見出し画像

英語が話せる風、になれる5つの方法

こんにちは、岸本と言います。今は東京の会社で事業研究開発に携わっていますが、2006年から2016年の春まで、国外に出ていました。帰国してから色んな人に「英語が話せるようになるコツは?」とか聞かれることが多いので、今日は少し、初心者が中級者の壁を突破するコツのようなものを書いてみますね。ペラペラではなくて、ソコソコになれるコツ、みたいなことです。そこらへんのレベルで同じように壁にぶつかってる人に、少しでも役に立てれば嬉しいです。

ロンドンで、ほぼ日本人ひとりという状態で9年間、毎日英語で仕事をしていました。職場には英国人も数人いましたが、フランス、スペイン、ポーランド、ブラジル、アルゼンチン、アメリカ、ルーマニア、スウェーデン… とにかく多国籍環境。母国語のバラバラな人たちが一緒に仕事をするので、公用語は当然ながら英語。

渡英当初のぼくの英語力は「中の下」ぐらい。旅行に必要な最低限の英語ぐらいは使えましたが、留学したことも外国で働いたことも無かったので、やっぱり仕事環境での英会話となると、そこには厚い壁がありました。とにかく同僚が話していることが聞き取れない。なんとか意味を取っても今度は適切な単語がパッと口から出てこない。黙ってニヤニヤしてやり過ごすという日々がしばらく続いたある日の夜、パブでみんなで飲んでいたとき、一番中の良かった同僚に半ギレで発音を直されて、いままでいつも助けてくれていた彼に、そんなにストレスをかけてしまってたのがわかってショックを受けました。

さすがにまずいなと思って、在英日本人向けのタウン誌に載ってた広告を頼りに、週イチで英国人の先生に個人レッスンを受けることになりました。主に発音矯正と、全般的に会話をもっとスムースにやりとりできるようにすることを目標にしました。そこで先生に教わったコツが、かなり目からウロコだったので、今日はポイントを5つ、ご紹介したいと思います。

1.一日を、英語から始める

日本人の奥さんと暮らしていたので、家では100%日本語で会話をしていました。渡英当初は日本との仕事も結構あったので、ロンドンの朝(日本の夜)に自宅で日本とテレビ会議してから出社するとか、よくあったんですが、そういう日は、会社で英語を話そうとしても、なかなか言葉が出てこないのです。ところが、朝なにもなくて通勤するときに英語のPodcastとかラジオとかを聞きながら出社した日は、なぜかスムーズに会話が進むんですよね。「Kishiは昨日は英語がReally badだったのに、今日は全然イイね!」とか言われたので本当にそうだと思います。
その日、アウトプットするための燃料として、まずは一日のはじめに、脳に「英語の音」をインストールしておくと、夕方ぐらいまでは保ちます。

2.別の言い方で言ってみる

ある単語を言ったときに、なんか相手に伝わってないな、と感じたら、すかさず同じ意味の別の単語を畳み掛けて、相手にヒントを与えて当てさせる。ジェスチャーゲームみたいな感じにしちゃう。例えば「Earth」が伝わらなかった感じを受けたら、すかさず「Our planet」とか「Sun, moon and...」とかジェスチャー交えて言ってみるとかですね。発音だけじゃなくて、うろ覚えの単語とかのときも使えます。とにかく、投げかけに反応してもらわないと会話にならないので、あの手この手で全力で伝えていくことが大事です。
そういう意味で、英英辞典は超オススメです。簡単な英単語をつかって別の単語を説明している英文が並んでいるので、英和じゃない、英英辞典を暇な時にパラパラと読んでいくだけでもめちゃくちゃ使える言い換えパターンが覚えられると思います。

3.空中に字を書かない

ぼくが習っていた先生は日本人をたくさん教えていたので、日本人が引っかかる点を熟知していました。あるとき、何かの質問に答えようとして少し考えていると、
「やっぱり! 日本人は文章を頭の中で作るときに絶対に空中を見るよね〜。それでそこに英文を文字で書いて、それを読む感じで話すんだよね〜! ほらやっぱり!」みたいに言うので、そのとき初めて気づいたんですが、確かに空中に文字を書いて、それを目で追っている自分がいました。日本の人って確かに英語を話すとき、視線が左右に微妙に動くんですよね。

