非「モテキ」第1巻

こんにちわ。暑いですね。
自分の経験を物語にしようと思いました。

今、非モテコミットをしてしまっている人が早く気づけること、今や女に困らない界隈の人たちが「俺にもこんな時代あったな」と懐かしむことのできるものにしたいと思います。

それではよろしくお願いします。

非モテキ


1.どこで間違えたか


「イケメンの人」、「将来モテそうな人」というランキングが中学の卒業文集にあって、そこで僕は二冠をとった。
たぶん野球部でそれなりに活躍もしたし、それなりの成績で、それなりに不良ともおとなしい子とも仲良くしていたからである。
そんな「王者」の名を冠して僕は市内の高校へ入学する。
千人規模の中学から入学したので高校のクラスの数には驚かなかった。
ただ隣のクラスにいた細眉の女の子に僕は一目惚れした。
それなりに行動力もあったので隣のクラス、つまり彼女と同じクラスになった中学からの友人に頼んでメールアドレスを聞いてもらった。当時はLINEなど無かった。
その夜は急いで帰った。いつもより早く課題を終わらせて自分の部屋で「.」や「-」など間違えないように何度も見返してメールを送った。

「隣のクラスの桐崎です。よろしく」
返事は想像以上に早く来た。
「急で驚いたよ。こちらこそよろしくね。〇〇中学なんだよね?」
などなど、初めてにしてはメールが続いた。
僕は勝手に青春始まったと思った。

次の日、彼女から声をかけてくれた。
「桐崎くん、今日少し話そうよ。」
僕はその日の授業は真面目に受けた。真面目に受けて、すぐ帰るフリをした。
そしてまだ入学して2ヶ月ほどなのにこんなことが起きていいのか?と思った。
帰るフリをして向かったのは図書館。そこを指定されたからだ。彼女はすでに図書館の奥に座っていた。
そして僕らはお互いの中学のこと、好きなバンドのこと、入る予定の部活のこと(僕はバンドをやっていたので部活はテキトーな文化部に入る予定だった。)
帰る時間になった。僕は告白しようかと思ったけれど、彼女の綺麗さと、まだ初めて話したばかりというグダにより告白できなかった。
今思えば脈アリサインは出ていた。

そしてその日から僕が送ったメールに対して彼女から返信がくることはなかった。
LINEの無い時代は残酷だ。既読になったかどうかも分からない。電波の状況で届いていると思っても届いてない場合もあった。
しかし、それ以上に残酷なものもある。

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