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誰もが使える美しくなるための魔法

「もしも私が整形するとしたら、どこをどうすれば良いですか?」

とある美容整形外科の院長に取材をした後、世間話のついでに興味半分でそんな質問をしたことがある。すると、彼はこう答えた。

「正直言ってしまうと、君は整形をする必要はない。そりゃあ、このパーツをこうすることで美的に整うだとかそういうのはあるし、もっと綺麗になりたいのなら幾らでもやりようはあるけれど、君は自分の良さを引き立てるメイクや髪型を理解しているし、自然な表情や雰囲気を自分のものにしている。結局、そういうのが何よりも一番の魅力になるから、整形はしなくて良い」

時々彼の言葉を思い出しては考える。さて、私にはまだ綺麗になる為の伸びしろはあるのだろうか?今日、当たり前のように施しているお化粧や手に取って腕を通す服は、今の私に合っているだろうか?

だって、私はいつだって、今より綺麗な自分になりたい。

そんな時、私にファッションのアドバイスをしてくれる人が現れた。とびきりのセンスと知識で無条件に頷きたくなる意見と共に、まるで魔法のように私の知らない私を引き出してくれる。

「今までとは違う、もっと似合う服装もありますよ」

私は元々「おしゃれ」に対して自信が無かったし、食わず嫌いのアイテムも少なからずあった。だけどこのところ、苦手だった筈のアイテムだって選び方や着こなし次第でぐっと身近に感じられるどころか、モノにすることによってこれまでよりもずっと新鮮で洗練された自分に出会えるということを知り、日々目から鱗が零れ落ちている。

もしもあなたが綺麗になりたいと思ったなら、最先端の様々な技術に手を出すのも悪くない。だけど先ずは、自分を最も魅力的に見せてくれるであろう髪の長さや肌の質感。アイシャドウにルージュの色。アイライナーの引き方。それから最もスタイルが良く見える洋服の着丈や全身のバランス。勿論曇りの無い表情や仕草、それを司る心の持ち方も。まるで名探偵が真実を見出す時のように、根気強く自分という存在を理解してゆくことが意外なほど重要なのかもしれません。

高くも低くも見積もらず、願望や欲による余計なフィルターを掛けずに居れば、まだ見ぬ自分の魅力がきっとどこかに隠れている筈だから。

努力よりも簡単で、勝ち負けの無い愉しいゲーム。強いて言うなら、勝負の相手は自分。

誰もが使える美しくなるための魔法。



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