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『花びらは太陽に透けて』制作後記



 この度は「花びらは太陽に透けて」をお買い上げいただき、ありがとうございます。本記事はゲームを完全クリアされた方向けに謎実装の仕組みや制作の感想・裏話を書いています。そのため作品のネタバレが多大に含まれています。ご注意ください。(未プレイで本記事をご覧になっている方は是非こちらからゲームをご購入ください。お願いします!)
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[作品のコンセプト]

今日は卒業式。
冴えない男子大学生、四条日向(しじょう・ひなた)は友人と花見をするため、買い出しに出かけていた。
密かに想いを抱いていたサークルの友達、東大路さんとももう会えなくなってしまう……
『くそっ……じれってーな!』。そう感じたプレイヤーが神視点で二人を“偶然”出会わせる。そんなある春のお話。

[謎の雑多なお話]

文責:driving(統括・謎制作担当)
○Stage1.春、おつかい、花見頃
 普通にお買い物させて終了するつもりでしたが、がねまるこ君が「いかにも売れ残ってそうな飲料だけを買ったら、シールで全部買える」という愉快な案を出してくれたおかげでなかなか手強いStageになりました。
 実際に飲料の値段とシールを設定しようとすると別解が死ぬほど発生しました。桜コーラのコスパを死ぬほど上げ、残金を最小にすることでなんとか成立してます。3500円で買い出しにくんな。
 あと、初期は桜コーラではなく桜ビールだったんですが、「ビールだとあまりエモくない」という理由でコーラになりました。酒クズに趣を感じるのはおれだけですか?

○Stage2.失くし物を探して
 「卒業証書ほしい」「桜並木が見たい」「袴が見たい」「卒業写真を撮りたい」……というみんなの数多の欲望に応えました。大変でした。ラストへの記事の仕込みもあったので、「記事の写真と現地の写真を見比べて、隠れている部分をタッチ」という脱出ゲームっぽい仕掛けができました。満足です。
 ここで注目してほしいのは、BGMですね。実は初期の構想では「Stageごとに主人公が入れ替わっている」というのも気づきポイントとする予定だったので、Stage1・3・5とStage2・4のBGMが異なります。Gakiさんありがとう。
 あと背景の部室ですが、これは実際にきりんぐたいむに象の群れのメンバーが元いた部室の前です。ほんとうにいろんな荷物が雑多としてありました。懐かしい。

◯Stage3.抜け殻の六畳間
 ゲームデザインするにあたって、一番厳しいStageでした。
 まず場所ですが、これはほぼ「家」で確定していました。Stage5の冒頭の会話で、四条くんがスマホを家に忘れたことがわかります。これはなぜかというと、ラストの都合で「同じ名前の友人から2回連絡がきてしまう」からであって、2回目の連絡は無視して円山公園に向かってほしいわけです。で、そもそもスマホから身を離してしまうのにもっとも自然で確率が高い場所として「家」が選択されたわけですね。

 同じ都合で、たとえば「部屋の鍵を見つけて脱出する」みたいなナゾを作りやすいシチュエーションにできなくなりました。途中でスマホの連絡(一回目)が来ても、家から離れられないor離れる理由がないのですから。つまり、このStageの目標は必然的に「花見の場所を判明させる」ことになります。
 そして、「友達から連絡がきたら、即スマホを忘れて家から飛び出す」のだとプレイヤーに理解させる ”前例” を作る必要があったので、「花見の場所を判明させることが目的だが、友人からの連絡で事足りた」みたいなStageにすることが確定します。厳しいですね。特に「友人からの連絡で事足りた」はStage3単体では物足りなくなることが予想されましたが、仕方のないことです。

 あと、「ソラニンの『昔住んでた小さな部屋は今は他人が住んでんだ』って歌詞好き」って気持ちでStage3を構想したので、Stage3の部屋は引っ越し前で荷物が全然ありませんでした。このガラガラの部屋でどうやって謎を解いて花見の場所を判明さすねんって感じですよね。これは自分のせいです。

 いろいろ考えた結果、「いたずら好きな友人から謎解きを仕掛けられるも、別の友人にネタバレされる」という形に落ち着きました。1周目で気づかれたくないので、スマホが充電されたらさっさとクリアするように設計しました。全てラストの都合です。

