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キリロム工科大学が取組むAtCoderってなんだ??

AtCoderってなに?

AtCoderをご存知でしょうか?アットコーダーと読みます。世界最大級の有名なプログラミングコンテストです。毎週土曜日に開かれるコンテストには世界中から20万人以上の腕利きプログラマーが参加し、活況を呈しています。

「複雑な処理を正しく記述する」、「計算時間のかかる処理を、数学的/情報科学的にスマートに処理する」という能力を競うコンテストで、専門分野に対する知識を問うような問題は出題されません。エンジニアとして必要不可欠な、論理的思考力を試されるタイプのコンテストです。採点は人間ではなく完全に機械によって行われます。

驚くのは、この運営団体が日本の会社ということです。日本の会社が世界中の頭脳を夢中にさせているというのは、日本人としては嬉しいことですね!

キリロム工科大学のAtCoderの取り組み

キリロムでは1年ほど前から、学生に対して定期的なAtCoderコンテストへの参加を促しています。自分自身の能力を定量的に示せることは、プロジェクトを探すときにも有用ですし、仲間たちとの競争を楽しみながらレベルアップしてもらいたいという意図もあります。AtCoderは勉強すればするだけ一定レベルまではスコアを上げることが可能ですので努力のしがいがあるのも良いところです。

一般的には400点を超えると、かなり優秀なエンジニアに分類されるようで、200点でも引く手あまたのエンジニアというレベルのようです。

※ちなみに現時点の世界1位は4056点!ベラルーシの方のようです。ここまでいくと世界が違う感じがしますね、、、

以下は現在のキリロム工科大学のトップ10です。400点を超えている学生が5名います!回を追うごとに、着実に全体の点数は上がっていっていますので、これからの伸びにも期待です。このランキングは学内で公開されており、みんなの競争心に火をつけています!

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仕掛け人に聞いてみた(インキュベーションセンター長 別宮健三郎さん)

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Q:AtCoderを学内に広めたのはどういった背景からですか?

キリロム工科大学はカンボジア国内でトップクラスに優秀な若者を集めている大学です。彼らにはカンボジア国内だけに留まらず、世界で活躍する人材になってほしいと思っています。

ただ、他の国からするとカンボジア=優秀というイメージが持たれているとは言えないと思うんですね。歴史的な悲しい過去があり、他国に比べて経済発展が遅れ支援が必要な国、という見られ方のほうが強いのではないでしょうか。実際に住んでみるととても勢いがあり、明るい国なんですけどね…。とにかく、このイメージというのは世界で公平に戦う上では一つのビハインドになります。国籍に関係なく、世界水準で定量的に自分のレベルを示せるものを持たせてあげたい、というのが実施の一番の背景です。

Q:取り組みをはじめてみての気づきはなんですか?

やってみてわかったことがたくさんありました。

学内ではとても優秀だと思われている学生が、はじめてコンテストに参加した際に、低い点しか取れないようなことが多発したんです。調べてみると、コンテストで設問に使われている数学の用語がわからなかったりしたんですね。カンボジアはフランス領だったこともあって、高等数学をフランス語で教えている学校が結構あります。ですので、英語の数学の設問の理解が追いつかずまともに回答ができない、という問題が起きていました。これは大学のカリキュラム編成にも影響を与えた出来事でした。

また、大学ではあまり注目されていなかった学生が良い点を取って、その才能を示したりすることもあります。勉強をコツコツ頑張って、地道に点数を上げてくる学生もいます。そういった普段の授業や活動から見えない特性が、AtCoderの得点推移から見て取れることは学生をよく知る上でもとても有意だと感じています。

今後の目標を聞かせてください!

まずは少なくとも全員が200点を超えられるようにしたいですね!その次が、半分以上の生徒が400点以上を超えること。その結果として、彼らがグローバルで活躍する上での、一つの武器にしてあげられたら良いと思っています。

学生たちと一緒に、楽しみながら盛り上げていきます!

別宮さんありがとうございました!AtCoderのトピックスも随時noteにてアップしていきます!

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