吉川ロカと柴島美乃の日々について
いしいひさいち描く吉川ロカを思うとき、人は誰しも柴島美乃を思うものですが(=真理)なぜ急にそんなことを言い出したかというと、つい先日*まで、彼女たちの未発表エピソードが作者公式サイトに期間限定で掲載されていて、それが実に……ふたりの関係性を描いて胸がしめつけられる作品だったからです。
見た? ねえ、見た? 魚拓探せば今からでも見ることはできるよ、見る?(勧めるんじゃない)
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むかしヒロオカ家のお手伝いさんアイコンだったアカウントがその傑作回の登場をお伝えする模様。
いつも通り1週間で上書き更新されてしまったときの、うろたえる俺。
ちなみに21年3月17日更新によって『ROCA』は『B型平次』になり、平次親分大好き派の俺、彼のミニマルな顔を目撃してこんなに落胆したのは史上初のことでした。
さて。
吉川ロカについては、だいたい以下のサイト群をいくつか参照いただければよろしいですかね。
http://mandanatsusin.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-fb23.html
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2009年から2012年(徳間書店、GHIBLI COMICS SPECIALレーベルの「全集」における7~9巻)で正史としては完結済ながら、単行本10巻以降および作者の自費出版本『ドーナツボックス』1~8に掲載されている稗史においても、実は作者自身が以下の通り、かなり丁寧に語っています。(出典:(笑)いしい笑店 通信販売コーナー)
その名作『ROCA』におけるヒロインの親友、柴島美乃。
東淀川大学以来おなじみエリアの地名を姓として与えられたというだけで、要はザ・YASAGURE設定をインストールしたら同じ属性の藤原先生と方向性は異なるものの、同じぐらい素敵なキャラが出現した。
成立事情はそんなふうに推測しているのですが、ただ、柴島(クニジマ)で検索するとサジェストで「治安」って言われることとか、ヒロインが最初に彼女と出会う1コマで名前を間違えて覚えられている**姓が「生口さん」なこととか……そんなボケてるのかボケてないのか分からないボケ、ある?
(=いしい作品ではふつう)
(というか自分は生口島さんというボケとして記憶していた。それならクニジマとイクチジマで韻を踏んでるしね?)
なんにせよ、彼女の姓の含意を無粋な方角に拡大して解説する必要は、いつの日か、やって来るのではなかろうか。
とはいえ、「伝わる読者にだけ伝わればいい」作者スタイルを尊重する習慣がついてしまっている愛読者としては、いまここで、踏み込む気はないんですけど。
ちなみにファーストネームのほうは、戦国武将の乃美宗勝に由来している、って作者が言ってました(文藝別冊 KAWADE夢ムック)。
作者が描きたくなればこれからもどんどん柴島パイセン、登場してくれることでしょうけど、でもさー、そろそろ単行本にまとめていただいていいんですよ? ねえ?
An image from "ROCA", released on 9 March, 2021.
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