 思い出としては、「木に充電器が引っかかっている写真がほしい」「ベランダの枯れ木を桜にしてほしい」という今となっては何言ってんだかわからないオーダーをぼんぼん丸にしたら、しっかり用意されていて驚きました。すごい。

◯Stage4.旅立ちはきまぐれに
 東大路さんがバスに乗っているシーン。ここでプレイヤーがタイミング良く降車ボタンを押し、適切な場所(祇園)なら降りられるという構想は初期からありました。
 実はバスの中での目的がなくてもいいStageなので(何もせずともバスは京都駅に着く)、都合がいいですがバスのリーフレットにナゾを載せることにしました。京都市バスのリーフレットを調べたらクイズがあったりしたのでさほど非現実的じゃないと思っています。バスのナゾですが、リーフレットと路線図を組み合わせるもので、割と直感的でお気に入りです。全部ありそうでない数字の路線を使っています。

 優先座席のみならず前の席まで荷物を占領しているDQN大学生にガンつけたり、京都で大量に発生しているスシTシャツを着けた外国人を助けたりすることでバスの進行度が変化します。肝心の祇園の降車タイミングですが、若者をどかした後、よく目立つそばの広告をタッチするまでの間です。非常に短いですね。絶対1周目に触れさせたくない意志を感じます。
 Stage2の記事と、Stage4の外国人のスマホの記事を関連づけることを思いついたのは制作に入って最後の方(ぼんぼん丸が外国人のスマホを作った直後)だったので、やはり作り進めないと生まれないようなナゾってあるんだなと感じました。
 
Stage5.勿忘草の頃には
 鴨川で花見がしたい一心で作りましたが、今年は全く間に合いませんでした。花びらキャッチする子供と対決する流れにして、急にアクションゲームしだす案がありましたが、制作が押しすぎて消え去りました。無念。
 このStageの目的は、最後の文章で2周目へのかろうじてある導線を詰め込むということにあったので、本当に自由なStageでした。最後に桜満開のStageで、とても華やかにできて満足です。
 タイムカプセルのナゾは、制作が押しすぎていて背景がほぼ確定してから作り始めました。たぶん「鴨川に亀おった」→「甲羅使おう」という発想だったと思います。今見返すとStage4リーフレットもこれも日本語レスなので、そういったものが自分の中のブームにあるのだなと。
 Stageタイトルの「勿忘草」ですが、桜が散りみんながいなくなった頃にポツンとひとりで咲く花で、花言葉は「私を忘れないで」のことです。なんだかさみしいですね。休学して同級生が旅立った頃を思い出します。

○Stage3の裏ルート(ラス謎)
 ゲーム内のLINEをよく見ると主人公のLINEIDがわかるため、現実のLINEで友人に扮し主人公にメッセージを送ることで円山公園に向かわせるという謎。急にメタな視点が登場して難易度が上がるため、ここで詰まったという方も多いと思います(すみません)。
 現実で何かすることで物語が変化するのが大好きな弊団体は、「LINEに本当に主人公がいて、現実から連絡できたら楽しくないか?」という気持ちでこのラスナゾをつくりました。SNSの感想で「どういう仕組みになっているのか」という声も多い(とても嬉しい)このギミックの実装ですが、実は、一条寺次郎じゃない方の友人の名前はプレイヤー毎に異なります。LINEの四条日向に送られたメッセージを、その友人の名前に対応するブラウザにだけ表示させることで、メッセージとブラウザの一対一の対応を作っています。(後にLINEのID検索は18歳以上しか使えないということが判明し、本ゲームは18禁となりました。めでたしめでたし。)

[皆の感想]


○driving(統括・謎制作担当)
 「『あそびごころ。』みたいなゆるふわ雰囲気脱出ゲームが作りた〜い」と思っていたら、意外に本格的になってました。
 今回は音楽・BGMが圧倒的に強化できたのが大きいと思います。こちらは「BGM?ヨルシカ!ピアノ!」「エンドロール?ソラニンみたいな邦画っぽいやつ!」としかオーダーしてないのに、1000倍くらいのクオリティで返ってきましたね。「さくらのうた」が名曲すぎて泣いてしまいました。エンドロールだけで満足度の半分を占めると思います。
 ラストのWEBの実装も春を感じさせるデザインも総じて「もうやりたいことやりました!」って感じです。すごいな~みんなと思いながらチマチマ中身作ってました。
 今回やったこととしては謎制作だけではなく、TODOリストの作成・更新、進行管理、GitHubを教わりテキスト・画像の修正・差し替えなどなど色々やりました。白髪が増えました。
 あと、「このゲームを肴に、鴨川で泥酔しながら花見がした〜い」と思って制作に励んでいましたが、スケジュールが押すに押し、完成した頃には卒業式どころか花見シーズンまで過ぎ去ってしまいました。悲しいです。来年は全てを放り出してでも花見をします。

○mayumayu(セリフ・記事担当)
 今回より参加です。ちなみにこの名前は勝手につけられました。不本意。
 謎制作ド素人なりに、もろもろの設定や文章(セリフ)の素案、web記事などを担当しました。
 主人公二人の隠れた設定として、「ラストの出会う場所を示している」というのがあったのですがお気づきでしょうか。男性の「『四条』日向」と女性の「『東大路』桜」。京都市の四条通と東大路が交差する地点は「祇園」なんですが、そこにあの桜があります。「東大路」が仰々しい名前になりすぎたので、何やらお嬢様らしき「鹿王院」さんやら、ラーメン街にいそうな「一乗寺」くんが登場することになりました。ちなみに、鹿王院恵理子の実家として「鹿王院観光」を想定しています。春から恵理子さんは実家で修業を積むのでしょう。もしくは実家の経営多角化のため、大学院進学をしているかもしれませんね。私も一流の京都観光というものを一度はしてみたいものです。
 私も学生時代を京都市で過ごしましたが、離れてこそわかる京都の良さを思い出した制作期間でした。WEB実装も音楽づくりもデザインも謎制作も、わからないものが作り上げられていく様はまるで魔法みたいでした。ということで、魔法使いたちと話をして制作を間近で見ることができて、町の小娘みたいな気分です。

○がねまるこ(Webシステム担当)
 Web制作を担当しました。ラスナゾの実装に凄まじく手間取って地獄を見ました。実装はかなり拙いので、何か不具合で上手くクリアできなかった方がいらっしゃったら大変申し訳ありません。今回はかまいとdrivingもWeb制作に参加してくれて、Web制作班はとてもにぎやかになりました。(そして制作終盤はほとんど二人に作業を投げてました。すみません。)

かまい(Webシステム担当)
 Web制作をしました。たのしかったです。またやりたいです。

おだんご(社畜・デバッグ担当)
 社畜すぎて今回はなーーーーんにもしてないですわね。🥺
 鹿王院エリザベスちゃんが転生してくれてうれしかったです(小並感)
 次回作も鹿王院エリザベスちゃんは絶対に出るので、期待してくれよな。
 ちなみにラインをくれる友達の名前だけはわたくしが考えました。
 君の友達は何て名前かな??? 

○ぼんぼん丸(デザイン・vocal担当)
 PARAISOの片割れ、ぼんぼん丸(本名。別名Lyn)です。背景その他諸々を担当しました。おうたも歌いました。
 お酒や紅茶のラベルに無駄に凝ってたら一日終わったり、Photoshopを乱用してバスのドア無理矢理閉めたり枯れ木に花を咲かせたり、川にスコップ沈めたり、桜はやしたり、今回は力技が目立ちました。今後も、drivingくんの言うことは何でも聞きます。
 そういえば、テーマを花見にしたいと言い出したのは私でした(花見が世界で一番好きなため)。すごいなあみんな。私は「絶対に花見がしたい!」と言っただけなのに、いつの間にかすごいゲームが完成していて、初めてエンドロールに辿り着いた時は涙が出ました(個人的には制作期間が卒業と被っていたりして、かなりエモだったのです)。
 というわけで、今回も、尊敬できる仲間達の作品に参加させてもらえて大変光栄でした。来年は絶対やろうね、花見。

Gaki(音楽・デザイン担当)
 どうも、Gakiです。ぼんぼん丸(別名:Lyn)みたいなキャッチ―な名前、募集中です。
 普段はぼんぼん丸と一緒にPARAISOというユニットで活動していて、私は音楽制作を担当しています。そのほか、デザイナーとして、色々なナゾ解き団体の公演に参加させていただくことがちょくちょくあります。最近では、ハードナッツさんの公演「黄昏と京の足跡」にお邪魔して、音楽制作を担当しました。
 今作では、音楽・BGM・メインビジュアル・イラスト・その他もろもろを担当しました。もうね、思い返せば2月3月は忙しすぎて、何があったかほとんど覚えていません(きりぞうの人にも色々と申し訳ないことを……)でもいい曲が出来て良かったなって思っています。自画自賛。あはは。
- 振り返りコーナー
 書き切った顔をしていましたが、drivingくんに「…これだけなの~?」と言われてしまったので、ちゃんと振り返ろうと思います。

*エンディングソング
 曲の話って普段あんまりしないし、多分ここならどれだけ書いても怒られないので()すこし詳しめに書いてみます。
 エンディングソング(『さくらのうた』)は、メンバーから事前に募った意見を参考に、以下のような要素を入れて作ろうと考えていました。普段の曲作りでも、入れたい要素をはっきりと言語化してから作るようにしています。ほんと?
 ①「邦画のエンドロールで流れてそうな、パサついた曲」
 少し気の抜けていて、だらだら続く感じの乾いた曲がよかった。とにかくドラムのパサついた質感を出したい!という意気込み。
 ②「ピアノ+バンドサウンド」
 BGM(後述)がピアノ曲だったのもあり、エモいピアノの繰り返しフレーズを入れたいと思っていました。あと、ギタードラムベースの三本柱は絶対に入れよう、と。
 ③「とにかくエモい曲」
 エモいってなんだ?(哲学)前述のように、劇的さとか湿り気とかを押し出しすぎず、かつ情動的な感じを出したいと思っていました。
 ④「歌詞に物語中に出てくる要素・キーワードがさりげなく出てくる」
 主題歌制作の醍醐味でもありますが、これが地味に難しい! 今回は「鴨川」「卒業」「別れの季節=春」というイメージがはっきりしていたので、これらとPARAISOの世界観をどう両立させるかに悩みました。
 
 以上の要素から、使う楽器のイメージ、大まかな曲構造は決まりました。とはいえ、すぐにメロディが思い浮かぶとは限りません。特に今回は「エモい曲を作りたい」(ならびに、『さくらのうた』という題名の曲をいつか作りたい、と高校生の頃から目論見つづけていたのです)という思いが高ぶっていたので、「メロディが降りてくる」までひたすら待ちました(やだ天才っぽい!)。しかし、特に2月3月は諸案件を掛け持ちしていた関係で締め切りに追われまくっていたり、曲の入ったHDDが壊れたり云々で精神がオワになっていました。神はそんな私を見放さなかったようです。道路上の干からびたミミズの顔して寝転んでいると、急にめちゃエモなピアノの旋律が降ってきました。しかもBGMと連関してそうなフレーズが! 徹夜明けの朝でしたが、一心不乱にピアノを弾き、PCで打ち込みをして(他の楽器のフレーズもすごい降りてきた)1日で伴奏を完成させました。創作はマジで病んだ時に限るな。命も削れてて草
 そうして出来上がった伴奏が自分史上でも有数のお気に入り曲になった結果、ボーカルの主旋律・歌詞が確定するまで2週間以上かかりました。「曲ができた!」発言からデモ音源の提出まで、やたら時間が開いたのはそのせいです。本当に申し訳ない。
 主旋律の原型は、親に連れていかれたショッピングモールからの帰り道、桜のつぼみ膨らんだ阪急洛西口駅で思いつきました。伴奏のメロディに引っ張られすぎないように、また「主旋律らしさ」(主役感ともいう)がある程度担保されるように、何度も作り直しました。
 歌詞については、当初の構想通り、湿っぽすぎないさらっとした表現、あとは作中のキーワードや鴨川の風景が連想される(かつ直截的すぎない)ような仕掛けを入れることを心掛けました。在宅だとどうしても難しかったので、鴨川に出向いて散歩しながら考えたりもしました。また、私の周りに今年卒業して京都を離れる人がたくさんいたので(6回生(主にM2/2留)の代)、その人たちのことや思い出をたくさん思い浮かべながら作りました。思い出すと今でも寂しくなってくるな。この曲は未だ京都に残留している私にとっても、大きな意味をもっている曲です。
 そんなこんなでスケジュールが押しまくった結果、ボーカルのぼんぼん丸には相当ギリギリで歌詞・音源を渡すことになってしまったのですが、RECまでにデモ音源を100回ぐらい聴いてきて(本人談)しっかり歌いきってくれました。彼女の歌い方もぴったりでした。この春晴れて大学を卒業したぼんぼん丸にも響く曲になっていたら嬉しいです。
 
 聞いてほしいポイントはたくさんありますが、特にサビに入った時の視界が広がる感じ(抽象的ですが、花のトンネルに突入する感じ)が気に入ってます。作ってるうちに自分でもよくわからん感じの雰囲気ができました。誰か分析の得意な方、教えてほしいです。また、打楽器の入れ方は、PARAISOの楽曲全体を通して注目してもらえると嬉しいポイントです。今回はビブラフォン(クソデカ音伸び鉄琴)がいい感じ。あとは細かいベースラインかな。羅列したら永遠に終わらんので割愛します。
 ついつい自分語りオタクになってしまいました…すみません。やっぱり、エモい曲は作っていて楽しいですね。いつかフルver.も披露できればな、と思います。お楽しみに!

*BGM
 これも、ある日の朝思いついて2分ぐらいの曲を即興?で作ったのを3分割して、タイトル画面やそれぞれのステージに使用しています。オレ好みの楽曲です。華やかでありつつ、少し切ない春の情景を意識しました。クリア時のSEはちょっと和風めいた感じで。エモい仕上がりになっていれば幸いです(結構音数が多いので、謎解きの支障になってないかがちょっと心配でしたが)。うん、やっぱり創作は徹夜明けの朝に限りますね。

*ロゴ・メインビジュアル・キャライラスト
 今まではデザイン業が主だったのですが、(特にロゴ以外)あまり経験がないけどやってみたいという気持ちだけでイラストメインの役割に立候補しました。他の期日や経験値など諸々考えると相当向こう見ずな行為でした……。なんせ経験もスキルも追いついてなかったので、すさまじく時間がかかったうえ、まだまだ課題が山積しとるなと思ったのですが、めげずに見てほしいポイントを列挙していきます1)。(注1)なお、本制作にあたっては、ぼんぼん丸氏をはじめとするメンバーから、改善点や今後の展望について有益な助言を多数いただいた。本紙面を借りて厚く御礼申し上げる。)
 ロゴは、明朝体を主にした小説の表紙みたいなデザイン(エモの塊)にしたいなと思い、活版印刷というか、本の表紙みたいな「箔押し」感を出せるように工夫しました。その上に、メンバーから好評だった絡み合う糸的なデザインを乗せることで、運命が交錯している感じを、出せてたら、いいよな……と半ば祈りながら作りました。最終版を作るにあたって、背景枠の内側にすこしだけステッチ感ある線も入れてみました。かなり淡い色合いのロゴなので、背景の上に乗せると目立ちづらいかとびくびくしましたが、お褒めの言葉もいただけてとてもうれしいです。
 メインビジュアルは、とにかく春めいた感じを出せるよう、色合いや質感に注意しながら作りました。拙いところはたくさんありますが(そして締め切りを机上の空論にしてしまってすみませんでした)、諸々のパッションが伝わっていればよいな……と思います。今年度はお絵描きも修行したい所存。
 キャライラストは、メインビジュアルやっと終わりそう……!と思ったら突然(必然)存在が発覚して死ぬかと思いました。そりゃメインビジュアル描いたらキャライラストも付随するわな。結果、3月は人生で一番Photoshopを使った一カ月になりました。『赤ちゃんはどこからくるの?』という古のゲームがずっと頭の片隅にちらついていましたが、頑張って描きつづけました。顔を描かないことでキャラクターの匿名性が出ていると思うので、皆さまそれぞれのキャラクター像を補完していただければと思います。

*その他
 今回も、ギリギリで文章校正とかやりましたね。もう少しゲームの全貌を把握したうえで、時間があるうちにやりたいと思いました(前回も同じ自戒をしたな?) あとなにしたかな……あ、タイトルは私の案が採用されました。花びらが太陽に透けるさま、いとエモいよね。

*謝辞(と謝罪)
 最後に、この制作後記に参加しているメンバー&プレイしてくださった皆さまに簡単(?)な謝辞を書きたいと思います。論文の謝辞みたいな硬さで書こうか迷いましたが、キモそうだし明らかに深夜テンションなのでやめておきます。
 ・driving
 謎のプロ。今作でも謎制作を主導してくれました。特に予定管理の面では非常にお世話になりました(Todoリストのスプシ、わしの名前だけピンク色になっててやばさを感じた)。Todoリストが終わらず、文字通り泣きそうになりましたが、無事に完成したのはdrivingの叱咤激励やアドバイスのおかげと言える。本当にありがとう。次回作ではdrivingの白髪を増やさないように善処していきたい。
 ・web実装の人々(がねまるこ、かまい)
 mayumayuの言う通り、私もプログラミングはまったく無知なので、ゲームが作り上げられていく様子がただただ魔法みたいで面白かったな。2人ともめちゃくちゃな物量をこなしていました。2人の作業通話での会話はもはや暗号だった。web実装とイラスト・音楽は密接にかかわっているので、今回は特に待たせてしまうことが多くて申し訳なかったが、無事にゲームができて本当によかったです。バグフィックスも本当にお疲れさま。
 ・mayumayu
 「謎制作の初心者」といいながら、夜早いうちからめちゃくちゃ意欲的に参加して、作業して、しかもちゃんと11時には寝る(限界界隈にとっては画期的すぎた!)のが印象的でした。生活リズムの終わっとる私は1時ぐらいから作業通話に参加していたので全く鉢合わせないこともあったが、早寝早起きは健全な人間生活の基本なので、今後は見習っていきたいと思う(現在AM3:00)。作ったものや生活習慣について色々アドバイスもくれて、とてもありがたかったです。
 ・ぼんぼん丸
 本人はさらっと書いとるが、ものすごい量の背景やアイテム画像の制作をほぼ1人で担っていた超重要人物です。力技的仕事も成功させていてすごいが、アイテムの細かい部分のデザインもめちゃくちゃ凝っているので本当に見てほしい(『明朝の粗茶』とかほんとに好きなんだ)。しれっと、作品の質を上げるセンスあるデザインをたくさんしてくれました。ボーカルも、「こんなのがいいな」をしっかり叶えてくれました。心から感謝。
 ・おだんご
 今回は本業が忙しすぎてあまり参加できなかったみたいだけども、個人的にはLINEをくれる友達の名前一覧がめちゃくちゃ面白くて好きでした(ネタバレしちゃだめなのかな? めちゃくちゃツボった名前が何個かあって褒めたたえたい気もち)。本人の知識が光りすぎて難読名字が多発していたのも面白かった。
 ・プレイしてくださった皆さま
 購入していただき、本当にありがとうございます。各メンバー初めての試みが多くて試行錯誤しながらの制作でしたが、プレイしてくださった皆さまにとって素敵ななぞ解き体験になっていれば幸いです。今年桜の季節がめちゃくちゃ早かったのは誤算でしたが、やはり桜はエモいです。ピンクの木が街中そこかしこに出現するなんて、エモ以外の何物でもないんやから。みんな、来年は絶対やろうね、花見。(感想はぜひTwitterなどにお書きください!読むのを密かに楽しみにしています)

[制作裏話]

・コンセプトを決めるブレストの際にモルカーが流行り、花見とは程遠いゲームになりそうだった。
ブレストで出た案↓

・モルカーカーレース
・モルカーのLINEスタンプを公式より先に売ってしまう。
・瑛人 夜中にいきなりモルカーに乗車
・ミルクボーイ「いま、モルカーをいただきました! こんなんいくらあっても困りませんからね」
・遺伝子組み換えモルカー

[最後に]

 ここまでお読みいただきありがとうございました。今後ともWebナゾトキを作っていきたいと思ってますので、次回作が出た際には是非購入・プレイしていただけると幸いです。
 冒頭にも書きましたが、noteでは下にある「気にいったらサポート」というボタンから更なる寄付ができます!もし本記事を読んで「もっと金を出してやってもいい」と思っていただけたら、是非クリックをお願いします!(本当お願いします)

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