先生によると、それは日本語が基本的に「画像」だから、らしいのです。漢字かな交じりの複雑な言語なので、文章を考えて話すときにも、まず脳内で画像として書いて、それを「読みあげる」。それに対して英語は「音」の言語なんだそうです。たとえば本を黙読するときでも、脳内では声に出して読んでいるらしいんですね。脳内で音声変換されて読まれた文章を脳内で「聞く」ことで理解する、という回路のようです。なので、会話しているときは聞いた「音」をそのまま音として記憶して、文字に変換して投影することなしに、音として脳内再生したものを口に出して言う訓練をせよということでした。これにもPodcastとか、オーディオブックとかラジオとか超有効。

4.沈黙を埋める魔法のことば

これは一番カンタンですぐできるやつ。会話ってスムースに流れてこそ楽しいので、質問の答えを考えてるときとか、変な沈黙になってしまいがちです。日本語を話しているときだったら、「えーと」とか「んー、そうですねー」とか使っていると思うんですが、それに当たる英語の表現が、

「Well...」

超万能です。言うことを考えてる間にアゴに手を添えたりしながら、軽い感じで言ったり、時間を稼ぎたければ、ゆーっくり言ってみたり、「Well, you know...」と、「You know」をつけてみるとなんかすごい喋れてる風に聞こえます(笑)。なにより、「Well...」と始めてしまえば、とりあえずその後に沈黙が訪れても、間が持ちます。

5.自分は英語が喋れる、という前提に立つ

採用をしていたので、世界各国からの応募者にたくさん会いましたが、とにかく彼らの自信満々さに驚かされました。
履歴書に、語学力の欄があるんですが、
 English: Fluent (流暢)
とか書いてあっても、面接すると全然喋れてへんやん! みたいなスペイン人とかフランス人とか、「ぼく、流暢に喋れていますよ!」 みたいな態度でぐいぐい来るんですよね。めちゃめちゃな文法だったり発音なんだけど、通じている風で押し通して、たとえ間違ってても最後まで喋る。そういう人たちでも、実際採用してしばらくすると問題なくコミュニケーションできる程度に上達しちゃうんですよ。
謙虚が美徳の日本人からすると、ちょっと引くくらいの自信過剰ぶりなんですが、英語の習得には実はコレが一番大事なんじゃないかと思っています。大阪のおばちゃんが外国に行っても大阪弁で値切り倒したりすると意外と値切れたりする、あの感じです。あと、酔っ払うと結構喋れている気になるという、アレです。酔うと気が大きくなる(根拠のない自信が持てる)ので、結果、まあまあ伝わってしまうんですよね。伝わって会話が弾めば、さらに喋れるようになっていく、という正のスパイラルに入るわけです。まずは自信たっぷりに話す、を心がけると上達のスピードが上がります。

まとめ

世界中のほとんどの人にとって、英語は第二外国語なんですよね。つまり色んな国の人とコミュニケーションするための単なる手段に過ぎないわけで。だから、別に超完璧な発音ができなくても全然良くって、相手の言いたいことが(なんとなくでも)わかって、自分の言いたいことが(なんとなくでも)伝わる、ということが, はじめはとにかく一番大事。
なので、ぼくらは、スペイン人の「流暢さ」を見習えばいいんだと思います。まず「話せてる風」になる、を目指してみるのがいいと思います。

この5つのヒントが、少しでもみなさんの役に立ちますように!

Photo by Kelsey Chance on Unsplash


-------

今回はNサロンの「WORDS文章教室」の課題で、初めてこのスタイルで書いてみました。最後まで読んでくださってありがとうございます!

未来を担う後輩たちと、たくさん会いたいです。いただいたサポートは、そのときのランチ代とかに使わせていただきます! なかなか更新できないときはTwitterにいます。https://twitter.com/kishi_nihongo