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香りがうまれるところ. 2 開聞山麓香料園さん No.1

前回venustar organics さんに引き続き、鹿児島の”天然香料”がうまれるところを書いていきます。


「芳樟」(ホウショウ)というクスノキの品種があることを知ったのは、2015年に初めて行った高知県にある牧野植物園でした。(私の聖地フフフ)

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一見、いつも見るクスノキの葉と変わりがないようですが・・・

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基本種のクスノキ(街路樹だったり、神社の御神木だったり)からは樟脳が取れるけど、この芳樟から高級な香料が取れる!?何?高級香料・リナロールって・・・

この2年後に鹿児島県の指宿市に、芳樟の森があることを知ります。

日本で最初のハーブ農園・開聞山麓香料園さん

1942年に出来たということなので今年で77年!でも戦前からこの地で諸々栽培しているので、歴史はもっと長いです。そして広大な敷地面積で
1万5000坪!!!(歩いてまわれる、点在している芳樟の森を含め)
たまーに迷子のお客さんが出てしまう、という果てしないハーブ農園。

なんども足を運び写真を撮らせていただいてますが、すべてを撮れている自信がまったくありません。

そんな遠い目になるような、いや、気が遠くなるような、いえ、そんなスケールが並外れている場所なので文章がまとまる気配がないのですが(いつもですが)、香料園の歴史などはHPで見ていただくとして、今回はまずどんな環境なのか?芳樟って何?っていうのを写真でざっと見ていただきたいと思います。ざっとです。

指宿市と言えば、薩摩富士と呼ばれてる円錐形の開聞岳。香料園はその麓にあります。

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園内からチラリ見える三角は侵食谷がないため美しいです

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入り口の貫禄ある年記が入った看板

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芳樟、レモングラス、ローズマリー、ローズゼラニウム、レモングラス、ティーツリーのエッセンシャルオイルをはじめ、ポプリやハーブの種、ハーブティー、クッキー等がこのショップで販売されています。ハーブティーはドライですが新鮮な香りでとってもおいしいです。

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渋いでしょ?ここでオイルの蒸留が行われます。蒸留についてはスピンオフの回で。
赤いTシャツは園長の宮崎泰さん、一昨年本を出されました。


(ペルー滞在のお話と、ペルーのハーブの食べ方、あと香料園の歴史は朝ドラになりそうなお話です、興味がある方はぜひ読んでみてください。)

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副園長の宮崎利樹さん
触ってる木はティーツリー

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ローズゼラニウム

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芳樟、樹形をよーく見てください。ん?ってなりませんか?

本来なら、

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こんな感じで上へ、横へもりもり伸びていくのですが(ちなみこれはこの香料園で一番のお年寄り)
葉の収穫のため、枝ごと落とすため幹のみ太くなりそのまわりに新しい枝葉が付いていきます。そのため少し変わった樹形の芳樟がたくさんあります。

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とは言え、全体的に森はもこもこしてます。

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それが花と気づかないくらいの芳樟の非常に小ぶりな花。
ほんの小さな風でもゆれてしまうので、撮影が難しいです。

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芳樟の新緑。常緑樹のため、秋に葉が一斉に落ちることがありません。春に古い葉と入れ替わるのですが、落ち葉を人が踏むとそこから芳しい香りが漂うので春は園内がほのかに甘い香りで満たされます。

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新芽、不思議ですよね、赤子なのにだんだんと緑の葉になっていくなんて


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農園の土の粒はとても大きいです。最初見たときは、ハーブ栽培に適した土を一面に入れているのかと思ったのですが、元々、指宿の土は開聞岳噴火の影響でこのように黒っぽい土壌のようです。
水はけがとてもよいのだとか。
ただ、粒が大きいため根菜はぼこぼこクレーターだらけになるので向いておらず、水はけがとてもいいためハーブには適していた!
すばらしい。


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樹高が抜きん出てるレモンユーカリ 
いつでも存在感があります

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パクチーもありますよ。


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ローズマリーにはクマバチがたくさん!いつも重たそうなお尻をブンブン振って飛んでます、かわいい♡
(おとなしいので害を与えない限りおそってきません!)

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日本と思えない小道!ここはほんと好きな小道


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何かがワサワサと潜んでいそうな少し距離が長い小道
春はいろんな草が見れます


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もし行かれるなら、
昼間の太陽の光が上から射す時間帯よりも、朝か夕方近くの斜めから光が差し込む時間帯をオススメします!森・農園全体が立体的になり、幻想的な風景をあちらこちらで見れます。

朝が圧倒的に空気も済んでいて大好きな時間帯です。ここに生息している植物たちが発生させてる揮発性のフィトンチッドのリラックス効果と、朝のやわらなか光の効果で心身ともに癒されるのです。

ただ、植物園ではなくあくまでも個人経営の農園・香料園となるので生息してるハーブ優先の環境のため、十分な・一般的な草刈り等が行き届いていない箇所もありますが(その理由は次回)、出没する虫や”にょろにょろ”への対応はご自身の責任でお願いいたします! にょろにょろ=あれですw

まだまだ 紹介できていないポイントがあるのですが広すぎてどう撮っていいか、つかめてないところだらけです。

次回も開門山麓香料園さんです、いつもお世話になっている副園長の宮崎利樹さんにお話を聞きました。

https://note.com/kisohsen/n/n8acda62fc823?magazine_key=m5be646a5688e

いただいたサポートはこれからも来双船がよい出会いができるよう、心から感謝しながら使わせていただきます!