Kishiko Maeda

新潮社ニコラモデルや光文社JJライターを経て、旅や美容を中心として暮らしに関する文章を…

Kishiko Maeda

新潮社ニコラモデルや光文社JJライターを経て、旅や美容を中心として暮らしに関する文章を寄稿しています。

マガジン

  • 気儘日記

    毎日のように書くかもしれないし、思い出した時に書くかもしれない。

  • 婦人的お買い物手帖

    人並みにお買い物好きな私が、衝動買いだったり熟考したりしながら購ったものについて彼是書きます。

  • 婦人的客旅手引

    乙女視点のトラベルガイド

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    乙女視点の生活読本

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    乙女視点の服飾百科

最近の記事

1ヶ月間でマーベル23作品を履修した感想

2021年の冬休み。ステイホームなお正月。もともとはマンダロリアンを観るためだけに加入したディズニー+でしたが、マンダロリアンの最終回に大層シビれたのと、月額がお手頃、ついでにサインアップやアカウント確認に猛烈に手こずったので簡単に解約するのが惜しいような…という気持ちから契約を継続することに。 そこで折角なら1月から配信開始のドラマ、ワンダヴィジョン(マーベル・スタジオ初のオリジナルドラマシリーズ)に合わせてMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)の作品をざっと観よ

    • 儚いレースが導く幸福

      12月31日、私は決まって赤い下着を身につける。 それは「赤い下着で年を越して、新年を迎えると幸運が訪れる」という、イタリアでの言い伝えを知った時に、そのなんともキュートでポジティブな発想にキュンとしてしまったから。 そもそも新年だとか、言い伝えだとか。 そういうのを抜きにしても、下着は愛らしく、美しく、時には不思議なまでに私たちを魅了するし、くたびれた下着がチェストの中に入りっぱなしになっているだけで自分自身までみずぼらしい存在になってしまったかのような気持ちになる。

      • ひとりひとりを尊重する買い物

        このところ女性のための製品に関する表現がSNSで物議を醸すことが少なくない。そのたび私はどうにも切ない気持ちになる。 それは決して「一人の女性として」と言う訳では無くて、どちらかと言えば「一人の人間として」という方が適切な気がする。 SNSにおいて、誰かが「これはおかしい!」と言い、多くの人がそれに賛同するものは大抵「ボールを投げた先の相手の気持ち」を尊重していない、投げっぱなしのもののように映るから。 ちなみに、ボールの投げ方が好きな(そしてこれからもそうであって欲しいと

        • 見た目による「あきらめ」の終わり

          私は、背が低い。健康診断で身長を測ると153cm〜155cmの間をうろうろして「はい、155.5cmですね」と言われた日には「本当ですか?」と聞き返し、何だかちょっと得したような気持ちになる。 人から見ると2cmの違いなんてまったくと言って良いほど気にならないだろうし、それに一喜一憂する自分自身のことも大袈裟だと苦笑してしまう。 それでも(優しい友人や家族がわざわざしゃがんで撮ってくれることもあって)写真ではごく標準的な身長に見えるのか「実物は小さいんですね」と、初めて会う

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        記事

          限界すれすれの感度と美味なる肌

          首筋から肩にかけて唇を這わせながら彼は呟いた。 「この匂い、おいしい」 ヒトは頭の中を空っぽにして、感じるがままに言葉を交わしているような時ほど、ハッとする表現が生まれるのかもしれない。 実際、私は酸欠気味になっていたにも関わらず、私の匂いを味覚に結びつけるその感性に対して少なからず嫉妬した。ーだけれど、同時に少し嬉しくもなった。だって、その香りはいつも着けている〈私らしい定番の香り〉とは遠いところにあるものだったから。 振り返ること数時間前、シャワーを浴びた私は、これか

          限界すれすれの感度と美味なる肌

          あやまらないであまやかして

          大切な人に謝らせてしまうと、どうしてこんなにも気が滅入るのか。 ある昼下がり、楽しみにしていた約束が反故になってしまい、画面に映し出される「ごめん」という文字を眺めながら不思議に思っていた。 同様に、少しも気持ちのこもっていない「気にしないで、楽しんで」の返信もまた相手の気持ちを滅入らせてしまっている気がして、それがまた憂鬱でもある。 長い間、謝られないよりは謝ってもらえる方が良いと思っていた。頑なに謝らず、「わるい」「すまんね」と軽い言葉で済まされてしまうことに憤っ

          あやまらないであまやかして

          スパ ラクーアの回数券

          暇さえあればスパ ラクーアに赴くようになって、気づけば結構経った。私がサウナに目覚めたのも、長時間温泉に浸かっていられるようになったのもスパ ラクーアがきっかけで、ありがたいことに今では光栄な事にスパ ラクーアアンバサダーとして活動までさせて頂いている。 スパ ラクーアのことを好きになったのは自然な流れではあったけれど、「連絡が取れない時は大抵ラクーアにいる」と言われるほど、足繁く通うようになったきっかけは、間違いなく一年に数回期間限定で販売されるお得な回数券の存在を知った

