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【ライターの収入アップの方法論①】時間をお金に換える働き方を目指す"人時生産性"の考え方

Web今より稼ぎたいと考えた時、まず何から手を付けますか?

単価交渉? それとも新規クライアントの開拓?

それも重要ですが、最初に手を付けるべきは「時間の管理の方法を変えること」

稼げないと悩んでいるライターさんの話を聞くと、時間管理に問題があるケースがほとんどです。

ここで言う時間管理とは、1日のスケジュールや労働時間のことではありません。もっと大切なことです。

それは――




“生産性のある時間をどのぐらい確保できているか”



ということです。

「報酬がもらえる時間」と「報酬がもらえない時間」

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一つ例を挙げましょう。

あるライターさんは、1日8時間もライティングの業務に充てているにもかかわらず、月収が10万円を切っていました。

8時間の内訳を聞いてみると、次のようになっていました。

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これを見ると、稼げていない理由は明白です。

その理由は、上の時間の中で直接報酬に繋がる時間が「新規記事の執筆」しかないからです。

他の時間は仕事として必要な業務ではあるものの、仕事をしたからといって報酬が発生するわけではありません。

仮に単価アップを考えた場合、日給で1万円稼ぐには、記事単価を5円にしなければなりません。それでやっと、月収20万円の最低限の生活ができるというレベルです。

また、作業量を増やすのも、1日 8時間働いている以上難しいでしょう。時給1000円でアルバイトした方がよほど効率的にお金を稼げます。

ですので、最初の話に戻りますが、仕事量を増やすことよりも単価を上げることよりも、まずは時間の管理を見直さなければならないのです。
この考え方を「人時生産性」と呼びます。


フリーランスは人時生産性で考えることが重要

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会社員(労働契約)の場合、 労働時間の上限や最低賃金は法律によって定められています。

ところがフリーランス(主に業務委託)はそうではありません。 雇用側との合意があれば、 報酬や期限は自由に設定することができます。(逆に、雇用側はフリーランスに対し出勤日や作業場所を義務づけてはならないと法律で定められています)

つまり最低賃金が決まってないフリーランスの場合、 相手の言われるがままの報酬額と作業量で契約してしまうと、簡単に最低賃金を割ってしまう可能性があるのです。

仮に、月10万円フリーランスとして稼いだとしても、そのために100時間以上かかっていたら大赤字です。

「月に○○円稼ぐ」を第一目標にするのは、、フリーランスとして働く場合は避けるべきです。第2、第3目標あたりにおいておきましょう。

例えば「月に10万円稼ぐ」を第1目標にすると、目標クリアのためだけに効率の悪い案件に飛びついたり、無理に労働時間を引き延ばさなければならなくなるからです。

またWebライターの場合、いくら稼ぐかのコントロールが難しい面もあります。アルバイトと違って時間当たりの単価が決まっていないので、〇時間働けば目標を達成できるという計算がしにくいからです。


重要なのは人時生産性です。


人時生産性は「粗利 ÷ 労働時間」の計算式で求めることができます。

上記で紹介したライターの労働時間の場合、2,000円の粗利(電気代や機材費などはこの場合含めない)に対し、労働時間が8時間なので、人時生産性は250円です。電気代や機材費、利用しているツールの料金などを差し引けば、もっと金額は下がります。

1時間あたり250円しか粗利が出ていないのであれば、報酬がいつまで経っても増えないのは自明です。

仮に、無理をして週5日労働だったものを6日いたとします。その場合も、人時生産性の観点で考えれば月に「週4日 × 1日8時間労働 × 人時生産性250円」なので、1カ月で8000円しか増えません。

フリーランスで活躍するためには、まずは人時生産性をどうやって上げていくかを考えなければならないのです。

人時生産性を上げるための5テップ

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では実際に、どのようにして人時生産性を上げていけばいいのでしょうか。

