寄生住

兵庫県のとある街。32歳独身の私は4人家族のお家に1室を借り、家賃3万円(光熱費込み)…

寄生住

兵庫県のとある街。32歳独身の私は4人家族のお家に1室を借り、家賃3万円(光熱費込み)の寄生生活をしています。 私と夫婦と子どもふたり(と猫とヤギ)。子育てに参加しながら新しい居住スタイル・家族のカタチを模索中。

最近の記事

あの頃のカロライナと再会

前回カロライナが兵庫に遊びに来たのは、コロナが始まる前でした。あの時、仕事と恋愛に疲れて人生の休暇中だったカロライナ。あれから約3年と数カ月のとある日、カロライナから連絡がありました。 「10月、1ヶ月休み取ったから、遊びに行っていい?」 私は、また「何か」あって2回目の「人生の休暇」を取ったのかな(参照)と心配な気持ちもありながら、カロライナの訪問は大歓迎でした。というか 私もいろいろあったので、キャッチアップしたかったのです。笑 3年前、私は寄生先のジェームズ+ナギ子

    • ただいま家族留学中。

      最近、新聞で「家族留学」という言葉を目にしました。なにやら、若者(大学生)が将来、仕事と子育てを両立するイメージができるように、子どものいる家庭に1日「留学」し、育児の話を聞いたり子どもと交流して育児体験をすることらしいのです。そして、気づいたのです。 「そうか、私はこの家に留学しているんだな」 昨年の8月、私はアメリカでの大学院留学を終えて帰国し、小・中学時代の友人ジェームスと妻ナギ子と二人の息子たちの家に上がり込み、寄生生活をしています。…と思っていましたが、この生活

      • ポートランド×7月×元彼

        先日、神戸の元町にある生地屋に生地を買いに行きました。大阪で育った私にとって、神戸はいつでもいける街という印象で、33年の人生をかけてスルーしてきた街ですが、知らない街を歩くのはやはり楽しいものです。目当ての生地屋に寄った後、もう少し散歩してみようかなと思った時、ふと感じたんです。あの人がいれば、神戸はもっと楽しい、と。 あの人とは、私が昔付き合っていた元彼です。今は友達みたいになったその人を「元彼」と呼ぶのは心もとないので、ここでは彼のことを、彼の好きな野球チームになぞら

        • カロライナがやって来た〜あの頃カロライナと〜

          6月のある週末、仕事と恋愛に疲れて人生の休暇中の友人、カロライナ(仮)が寄生ハウスに遊びに来てくれました。カロライナは外資系企業に勤め、東京を拠点に世界の街を行き来する仕事をしています。 岐阜出身のカロライナと大阪出身の私は17歳の頃、アメリカのノースカロライナ州での高校留学を通して出会いましたので、かれこれ15年以上の付き合いになります。今は兵庫と東京で離れているので頻繁には会えないけれど、メールでの近況報告はちょくちょくし合っています。 そんなカロライナですが、ここ数

        あの頃のカロライナと再会

          寄生住から共生住へ〜「利益」と「損失」の間で〜

          どうも、寄生生活が10ヶ月目を迎えた佐奈田です。 前回の家守さんからの寄稿「寄生と共生」(生物学的考察文)を読んで、思ったことがあります。 「私、共生住かも(ブログのタイトルが虚偽になってしまう!)」 私が”共生住か寄生住か”を決めるためには、私がもたらす「利益」と「損失」を総合的に判断する必要がある、と家守〈やもり〉さんは解説してくれました。そう考えると、私とジェームス一家の生活は無意識にも意識的にも、お互いへの「利益」と「損失」を総合的にチェックし、微調整しながら、

          寄生住から共生住へ〜「利益」と「損失」の間で〜

          【寄稿】寄生と共生(やもりの視点)

          どうも、佐奈田の寄生先に行ったことがある家守〈やもり〉です。 今日は生物学の視点から佐奈田の寄生について考察したいと思います。ポイントはジェームス家族の「損失」です。 「寄生」という言葉を聞くと、多くの人は時間や空間を奪われる状況を想像するでしょう。学校の帰り道にいつもついてくる友人。いつまでも自立せず実家に居座るニート。そんなイメージではないでしょうか。しかし、生物学的にこれらを寄生とは言いません。 生物学の世界では、「寄生」に定義があります。それは、「一方が損失を被

          【寄稿】寄生と共生(やもりの視点)

          なぜ我が家にヤギがいるのか(後編)

          どうも、家主のジェームスです。 雑草に追われることを回避するためにヤギを飼う決断をした(なぜ我が家にヤギがいるのか(前編)、(中編)を参照)家主ジェームスですが、うっかり、すっかり、そしてすっきり忘れていたことがありました。そう、パートナーであるナギ子への“お伺い”です。 我が家にヤギがやってくる、これはまさにインパクトの塊のような事象ですから、もちろんナギ子にお伺いをたてなくてはなりません。しかしながら今回ばかりは万が一にでも「ヤギなんて飼えないでしょ!」と言われてしま

          なぜ我が家にヤギがいるのか(後編)

          熱が出たらルームサービスが出た

          佐奈田です。 暖かい春の午後、仕事中に「なんか体調おかしい…」と感じるやいなや発熱の予感。仕事から帰るなり着替えもせずベッドに倒れこみました。とにかく熱い。もう、腕一本動かすのもしんどい。しんどすぎて体温計では測っていないのですが、あの熱さは中学の社会の時間に習った「平清盛は高熱で水風呂が沸騰した」という話を思い出させるものでした。平清盛が最期に経験したであろう高熱。私は次の日、幸いにも目を覚ますことができました。しかし、アップ&ダウンを繰り返しながら、私はこの平清盛フィーバ

