見出し画像

「コーダ」と「エール」で「フランスはエロい」と思った

「フランスはエロい」と思ったわけでして。

米国とカナダ、フランスの共同制作となる映画「コーダ 愛のうた」とその元ねたのフランス映画「エール!」を見比べたわけですが。

物語の構成はほぼ同じでして。

聾唖者の家族に囲まれて、ただ1人聾唖ではなかった女子高生が主人公です。
成り行きで入部した合唱部で音楽教師に才能を見出され、発表会で男子生徒とデュエットすると決まったものの、ひょんなことでその男子生徒との関係にひびが入る。
その傷が障害となって、音楽教師に勧められた音楽学校への進学も断念しかける。
そもそも家計が苦しい上に、聾唖でない主人公の助けが欲しい両親は、音楽学校への進学に反対する。
実は主人公の気持ちは、音楽の世界に人生を賭けるという方向に傾いていたのだが・・・。

「エール」では村長選挙を巡る騒動だったサブストーリーが「コーダ」では労働組合を巡る騒動に変わっていたり、「エール」では主人公の弟だった兄弟が「コーダ」では兄になっていたり、微妙な違いはあるものの、物語に影響を与えるほどではなく。

しかし個人的には全編ずっと「コーダは健全、エールはエロい」と感じ続けてました。

主人公が男子生徒とデュエットする歌がもうね、まるっきし違う。
「コーダ」ではマービン・ゲイ&タミー・テレルの「You're All I Need Get By」
男女の掛け合いとはいえ、分かり合った2人が笑顔で手をつなぎ、道の先を見渡すと青空が見える草原をスキップしているような歌なわけです。

対して「エール」ではミシェル・サルドゥのシャンソン「Je vais t’aimer(愛の叫び)」
わけあって打ち明けられぬ愛を抱えた2人がすれ違い、目を伏せ、指を絡めながらお互いの気持ちをまさぐるような歌なわけです。

これ10代に歌わせていいのか、と。

主観ですが、「コーダ」の主演2人は顔立ちもスッキリ清楚。きちんと糖質制限して煙草も吸わず、Photoshopで補正したようなルックスでして。

せっかく人気のない池で2人っきりになるという誰がどう考えてもアレだろという状況にもかかわらず、短パンにTシャツで泳ぐという、もうあり得ないほど安全・安心なわけです。
せめてワンピースじゃないか、と。

「エール」はそれに比べたら生々しい。
2人でデュエットする時の服装からしてややぽっちゃり目の脚をのぞかせるミニスカート。
ランチ後にどうしてもジャージーミルクの生プリンが欠かせなさそうなルックスで、「愛の叫び」なわけですよ。

「コーダ」の主演女優が学年で一番人気でサッカー部のキャプテンと付き合って正門前を歩く学級委員のような顔立ちなのに対して、「エール」は一見目立たないけど人付き合いの悪い帰宅部の男の子に体育館裏で告白するような淫靡さを感じるわけですよ、個人的には。

ということで「フランスはエロい」と思ったわけです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?