を上げないの、と言われることも多いんですけど、そんなの話は簡単で、うっかり「大将、これは問題でやんす」などとペーパーを上げてしまったら、どんなタイプの偉い人でも、有能な人物ほど「馬鹿野郎。お前早く何とかしろ」とか「一刻も早く対処するべきだ」などと指令と一緒に責任を降ろしてきてしまいます。

 いいですか。分かっていることを、そのまま報告したら「どうしてそうなったのだ」と怒られて対処させられるのだから、偉い人がどっか別のところで話を聞きつけて「何でこんな問題が起きてるんだ」ってなってから「いや、実はワイもそう思っておりやした」と自分の額をピシャッと叩いたほうが、その問題が起きたり、その問題を報告した責任は私にはないって言えるじゃないですか。

 また、慎重居士を気取ってるけど単に判断をつけられない無能な感じの偉い人というのも少なからずいて、先にペーパーを出すと「あそこにいる山本一郎ってのがこんな紙を回してきたんだけど」ってほうぼう回覧させて、まるで焚き付けたのは山本一郎だみたいなことを言われてしまいます。ノーノー、それを騒いでいるのは山本太郎です。

 なので「やれ」と言われない限りペーパーを作らないのがジジイの行動様式であるべきだと割と前から思っていて、それで上手くいっているのでご依頼がない限りペーパーなんか作らんわけですけれども、ワイは学識はないけど物事整理機能とか人間関係調整機能に加えてちょっとした界隈拡声器も備わっているので便利に使おうとされる方はおられるんですよね。

 それでも、そういうご依頼があってペラ2、ペラ3でアタックリスト付きの書類をなぜ15分ぐらいで作って出せるのかと言えば、たぶん偉い人周辺ではこれが問題になっているから先回りして調べ終えておこうと考えるからです。何も知らないところから「お前これどう思う」と言われても数日かかることはありますが、基本的に偉い人周辺に持ち込まれる話でぜーんぜん知らない白紙の話なんてそんなないんですよ。

 だから、コレアレで言われてもすんなり「大将、こういうことでやんすから、ここに当たりましょう」ぐらいの紙はヒマなら小一時間ぐらいで送るし、場合によっては無駄な割りもめが起きないよう着地を先に考えて紙を作ることはあります(もっとも、そういうのはもう少し時間がかかる)。

 逆に、そういう準備ができていないとこういう方面の情報を扱う仕事はできないんじゃないかなあと思うんですけど、他んとこではどうしているんですかね。

 画像はAIが考えた『実際に世の中に出てくる事象は氷山の一角にすぎず、やれと言われる前から仕込んでいるから仕事が素早くできるんですよという氷山に乗っかったまま沈んでいく伝統ある組織』です。


この記事が参加している募集

仕事について話そう

神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント