見出し画像

運命の出会いと言っても過言ではない①

 前項で、VHSビデオを蒐集している「Good Guy Video」さんについて書いたが、私が彼を知った道のりを遡ると、元々は2019年11月に桐生市にオープンした【ふふふ】という謎のお店に行き着く。
 【ふふふ】は、東京から移住されたデザイナーご夫婦のお店で、ファッションアトリエであり同時にボードゲームカフェでもある。……と、何気なく読み流してしまってはいけない。ファッションアトリエ兼ボードゲームカフェってナニ?と、まず突っ込んでほしい。【ふふふ】は、世界で一軒だけのお店なのだから。

 2019年初夏。当時、繊維関係の仕事をしていた私は、業界関係の講演会を聞きに行った。その時、繊維産地としての魅力を感じて、桐生に移住してくるデザイナーさんご夫婦の情報を聞いた。
 そこで、そのデザイナーさんがボードゲーム好きで、これから桐生で開くお店では、ボードゲームも楽しめるという話をも聞いたのである。
 物凄く新しいな~と、ビビッときた。訳分からないけど、面白そう。今までになかったお店。大体、イメージが湧かない。ボードゲームって何となく存在は知っているが、やったことはないし、繊維産業とも結びつかない。でも、だからこそ新しい事が始まるのだろうと感じた。
 
 【ふふふ】は、開業にあたりクラウドファンディングを立ち上げた。私も参加させてもらう事にし、その関連イベントで【ふふふ】のデザイナーご夫婦とお会いして、ボードゲームを体験した。
 老化した灰色の脳細胞にはボードゲームは荷が重く、何が何やら分からないうちに、ゲームは終わってしまい、何も出来ないままだった。
 が、楽しかったのだ。面白かったのだ。
 しばらく、対面で誰かとゲームをするなんてしなかった。
 子供の頃の人生ゲームやダイヤモンドゲーム。中学高校で流行ったトランプ。友人たちと自作したプロ野球ゲーム(!)。ああ、好きな俳優やアニメキャラで「いい男トランプ」なるものを作ったし。結構昔は、ボードゲームっぽい事をやっていたじゃないか!
 勝ち負けはともかく、ヒリヒリするような勝負感覚っていいじゃない?
 私は、11月1日の【ふふふ】のオープンを心待ちにした。
  
 そしてオープン後は、まずは楽しく初心者向きのゲームを遊んだ。【ふふふ】のオーナー、大小(たいしょう)さんの説明が分かりやすく、初心者でも楽しく遊ぶ事が出来る。これって、すごい事だと思う。ゲームのルールの説明って、初心者に伝えるのは難しいはず。
 私なんて、飲み込みは悪く、説明はすぐに忘れるし、手順は間違えるし、飛んでもないド素人なのだが、それでも何とか楽しく遊べたのは、まさに大小さんのおかげだった。
 しかし……試練がやって来た。
 【ふふふ】で遊びだして、4つ目に「コヨーテ」というゲームをプレイしたのだが、これがもう、ルールが把握できず、瞬時に求められるカードの合計値計算も出来ず、求められる立ち振る舞いが全く分からぬまま、手ひどい負け方をしたのである。
 この時、「コヨーテ」をプレイしなかったら、私はこれほどボードゲームにハマりはしなかったと思う。
 
 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?