          熱が出たらルームサービスが出た

          なぜ我が家にヤギがいるのか(中編)

          どうも、家主のジェームスです。 かくして雑草に追いかけ回されることになった(「なぜ我が家にヤギがいるのか(前編)」を参照)家主ジェームスですが、その時点で選択肢はいくつかありました。 一つは草刈機を買うこと、二つは除草剤を撒くこと、三つはヤギを飼うこと。並大抵の人は前の二つが選択肢に上がることが多いのだと思います。最低限その程度の常識は持ち合わせているのですが、私はその選択をしませんでした。 まず一つ、草刈機です。草刈機は電動と内燃機(エンジン)の物がありますが電動は力

          なぜ我が家にヤギがいるのか(中編)

          誰かとその日の出来ごとを話せる暮らし

          佐奈田です。 昨年8月から始まった寄生生活(参照:「なぜ寄生?」)ですが、正直、 すごくいい。 です。 いや、とても生きやすい。 経済的なこと(家賃3万光熱費込み)はもちろんですが、この安心感は、同居生活でしか得られない、人との交流からくるものなのだろうと思います。 明かりのついている家に帰れること、「おかえり」「ただいま」があること、一緒にご飯を食べる人がいること、誰かとその日の出来ごとを話せること、一日一笑できること(参照:「子どものたちの言葉」)。たとえ、遅く

          誰かとその日の出来ごとを話せる暮らし

          子どもたちの言葉

          佐奈田が一緒に暮らしている、みらいくん(6)とかのんくん(4)の言葉たち。時に可笑しく、時にポエティック。 2019年3月 みらい 佐奈田「佐奈田な、お友達にいじめられてるねん」   (※いじめられていません、大げさに言いました、すみませんお友達) みらい「ええええ!?みらい君が言ってあげる!」 佐奈田「なんて言ってくれるん?」 こらぁぁぁぁぁぁぁ!って。​ 2019年3月 かのん ある日曜日、佐奈田とかのんで近所のスーパーへ。かのんは自分のドキンちゃん財布を持って

          子どもたちの言葉

          なぜ我が家にヤギがいるのか(前編)

          どうも、家主のジェームスです。 お気付きの方もいらっしゃるでしょうが、我が家にはヤギがいます。ヤギです。みなさんご存知のウシ科ヤギ亜科ヤギ族ヤギ属のヤギです。今日は我が家になぜヤギがいるかをご説明したいと思います。 2017年春、私たち家族は兵庫県のとある街の山間にある一軒屋に引っ越してきました。この頃は寄生住人佐奈田がアメリカに行っていた頃なので、至極平穏無事に時間が流れていく頃でした。もともと私は大阪市内の生まれなのですが、物心がつく頃には大阪の南部のニュータウンに引っ

          なぜ我が家にヤギがいるのか(前編)

          ママじゃない私にママ友ができた話

          どうも、佐奈田です。 今日は、昼からの出勤なので午前中はフリーダム。 フリーダムな私にジェームスからの依頼。 「朝、みらいを小学校に送ってくれ」 この辺りの子どもは集団登校するみたいなのですが、4月の初めは親も一緒に集団登校するそうです。この登校につきそうとジェームスが仕事に遅刻してしまうらしく、職場の理解を得ているもののできるだけ遅刻は避けたいとのことで、午前フリーダムの佐奈田に白羽の矢が立ちました(ナギ子は早朝に家を出ます)。 大役を仰せつかった佐奈田。 はりきって

          ママじゃない私にママ友ができた話

          1年2組にされちゃった!

          みらいくん、4月から小学生になりました。 首も座らないグニャングニャンの新生児の時から知っているみらいが、 自分の足で立って、一丁前のジャケットを羽織り、ランドセルを背負って歩いていることが信じられません。 ちゃんと「ありがとう」「いってきます」「いってらっしゃい」「ごめんね」「いいよ」が言えるみらいくん。 弟のかのんがダディやマムに叱られているとき、必死で守ろうとするみらいくん。 朝出発するかのんに「かのんくん、いく前に佐奈田にいってきます言ってやあ」と声かけするみらいく

          1年2組にされちゃった!

          佐奈田とジェームス(ジェームスの視点)

          どうも、家主のジェームスです。 寄生住人佐奈田とは小学校からの付き合いなので、かれこれ20年以上の付き合いになります。 佐奈田と過ごした20余年、それはまさに“寄生”という言葉そのものでした。 私たち家族は今、佐奈田に寄生されています。大抵の人は私たち家族と寄生住人である佐奈田の暮らしを奇異なものとして捉えていただけるのですが、中にはどうしたわけか「幼なじみ同士が大人になっても仲良く暮らしてる!」「ドラマのフ○ハウスみたい!」と好意的に捉える方が少なからずいらっしゃっいます

          佐奈田とジェームス(ジェームスの視点)

          なぜ寄生?

          職場の方や友人に、友人家族の家に住んでいると話すと大抵驚かれますので、最初にこの生活のきっかけ(理由)を。 理由は、おそらく次の4点です。 1 物(家財道具)がなかった 2 お金(初期費用)がなかった 3 長期的に自分がどこに住みたいかわからなかった 4 一人になるのが寂しかった 2016〜2018年、私は仕事の関係でアメリカに住んでいました。 社会人になってから、アメリカに行くまでの約6年間は大阪の街の中で一人暮らしをしていたのですが、6年間の生活でその小さなアパートに

          なぜ寄生?