自分の今の人時生産性を割り出し、そして上げていくための5テップを解説します。

【STEP1】まずは記録をつける

自分が働いている時間について、作業内容の 記録をつけましょう。

ここで重要なのは、 何をした時間なのかを丁寧に書いていくこと。

記事執筆に充てた時間なら、それは調査している時間なのか、それとも推敲している時間なのか……などなど、丁寧に細分化していきます。

大変な作業ですが、 ずっとつけ続けるわけではないのでがんばって付けましょう。 最低でも2~3日分のデータがあれば分析には充分です。

【STEP2】時間当たりの報酬額を書き込んでみる

作業項目について 内容と時間の 記録が取れたら、 その内容ごとに報酬が発生しているか否か、 発生しているとしたらその金額を記載してきます。

この時、 記載するのは直接的な報酬のみです。 将来的に発生するかもしれない不確定な報酬、間接的な報酬については組み込みません。

例えば、「クライアントに営業をかける」という行動は、将来的にお金を生み出す可能性はありますが、現時点で発生している報酬はないので0円とします。

記事執筆のための調査時間も含めません。なぜなら、調査だけしても報酬は発生しないからです。

あくまで、報酬が直接的に発生する作業のみをここでは書いてきます。
過去記事の修正も同様です(修正費用を別途にもらっている場合は別です)
先ほどの例をこのフローに載せると、以下のようになります。

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打ち合わせや営業活動、業務連絡も報酬のためには必要な作業ですが、ここではあくまで「記事の提出、執筆によって報酬が得られるもの」という前提で、それ以外の作業を0円としています。

例えば、執筆の時間を1時間増やせば報酬は1時間分あがる可能性はありますが、打ち合わせを1時間引き延ばしたところで(打ち合わせに報酬が出る場合は別ですが)報酬は増えません。

【STEP3】人時生産性の理想と現実を明確にする

人時生産性の 現実と理想のギャップを明確にしましょう。

上記のサンプルの場合、人時生産性は250円です。ご自身でもこの値を算出しましょう。

次に理想の金額を考えます。
Webライターとして生活するのであれば1000円ぐらいは欲しいところです。この750円のギャップをどう埋めていくかを考えていきましょう。

【STEP4】不要な作業時間を削る

次に考えるべきは不要な作業時間削ることです。上記を見て「不要な作業はない」と思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

例えば、“過去記事の修正”については、提出前にきちんと推敲する、構成やイメージで齟齬が出た場合は、クライアントとレギュレーションやイメージをすり合わせておけば、少なくできるかもしれません。修正自体をなくすことはできませんが、それで時間を大幅に削ることができます。

打ち合わせについても、本当に必要なのかは検討の余地があります。案外、テキストでやりとりをすれば5分で済んでしまうこともあります。

不要な時間を削るためのポイント

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以下のことを意識してみてください

・確認作業だけで完結させない

メールを見たり、資料を確認したりして返信が必要な場合は必ず返信もその場でやりましょう。そうしないと、後でもう一度メールや資料を確認する時間が発生して2度手間になります。

・スケジュールをギチギチにしない

スケジュールを詰めすぎるとかえって時間に融通が利かなくなり非効率です。 スケジュールには余白を持たせておきましょう。

・基本はシングルタスクを心がける

1つのことに集中しているときのほうが人間は能力を発揮します。 記事執筆に集中するのであれば、その間はメールやSNSを開かないようにするなど、シングルタスクに集中できる環境をつくりましょう。

・ “やらない”を選択する

何をするかを決めるより、何をやらないかを決める方が効率的に動けることが多くなります。 今日はSNSを見ない、 経理関係の作業を今日はやらない、といったように、やらない作業を決めましょう。

市場価値を上げることも大切

自分の市場価値を高めることも考えていきましょう。

具体的には、実績の積み重ねや資格の取得などです。市場価値があがれば、仕事を選べるようになります。報酬が高いのはもちろんですが、最初からきちんとした資料が用意されていたり、ちゃんとライター側に配慮してくれたりするクライアントと当たりやすくなります。結果、修正や調査の工数を減らせるので、生産性も上がります。

将来に向けて、目先の仕事だけではなくスキルアップも考えていきましょう。

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