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U-23チームを持つことのデメリットを考えてみる

ストーブリーグもおおよそ終わり、各チームの陣容も固まってきた今日この頃。
TwitterではU-23チームを持つことのデメリットがほんの一時、話題になりました。
そこで、セレッソ大阪U-23をずっと見てきた視点からU-23チームを保有することのデメリットを考えてみます。

編成面の難しさ ―OA枠の多用とU-18へのしわ寄せ―

U-23チームを保有することの最大のデメリットは編成面の難しさでしょう。
J3リーグに参戦するということは、年間30試合以上行われるリーグ戦のために選手の頭数を確保しなければならないということです。

2018年、この編成面の難しさに恐らく最も苦しんだのはFC東京でしょう。
19~23歳の選手(プロ契約済みの久保 建英と平川 怜を含む)の起用は14人で述べ299試合。
一方、OA枠の選手起用は10人で述べ66試合出場。OA枠の選手の多くはこの移籍市場でチームを去りました。
また、U-18からはプロ契約済みの久保 建英と平川 怜を除く計12人で述べ93試合出場(内5人が高校2年生)。二種年代の天井を取り払うU-23ですが、U-23に選手を吸い上げられたU-18は育成年代最高峰リーグであるプレミアリーグからプリンスリーグへ降格することとなりました。

編成面の難しさ ―J3に縛られる若手選手―

私は「U-23は見本市である」と考えています。トップチームでプレーするために、またはJ2以上のクラブへ武者修行に出るためにも自身の価値をアピールするためのU-23です。

選手を育てるために他クラブへのレンタル移籍もどんどん推し進めたいところですが、U-23チームのために一定の選手数は確保しておかなければなりません。一定数の選手はU-23に縛られることになります。

上位のカテゴリーへ選手を送り出すためのU-23がそれ自体の運用のために若手選手をU-23に縛らないといけないというジレンマが発生しています。

U-23を持つことのメリットとデメリットの天秤を考える

U-23を運用するには当然金銭的コストも多大にかかります。そして、トップチームとユースチームの選手編成に良くも悪くも影響をもたらすU-23。

そんな中で、セレッソ大阪は2019年シーズン暫定で8人もの選手たちがJ2以上のクラブへレンタル移籍しています。「8人」もの選手を「J2以上」のクラブへレンタル移籍させることができたのはU-23があったからと言っても過言ではないでしょう。

8人のうちの1人である喜田 陽はJ1昇格を目指すアビスパ福岡へとレンタル移籍しました。彼は今年19歳、つまり高卒1年目です。
J3通算42試合3,788分のU-23での出場実績がレンタル移籍に好影響を与えたことは間違いでしょう。

確かにU-23からトップチームに帯同する選手は現状でまだまだ出てきていません。
しかし、数年後に向けた種蒔きはU-23のおかげで着実に進んでいます。
武者修行に出たこの選手たちがレンタルバックし、セレッソの主力となったときにこそ、U-23の真価が現れると信じています。

U-23を持つことのメリットとデメリット、その収支がプラスになるのかマイナスになるのか、その答えが見えてくるのはもう少し先になるでしょう。

数年後に出るであろう回答を楽しみに待ちながら、私は今年もセレッソ大阪U-23を応援し続けます。

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