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【創作裏話】カクヨムにて『DOPE 麻薬取締部特捜課』連載中です

月刊ニュータイプさまにて連載中の『DOPE 麻薬取締部特捜課』がカクヨムでも読めるようになりました!

DOPE【ドープ】 麻薬取締部特捜課 - カクヨム 

ぜひぜひプロローグだけでも読んでみてください。

せっかくなのでプロローグの創作裏話を載せておきますね。小説家を目指している方や趣味で小説を書いている方にとって、もしかしたらちょっと参考になるかもしれないしならないかもしれません。
本文と比べながら楽しんでいただけましたら幸いです。

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まず最初は陣内の過去回想から始めました。ここは「ただ単に普通の日常描写から入るよりも、冒頭で事件が起こった方が読者を引き込みやすい」というオーソドックスな手法に頼ってしまった感じです。冒頭の過去回想、楽ですよね。すーぐ使っちゃう。去年別名義でも本を出したんですが、「冒頭にショッキングな過去回想」という全く同じ手法を使っていました。引き出しが少なくて反省です。
ショッキングなものであればどんな場面でもよさそうですが、本作では陣内の妻が何者かに殺されるシーンにしてみました。陣内というキャラクターの人となりをどれだけこのプロローグの中で説明できるかに力を入れています。妻の死によって「陣内っていうキャラは過去に結婚していた」というキャラクターの情報を伝えることもできますし、『警視庁の同期と飲みに行った』という描写によって「警察官だった」「でも今は麻薬取締官」という説明にもなるかなと。(うまく伝わっていればいいのですが……)

雨が降っているのは不穏な雰囲気を醸し出すためでした。この作品は天候の描写も時々出てきますので、ぜひご注目していただければと思います。それにしても、不穏=雨という安直さ。マジで引き出しが少ない。これ、『博多豚骨ラーメンズ』の7巻でも同じことやってますよね? 今読み返してみたら7巻ラストも『雨脚は強くなる一方だった』みたいなことが書いてありました。雨以外に表現方法ないんかい。これは課題ですね。頑張ろう。

絨毯が(北欧調の)白なのは血とのコントラストを鮮明にしたかったんでしょうね、たぶん。この原稿を書いたときはDIYにハマる前で、まだインテリアについて詳しく勉強していなかったのでなんとなく北欧調にしてみたようですが、陣内単体で考えればモダンテイストの部屋に住んでいそうだし、インダストリアルスタイルも似合いそうな感じですが、妻と二人暮らしということで北欧調のナチュラルテイストでも可かな。家具や色彩って大事だなあと最近よく痛感しております。原稿でも実生活でも。

 回想の締めは、死んでいるとわかっているのに「110」ではなく「119」に電話を掛けてしまう陣内です。いくら仕事で死体を見慣れていても、いざ愛する者となるとその事実を受け入れられないものかもなということで、こんな感じの描写にしました。死を認められない、諦めきれない、葛藤する陣内の心情から彼の妻への愛の深さを汲み取っていただけたらいいなと思います。
 
その後、陣内の目が覚めたところで現代に戻ります。過去の凄惨な夢を見ていたことを誤魔化す陣内の掛け合いに力を入れていることが文章から窺えます。『夢でも見てたんすか?』って訊かれて『いや、別に』って答えれば済む話なんですが、あえてここで嘘を吐いて『魚になった夢を見た』という話をする、こういう実に無駄なやり取りが……私、大好きです(笑)

実はこのプロローグ、結構大事な伏線が含まれております。後々の展開をお楽しみに。仲間のキャラクターの名前にも注目していただければ。

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という感じのプロローグでした。

雑誌の連載ももうすぐ最終回を迎えます。
魅力的なキャラクターがたくさん書けた作品じゃないかなと思いますので、最後まで楽しんでいただけましたら幸いです。
何卒よろしくお願いいたします。

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