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【詩】追懷

黄揚羽が肩口から躍り出て 襟周りを滞空する

まるで胸ぐらを掴まれるようで 

黄揚羽を払い途立つことも 

空の蛹を探しに戻ることもせずに

懐中の虫を養う橘を画く

空の蛹がかえった枝は今頃 桜の花と連れ添うだろう

だから山椒の木では嫌なのだ、と 

虫は今、時計と心臓を喰っている




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