          スパ ラクーアの回数券

          目から鱗なメイク術

          先日、rms beautyから新たに発売されたクリームファンデーションの発表会に合わせて来日していた創始者でメイクアップアーティストのローズ・マリー スウィフト氏。 彼女は化粧品を毎日使う人の健康を考え、有毒な化学物質から身を守ることをモットーに開発されたオーガニック原料によるナチュラルカラーコスメを展開していると同時に、長年にわたりジゼル・ブンチェンやミランダ・カーといったオーガニックやナチュラルビューティーに明るいモデルたちから支持されるメイクアップアーティストとして活

          目から鱗なメイク術

          絶対美人感

          いつ見てもお洒落な人というのがいる。 たとえば、トップスの丈から色味から、シャツの重ね方。さらには重ねたシャツをのぞかせるバランス。ボトムスだって完璧。パンツの太さに裾から覗くくるぶし、靴の艶感、そして鞄に至るまで。少しの隙もなく、それでいて見ているこちらが恥ずかしくなってしまうような、力んだムードも皆無。毎日こんなにお洒落でいられたら、どんなに心地よいだろう?と惚れ惚れせずにはいられない。 「どうしてそんなにお洒落なんですか?」 実は彼にこの質問をするのは、この時に限っ

          絶対美人感

          ビジネスクラスで見る夢

          初めてビジネスクラスに乗ったのは、いつのことだっただろう。いくらでも伸ばせる手足と、ごろんと横になれる自由は、飛行機という閉ざされた空間の中ではとんでもなく尊いことに感じられたし、座席に置いてあるポーチには歯ブラシや歯磨き粉、アイマスクに耳栓…と、痒いところに手が届くアイテムたちに心ときめいた。 その気持ちは今だに健在だし、ビジネスクラスに乗るというだけで旅をするのがぐっと愉しくなる。 そして、今回スイス旅で利用したスイス インターナショナル エアラインズのビジネスクラス

          ビジネスクラスで見る夢

          ヨーロッパの最終地点

          謎の多い国だとは思っていた。空気が綺麗そうだとか、治安が良さそうだとか、自分の中に存在するイメージはどれもこれもポジティブなものながらどこまでも抽象的だし、日々私の頭の中を占拠しているスイス製の時計に関してもその土地においてはどのような立ち位置なのか今ひとつ分からない。 年に一度の大イベントであるバーゼルワールドには一度は行ってみたいと思っているし、そうでなくてもジュネーヴを訪れて、時計メゾンの本店巡りや、パテック フィリップ・ミュージアムでその緻密な芸術に垂涎してみたい。

          ヨーロッパの最終地点

          なりたい自分に近付く術、遠退く罠

          自分が見られたい姿を装うことが必ずしも正解ではないと知ったのは、つい最近のこと。 これまでの私は、透明感が欲しければ紫色のコントロールカラーを駆使し、イノセントに見せたいと思えば白い襟付きのワンピースを纏う、「いわゆるガーリー」に傾倒しては、その枠の中にきちんと収まるように生きていた。それが私にとって最善なのだと信じて疑わずに、気持ちよく過ごしていた。 だけれど、歳を経れば経るほど、どうも「ガーリー」がほんの少しズレて「メルヘン」に仕上がってしまう気がする。そんな違和感を感じ

          なりたい自分に近付く術、遠退く罠

          思い上がりは視線に出る

          歳を経れば経るほど実感するのは、自分が思っている以上に自分の良くない部分、とりわけ傲慢な考えは他人に伝わっているということ。 人よりも自分が偉いと思っていたり、見下すような感情ほど、相手に感度良く届く。それは、特に付き合いのない、街中で単に数秒すれ違っただけの相手でさえも。 たとえば軽くぶつかった時、すかさず自分の荷物や服にだけ視線がいって、相手のスマートフォンが落ちたことになんてお構い無しだったら? そもそもぶつかったこと自体特に気も留めず、スタスタと歩いて行ったら? そ

          思い上がりは視線に出る

          「愛してる」みたいな、気が利かない言葉を

          自分の誕生日にはあまり思い入れはないし、お祝いをして貰うと逆に恐縮してしまうような性格なのだけれど、やはり大切な人におめでとうと言ってもらえたり、自分が歳を重ねることや、今ここに存在していることを肯定してもらえるのは嬉しい。そう改めて考えたのは、昨夜素敵な女友達が「遅くなったけれど」とお誕生日をお祝いしてくれたから(そしてそれはたとえ364日遅れたとしても嬉しいものは嬉しい)。 そういえばいつかの誕生日の直後から、食事をするたび「お誕生日おめでとう」と言われることがあった。

          「愛してる」みたいな、気が利かない言葉を

          愛と恋、私の場合。

          四六時中言の葉を交わしたければ恋、素敵な事を伝えたかったら愛。 そう思うようになったのは、つい最近のこと。

          愛と恋、私の場合。

          テレパシーの種明かし

          ある夜、初対面だったりそうじゃなかったりする男女何人かで食事をする機会があった。 そういう時に話題に上るのは、大抵「好みのタイプはどんな人だ」とかいう当たり障りなく盛り上がれるもので、その日のその時間も例外ではなかったし、これまた例外なく答えようが答えなかろうが関係なく自分の番が廻ってきた。 「テレパシーが使える人が良いな。喋らなくても会話が出来る人。ついでに会話の間や言葉選びの感覚が会う人」 強いて言うならばそれだけは譲れないなぁ、と言うと、その場にいた全員が、よ

          テレパシーの種明かし