七年
東日本大震災から、七年経つのか。
関西に居ても感じたほどの揺れだった
人生が変わるような出来事がいくつか起きた。
その年の8月に友人の呼びかけで
ボランティアのチームを組み、1週間ほど被災地へいった
避難所になっていた小学校で地元の方が
「写真の展示をやっているのでみてください」と
声をかけてくださったので広い部屋へ入ると
写真が入ったダンボール箱が、奥から手前まで
びっしりと並んでいた。
地震によって瓦礫にまみれてしまった
持ち主のわからない写真を集め、
きれいに洗い、乾かして保管をし、
元の持ち主のところへ返す取り組みをしている場所だった
入学式の写真など、地区や年代のわかるものは
「平成○年」と分けて保管されていた
置き時計に大きくプリントされた家族の写真、
額装された振袖の女性の写真
そして子どもの写真がとてもとても多い
動けなくなってしまった
涙を流すよりもずっと深いところに響いてきて
それは今でも消えない。
人が生きている時間は、途方もなくぶあつい。
誰かが「こわい」と言った
わたしは何も言いたくなかった
今もどう言っていいのか辿り着けないでいる
辿り着けないでも、ずっともがく。
そう決めた。
その日は11日だった
黙ったまま14時46分になって
目を閉じ、頭を垂れた
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