シングルマザー

私の夫はシングルマザーの家庭で育った。
アジア人と白人の血が入ってる多人種の子供と白人の母親、見た目だけでは養子の親子に見える。
また、アメリカ社会は今でも肌の色がかなり人の印象を左右してしまう。
しかもユタ州という南部のかなり人種的にも宗教的にも保守的地域に、リベラルなニューヨーク州、コネチカット州に住んだ後に中学生時から引っ越したという相当厳しい環境で育っている。

元々の性根は明るい人間なのだが、こうした変曲的な育った環境から、社会やアメリカ文化に対して、日本で出会った時もかなりの怒りや、戸惑い、哀しみ、をまだまだ腹の底で感じてたんだろうなというのは、けっこう察しが付いていた。

短く言えば、自分の将来に物凄い後ろ向き感、とでも言うのだろうか、全く希望を抱いてないな、という感じで、ほっとくと死ぬんじゃないか、才能や若さを無駄にするんじゃないのか、と思った。

私がおもうに、才能があっても、あんまり社会に絶望すると建設的に人生を見れないんじゃないんだろうか。つまり、努力とかしない、人に認められようとしない、とかそういったことで、ここだけの話、ほっといたらホームレスまっしぐらだったと思う。

間違えないで欲しいのは、彼がこうなったのは、ただ単純に「シングルマザーの家庭で育ったから、」ではなく、色々な環境の影響下で、宗教の強制やら人種差別やら、同級生のやっかみによるイジメやら、貧困などその他諸々のせいで、人生の不合理やら負の面を見すぎたせいだと考えてる。でも勿論その一つの要素が、「母親が女手一つで育て上げてた」というのは否めない。
共働きで収入が多かったら、祖母や親戚やらの経済的な支援があったら、その母親が精神的にサポート的な環境を求めてそうせざるを得ないと考え引っ越してなかったら、どうだっただろう。「たら」は経済的な面と子育てのサポート面のことだが、そしたらここまで、大変な思いしなかっただろうなぁと。。。
アメリカもシングルマザーの貧困率は高い。じゃぁ離婚するなとか一人で産むな、とかそういうことではなく、コミュニティでサポートしていかなければいけない、国民全体の課題だと思う。だって、この子達は私たちの将来を担うんですもん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?