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【J3第1節】セレッソ大阪U-23vsグルージャ盛岡【レビュー】

J3開幕戦、対戦相手は昨年の開幕戦と同じくグルージャ盛岡との試合でした。

対戦相手のグルージャ盛岡、J3参入1年目は5位に食い込みましたが、2年目は11位、3年目は15位と年々順位を落としています。
今年から菊池利三監督が就任しています。

一方のセレッソ大阪U-23は大熊裕司監督が昨年に引き続き指揮を執ります。
水曜日にあるルヴァンカップの関係もあり、登録メンバーは全員が20歳以下という結果になりました。

試合結果は2-2。前半に岸本の2ゴールで先制するも、後半に2失点し、開幕戦引き分けスタートとなりました。

【レビュー】

この試合はお互いに4-4-2を主体として戦うことになりました。

セレッソはGKアン・ジュンス DF温井、森下、瀬古くん、斎藤くん MF西本、喜田くん、斧澤、沖野 FW岸本、山根の4-4-2で試合に臨みます。

【盛岡の攻撃-前半-】

試合序盤、盛岡は2列目の選手を中央に集結させて中央突破を試みてきました。

守備が剥がされる場面もありましたが、ここは人数をかけて守りきります。
この盛岡の攻撃について、2列目が中央に絞り、横幅はサイドバックが高い位置を取ります。
この盛岡の中央密集攻撃はセレッソの守備陣がボールを絡めとりました。
と言うのも、盛岡の攻撃陣が初めから中にポジショニングするため、セレッソのブロックも自然と中央圧縮することになり、狭いスペースの中に盛岡が突っ込んでくる攻撃となります。いつかのセレッソを見るような光景でした。
そして横幅をサイドバックが取るということは、盛岡のディフェンスラインは2バック状態になりがちになります。この光景もいつかのセレッソのようで、過去のセレッソが苦しめられたように、この日のセレッソはボールを取ると、盛岡のサイドバックが上がった裏のスペースにボールを配球します。そこに流れるのは岸本と山根。お互い盛岡CBとフィジカルでも闘えるため、そこからチャンスを作って行きました。

【盛岡の修正】

前半40分頃、盛岡は攻撃に修正を加えてきます。まず、2列目の14番とボランチの7番の位置を入れ替えました。

この交代で大きく変わったのが、盛岡の攻撃陣のポジショニング。中へ中へ入っていった14番とは異なり、7番はサイドにポジションを取ります。

そして、後半からは2列目をまずサイドに位置取らせました。
また、ボランチ2枚も縦関係になり、ディフェンスラインからのビルドアップもボランチの1枚がセンターバックの間に落ちたり、セレッソの2トップの間にポジショニングすることで、セレッソの守備の基準点をぼやかします。この盛岡の修正によりセレッソの守備は横に間延びするようになりました。

元々、尹晶煥監督のトップチームのように中央を閉鎖し全体をスライドさせる約束がある訳ではおそらくなく、あくまでも盛岡が中央に密集したから自然と中央圧縮守備になっていただけで、疲れも出てくる後半は相手のポジションに引っ張られ間延びします。

特にCBSB間に隙間が出来てしまい、ここのスペースを使われることでピンチを招きます。

また、盛岡のサイドバックが高い位置を取るとそれにサイドハーフが付き合わされ、6-2-2のような形で自陣に貼り付けられる場面もありました。中盤が2枚になれば、当然バイタルエリア付近でボールを前向きで持たれる場面も出てきます。そんな中での盛岡のゴールはゴラッソではありましたが、失点は時間の問題だったかもしれません。

そして、前半はサイドバック裏のスペースにボールを入れることで攻撃していたセレッソですが、後半は盛岡がボールサイドと逆サイドのサイドバックを下ろしたり、ボランチが後ろに残ることで泣き所を補修するようになりました。

守備と同じように攻撃も盛岡が勝手に空けてくれるスペースを使っていただけで、自分達のポジショニングやオフザボールの動きで敵の守備を崩していた訳ではないため、攻撃は前線の選手の個人技に頼らざるを得ない状態となっていきました。

2-2となった後はお互いに選手交代をしながらオープンな展開の中、チャンスもありましたが決めきれず引き分け。セレッソから見れば、2-0から追いつかれ勝ち点3を逃す結果となりました。

【試合を通じての感想】

去年から引き続き大熊体制となりましたが、去年と同じ困難さが今年も待ち受けていそうな一戦となりました。
守りでも攻撃でも、あくまで相手の形がたまたま中央集結攻撃だったから中央圧縮守備になり、相手のサイドバックが高い位置を取ったからスペースにボールを入れていた訳で、相手の攻撃の選択肢を削ったり、相手に対処困難な守備を強いることはできていないです。

結果、守備ではどれだけ選手が頑張れるか、攻撃では選手のアイデアや個人技爆発待ち状態。やってる選手は大変でしょうね。

こう書くとU-23の試合の何が面白いんだとなりそうですが、それでもやはり若い選手が力を付けていく過程を見ることが出来るのはワクワクします。

戦術兵器となっていく沖野や大人相手に物怖じしない高校生たち。そして、斧澤のセンス溢れるプレー。

未来のセレッソを担うであろう選手たちの応援に皆さんも来てみませんか?

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