ジテンクン返上 セロファン 『BABY LIGHT』
(高田馬場レコファンで中古盤を350円で購入)
良いのになぜか聴く機会が少ない。
セロファンはそんな個人的ジテンクンだった。
どれを聴こうかとCDを手にとるのだが、なぜか常に次点に終わり、別のCDを聴いてしまう。
悪くないが決め手に欠けるっていうか、もうひと押し感が抜けないっていうか。
聴けば“Viva America”なんざ、ポップだねえと舌鼓を打つのだが。
しかし、この“Baby Light”でそんなジテンクンから脱出した。
ハードなギターカッティングに相変わらずのポップなメロディーが乗る。
中期XTCみたいな、ちょっとひね過ぎてポップなのに通しか聴けないって感じじゃなく、所謂Jポップファンにも受けそうおな素直なポップさがあった。
「今遠くてもしばらくの未来さ/迷うことなく光の中へ」というポジティブな歌詞もぐっと来た。
何より勢いがあった。
いけると思った。が、売れなかった。
そりゃあ、カップリングされた『ボクノカケラ』はシタールが前面的にフィーチャーされた、サイケなビーチボーイズ(『フレンズ』の頃)みたいで、およそ売れ線じゃなかったが、『Baby Light』は普通に売れそうなのに…。
事情は知らないが、3rdアルバムの『Half Life』は1度見のがしたら、その後中古盤屋でも見たことがない。
それほどプレスされなかったんだろう。
もったいない、不条理だ、とは思うが、それがプロの世界。
メジャーの壁は激しく高いのだろう。
ともあれ、個人的にはジテンクン返上。この曲は何度も聴いてる。
その度に口ずさみ、目を潤ませてる。
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