三毛猫の爪とぎ「全人類ジャガイモ化計画」

私の名はみぃだ。My name is Me. 
ふざけてはいないが、正しくはMeじゃない。Mieだ。多分。

くろさんが最初っからかっ飛ばしており、「諸悪の根源」としては大層喜ばしい。暴走するくろさんを、ブロック塀の片隅や木の穴の中から見つめていこうと思う。だからくろさん、そのまま光の速度で走ってくれ。

さて、本題に入ろう。

 世間ではメンをやられる人間が多いらしい。
昔からガラスのハート、ノミの心臓など臆病さや繊細さをあらわす言葉は多い。近年とうふメンタルという言葉も発見された。昔から変わらぬメンのひ弱さ。進化サイクルは早く廻せないのが生き物の性だ。当然、私もメンをやられることがある。野良猫だもの、憂さ晴らししたい人間が近づいてくることもあるのさ。隠してる棘しっぽで返り討ちにするけどね。

 やわらかメンの反対、精神的タフさをあらわす言葉としては、心臓に毛が生えている、強心臓といった言葉がある。毛の生えた心臓は何に強いのか。寒さか。確かに寒さはやる気を削ぎ、生命活動に影響を与える。間違っていない。でもふさふさの心臓、のほうが可愛いと思う。強心臓については割愛。

 では、強靭なメンタルとはなんであろう。心臓に毛を生やす能力、ではないということは確かだ。自分なりに考え、以下の結論にたどり着いた。


強靭なメンタル=ジャガイモ澱粉+水分


人の体の60%は水分だろう?ジャガイモ澱粉????
自分でもこの結論だけでは意味不明だと思う。なので思考を整理します。


 まずは外からの刺激に対して。悲しいかなこの世には、容姿やら、能力やら、ご飯の食べ方やら、他人様の一挙手一投足にディスりを加えないと生きてゆけぬという生物が存在している。それも1人ではない。徒党を組んでくることもある。きっとディスり氏も何かを抱えているのであろう、と想像はできる。だが、言っていいことにはならない。
人に危害を加えてはいけません、って三毛猫だった父上が言ってた。
襲われそうだったら正当防衛だからいいのよ、ってバイクに跨ったぶち猫の母上が言ってた。だから棘は常に磨いているのにゃ。

話を戻そう。

1本の矢では致命傷になる可能性が低いが、3本の矢で射抜かれたら出血多量のリスクがあがる。毛利元就もそれを分かっていたのだろう。息子たちが協力すれば、戦への勝機が増す。血で血をあらう戦国時代、いかにして生き残るかが命題だ。
矢は日々飛んでくる。よけることも可能ではあろう。しかしどうしたって飛んでくるのだ。矢が飛んできても傷がつかない、そして傷がついても早急に修復される。この2つは、強靭なメンタルの称号を得られる最低条件ではないだろうか。

 お次は内からの刺激に対して。己の敵は己とよく言うが、自分の理想の高さ、納得のできなさ、そういったものが自分のメンを攻撃してくる。周りから褒められようとも、チャオちゅーるをもらおうとも、ちゅーるより腐ったゴミが美味しい、と自分で自分に呪いをかけていたら、受け入れられないのだ。いや、好みなら別だよ?お腹壊しそう!ってはらはらするのがいい?そうか。それはぜひ目いっぱい楽しんで。

つまり、己の不相応な提案は受け流し、現実を純粋に受け入れ、取り込んでしまえる。そういった受容力もメンタル安定に必要不可欠なのではないだろうか。

二つをまとめると、強靭なメンタル=ダイラタント流体になるのだ。
ダイラタント流体で有名なのは片栗粉に水ちょっと入れたやつだ。お風呂いっぱいに用意して激しく足踏みすれば、忍者のように水の上を歩けるアレである。
外圧がかかるとぎゅっと固まり、外圧が無ければやわらかく流れていく。攻撃がじわじわタイプであれば、ずぶずぶと引き込んでむしろ相手が逃れようと必死になる。最強。
片栗粉はジャガイモ澱粉だ。こうして冒頭の結論にいたるのである。

よく、みんなジャガイモだと思って、というがあながち間違っていない。全人類のメンタルがジャガイモ澱粉と水分から構築されれば、誰も傷つかない平和な世界が訪れるはずだ。
さあ、毎日がつらいあなたも私も、今からジャガイモを目指そう。いざというときは大切な人の食料にもなれるぞ。


案内とは何を書けば、、、着る毛布は暖かく、そしてもふもふ。我らは芋煮会をしたいと願う猫団子です!!生き辛い~そうだよね生きてて偉いよみんな!