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どれだけ真似をしたかが深さを決める

 今日はインタビューゲームのファシリテーターをやらせていただく機会がありました。どれくらいの人数が来るかもわからず、また時間的にも環境的にも流動的でした。
 どのようにやろうかと頭を悩ませていたのですが、結果的にその場に合わせた対応ができたと思います。

 おそらく僕が数回しかインタビューゲームをやったことのない人間だったら、咄嗟に最善手を打つことができなかったでしょう。50人以上の経験があるからこそ柔軟に考えることができました。
 自分が一体なにを大事にしているか、それを制限のある中で抽出するにはどうしたらいいかが無意識レベルで選択できるようになるためには、愚直に淡々と回数を重ねる必要があります。

 守破離という、武道や茶道における考え方があります。

「守」はまず言われたこと教えられたことを型通りにやってみること。
「破」は型を崩して、アレンジを加えていくこと。
「離」は新たなものを作り出すこと。

 3つのプロセスを踏むことで人間は変化していきます。しかし最初の「守」が疎かにされると、型破りならぬ型崩れを起こしてしまうわけです。

 現代というのは移り変わりがとにかく速いので、とにかくスピードが求められます。じっくりと1つのことに向き合うのは疎かになりやすく、巧遅よりも拙速が正義とばかりに、ちょっとやったらすぐに次のステップに進みます。

 したがって要領の良さが重宝されますが、その器用さはともすれば臭いものに蓋をしているだけの場合があります。避けがたい大きなトラブルが起こると立ち行かなくなって、土台から脆く崩れ去ってしまうのです。

 だから、自分では十分だと思っても、その後も教えてもらった通りに真似て、しっかりと足場を固めることって大事だと思うのです。他者から「もう十分じゃない」と心配されるくらいでようやく「破」を考え始めればいい。

 そうじゃないと「離」の段階にたどり着くことはできないでしょう。
 これからどんどんAIが普及してくれば、「破」くらいのレベルならあっという間にできてしまいます。
 なぜなら疲れ知らず衰え知らずのAIは僕達人間よりも圧倒的に精密に、そしてたくさんの試行錯誤ができます。だから小手先のアレンジができるくらいじゃおそらくすぐに追い抜かれてしまいます。

 ただ、AIが新しいものを自分で作れるようになるにはもう少しだけ時間がかかるでしょうから、まだ「離」ができれば価値があるでしょう。

 そのためには一見無駄で回りくどいことを積み重ねておくことが必要なんじゃないかと僕は思います。


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