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サロン『漆黒と灯火』でデフレ論を喋ってたら面白かった件

 私の主宰しているオンラインサロン『漆黒と灯火』で、今月は元日本銀行で金融機構局審議役などを務められ、その後、リコー経済社会研究所の所長などもされている神津多可思さんをお呼びして、『消費増税後の日本経済』をテーマに国際金融や財政の状況についてお話をお伺いしたんですよ。

 という話をするところで、いきなり「セントラルバンク・バブル」というキーワードが飛び出し、何かの自虐ギャグの類かと思ったんですが、実際のところ世界的な低金利で新たな成長の図式が見えないところで景気が「一服」する余裕が無くなってるのではないか、というお話を頂戴しました。

 もともと、私のメルマガの海外読者さんから「神津さんの話が聞きたい」という熱烈な要望が出ておりまして、無理を承知で対談をお願いしていたのですが、巷で話題のMMT理論から財政拡散にいたるまで、いろんなお話を神津さんに頂戴できてよかったです。「Aは駄目だ、なのでBだ」という極論がはびこる市井の経済論壇と、現実に経済政策・金融政策の現場を歩んでこられた方々のものの考え方の落差、また、私たちのような相場や投資で暮らしている側の現実認識とに随分な齟齬があるのは致し方のないところなのかな、と思う次第です。

「人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか」という状況に対する解説や、90年代以降のデフレ経済下でグローバル化や高齢化による日本社会の構造転換といった複合的な問題が日本経済の長期低迷をもたらしたという視点を整理していただきました。内的な要因で日本経済が破綻するのはいつなのかを占うよりは、中国国内経済の問題や、米中対立からくる世界的な景気後退が「一服」を超えてブロック経済化・大停滞になるリスクによって、外的な経済問題として日本に降り注いでみんな迷惑するというシナリオのほうが現実的よね、ということでまとまったあたりは私にとっても大変印象的でした。

 神津さんとの対談後は、神津さんも交えて例によって会員さんと共に酒盛りに突入したわけですけれども、中央銀行とは何ぞや、金融政策のようなマネーの動きだけでデフレを解決できるような方策はなかなかむつかしいという議論なども含めて、有意義だったわけであります。

 神津さんとは関係ありませんが、久しぶりに本件で連絡を頂戴した会員さんが実はあいちトリエンナーレで例のアレの混乱収拾をされていたり、会合の中で左翼商売とは何かという議論まで進展していて実に興味深いお話ができて良かったなと思いました。

 ここまで書いておいてなんですが、いま現在「漆黒と灯火」は会員枠が満杯なので実は募集していません… もうすぐ5周年を迎える本会ですが、どうせなので公開イベントでもやろうかと思っていまして、また改めて告知などができればと思っています。

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神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント