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なぜ我が家にヤギがいるのか(中編)

どうも、家主のジェームスです。

かくして雑草に追いかけ回されることになった(「なぜ我が家にヤギがいるのか(前編)」を参照)家主ジェームスですが、その時点で選択肢はいくつかありました。

一つは草刈機を買うこと、二つは除草剤を撒くこと、三つはヤギを飼うこと。並大抵の人は前の二つが選択肢に上がることが多いのだと思います。最低限その程度の常識は持ち合わせているのですが、私はその選択をしませんでした。

まず一つ、草刈機です。草刈機は電動と内燃機(エンジン)の物がありますが電動は力が弱く、スギナなど難除草が多い我が家には不向きでした。しかし内燃機の草刈機は長期保管の際にメンテナンスが必要となり、たまの休みで使用するのもいささか不便でした。また草刈機は草を刈るだけなので刈った後の草の処分をしなくてはならず、これもまた選択ができなかった理由の一つです。

二つめは除草剤ですが、これは土や人への影響、また我が家は用水路がすぐそばにあるので用水路の下流の世帯への配慮から選択ができませんでした。そして三つめの選択肢、ヤギ。

そうだ、ヤギを飼おう。

もちろん、私は今までヤギを飼ったことはありません。ここから書籍やネットなどでヤギについての情報を集め始めました。すると興味深い情報がたくさん見つかりました。

まず一番大切な除草能力。ヤギは1日あたり5キロ〜10キロの草を食べます。これは相当な量です。しかもそれを毎日、1年中食べ続けるわけです。間をとって1日7.5キロ草を食べるとして、1年で3トン弱の草を食べる計算です。3トン弱の草が刈られ、しかもその草を処分する必要がない。すごい。すごいぞヤギ。そしてヤギが出すフンや尿。これは肥料として土に還り、土地がより豊かになり安定した土壌になると。調べれば調べるほどヤギに魅せられる家主。

また、ヤギは草刈機と違い化石燃料を必要としません。むしろネパールではヤギのフンを集めて発生させたガスを燃料に使う(!)という情報まで見つかりました。全てを凌駕するヤギ。完全生命体ヤギ。ヤギを飼うしかない、いや、飼わせてください。それが私の答えでした。

しかし、ここで私に最初の(たぶん最初で最後の)壁が立ちはだかります。それはヤギの調達方法です。関西にもヤギを購入できる場所は何ヶ所かあります。その多くが牧場や個人で繁殖をさせている方々ですが、問題は時期でした。ヤギは繁殖の都合から春ごろに子ヤギの取引きが多くなります。私がヤギを飼おうと決意したのが5月末でしたので、完全に出遅れた形となりました。関西の牧場や繁殖家何ヶ所かに電話で問い合わせたのですが返ってくる言葉は「もうみんな売れちゃった」「来年の春に生まれる子なら予約できるよ」「30万円(!)の子なら残ってるよ」といった言葉でした。

ヤギってそんなに需要があるんだ…。

そう、近年日本ではヤギは家畜としての価値が再評価され、またペットとしての需要も高まり空前のヤギブームが巻き起こっていたのです。期せずして私はこのヤギのブームにのっていたのです。さすが、完全生命体ヤギ。私は関西圏での調達をあきらめ、中国地方、東海地方と調達範囲を広げていきました。そして見つけたのがこちら。

ファーム田形ヤギ牧場
https://www4.hp-ez.com/hp/yagi/page1

ジェームス「あ、もしもし、ヤギってまだいますか?」

牧場主「いますよー!でも早くこないと良い子えらべないかもー。」


静岡への出張(ひきとり)が決まった瞬間でした。