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☆クレームが来ましたよぉ…

こんばんわー。(ぐったり

そしておやすみなさーい。

……

……

幾らなんでもそれはナイと思うので続けまーす。

いやもうねー。今日は大変でした。

流石に家から打ってるもんこれ。

え?PC?持ってませんよ。

スマホ? 違いますよ。

お店のPC持ち帰りましたよ当然。

 

え? 琴子さんのPCはちゃんとあるので大丈夫です。これはお店用ノート君なんで。

PC持ってない奴の家じゃ、つながる環境がないだろうって? ふふ。

大丈夫なんですなこれが。 まぁそこはいずれ。

で、クレームですよ。

来ましたねクレーム。

クレームと言うか、苦情?いや助けてコール?コールじゃないか、直だし。

クレーム主は、バ……こふん。妙齢……老齢のご婦人のお客様。

朝のラッシュも遠のく10時過ぎ、汗だくでその人は表れるなり、「あなたが盗ったのね!?」と叫んだ。ホント叫んだ。

私はキッチンの中にいたんだけど、その大きな声に驚いてカウンターに飛び出したくらい。

と、小柄なお婆さんが叫んでた。あ。お婆さんって言っちゃった。言っちゃったしもういいやね。

どっかから、この暑い中を走って来たんだと思う。汗だくで、一言叫んだあとは苦しそうに黙っちゃったから。

叫び声に琴子さんと私、二人で竦んだあと、30秒くらいして今度は何も反応しないお婆さんに慌てた。これ絶対、走った後のアレだ。走りなれてない人間(私)が、走って止まった後、暑くてバクバクで死にそうになるあれだ。

最初に彼女が叫んだ内容は、頭の隅に突っかかってはいたけれど、私も琴子さんもその様子に慌てて手を差し伸べた。

――と。

お婆さんが思い切り、琴子さんの手を払いのけて、また叫んだ。

「触らないで、泥棒猫!」

………

…………

………お。

おおう。

は。

初めて聞いた。生「泥棒猫」。

ぐっちゃぐちゃの昼ドラとかで聞くヤツじゃんそれ。

嫁と姑とか正妻対愛人とかそういう感じの粘度の高ぁい愛憎劇のヤツ

うわぁ、生で聞けると思わなかった~~~。

何かちょっと感動しちゃってたら、お婆さんが壁に手をついて。そうだった、そうだった。そういう状況だったっけと思い出して、私が慌てて支えた。

今度は生「泥棒猫」は来なかった。

爆笑ニャーン

家の店、それなりに広さはあるので、中の方にはいくつもボックス席がある。その奥の方にお連れして、ちょっと横になって貰った。完全に横にならなくても、足を延ばすだけでも違うモンね。

あっついおしぼりを渡して、お水を出して、とにかく少し休んで下さいと私が言う。

お婆さんは私に対しては普通で、有難う、とか助かるわ、とか答えるんだけど、クッションを持って来てくれた琴子さんには敵意を向けているんだよね。

「貴方が盗ったのよ。私の大事な物を。お返し。早く」

琴子さんは困った顔で首を振る。

「琴子さん、知り合い?」

首を振る。

「ですよねぇ。お客様だし…」

カレンダーの昨日の日付を指さされて、今度は私の方が首を振る。

「え、昨日いらしたって?いや、私昨日いましたよ、いらしてませんって。初めてのお客様でしょ」

琴子さんが首を振る。

両手の人差し指と親指で丸を作って、目に当てる。眼鏡。

眼鏡をしたこの年のお婆さんで昨日来た…人? 

いや、分からん分からん。常連なら兎も角、昨日来たお客さん全部暗記とかムリゲーもいい所だから。

私が頭を抱えていると、お婆さんが再び叫ぶ。

「返しなさい!! 私の指輪を。佳那さん!」

いやそれって、誰よ。

あ、ごめん、続きは明日!

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