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新社会人が身に付けておきたい問題解決力

問題解決力の必要性

まず知っておいてほしいことは、世の中の仕事の多くは問題解決が占めているということです。

私はエンジニアとしてプログラミングをしたり、講師としてプログラミングを教えたりしています。その中で感じるのは、今現在エンジニアは人材がとても不足しており、プログラミングができる人材が多く求められる世の中になっています。
ただ、エンジニアがこれほどまで不足してきたのはかなり最近の話です。
まず、十数年前にはそもそもスマホがありませんでした。
ということは、その時代、スマホのアプリを開発する仕事をしている人は一人も存在しなかったことになります。
100年前までさかのぼると、そもそもパソコン(というかコンピュータの類全般)もありませんでした。
コンピュータがなければそもそもプログラマーという職業は存在意義がありません。なので、コンピュータがない昔の時代はプログラマーという職業がそもそもありませんでした。
それでも、文明は発達していましたし、人間が生活していくことは十分可能でした。
つまり、人間が最低限生きていくうえでは、プログラミングというスキルは必要なかったということです。

それが現代になってプログラミングができる人材がこれだけ求められているということは、プログラミングを使って解決したい問題が世の中にあふれているということです。
本来、プログラミングというのは、問題解決の手段であって、目的ではありません。まず解決したい問題があって、それを解決するための手段としてプログラミングという手法があるだけです。
エンジニアが多く求められる世の中ですが、プログラミングスキルがあっても、問題解決力がなければ本当の意味で求められている人材にはなり得ないでしょう。

プログラミングに限らず、世の中の仕事の大半は、その仕事がなくなったとしても人間が生きていくうえでは困らないものも少なくありません。
その中で周りから必要とされる人材となるためには、問題解決力、そして問題発見力が鍵となります。その業種の専門知識・技術と同時に、問題解決の力も鍛えていくことが大事です。

以下、問題解決そのもののノウハウや考え方、問題解決力を向上させるためのノウハウや考え方をお伝えしていきます。エンジニア目線で書いているため、他の職種だと事情が異なる場合もあるかもしれませんが、基本的には職種に限らず働いている人全般に当てはまるようにまとめたつもりです。


調べる力

問題解決においてまず必要とされるのが、調べる力です。
最近は、パソコン、スマホなど、ネット環境の普及によってほしい情報はいつでもどこでも簡単に手に入る時代になりました。
にも拘わらず、知らないことをすぐに検索しない人は意外と多いです。
検索はしても、情報量が多すぎてほしい情報に辿り着くまでに時間がかかる場合もあります。
調べる力がある人とない人で、ほしい情報に辿り着くスピードが圧倒的に変わってきます。
早い段階で調べる力を身に付けておきましょう。

分からないことはすぐに調べる習慣を持つ

まず大事なことは、知らないことはすぐに調べる習慣を持つことです。
調べれば簡単にわかることを、手を動かさずに悩むのは時間の無駄です。
知らない単語を耳にしたり、疑問が浮かんだ時にはとりあえず調べてみる習慣を持ちましょう。

キーワードは単語区切りで入力

ネットで調べ物をするときには、GoogleやYahooなどの検索エンジンで検索キーワードを入力して検索しているかと思います。キーワードの入力の仕方でも検索力に差が出ます。検索が上手な人は、キーワードを単語区切りで入力します。
一方、検索が下手な人は文章で入力します。
基本的に単語区切りでの入力の方が該当するページがヒットしやすくなるので、単語区切りで入力するようにしましょう。また、Googleでの検索の場合、検索オプションを使用することで更に検索の質を向上させることができます。気になった人は調べて活用できるようにしておくと良いでしょう。

ブラウザの検索機能を有効に活用する

検索して該当のWebページを参照してとしても、調べたい気ワードがそのページのどこにあるのか、ぱっと見で分からない場合があります。
その場合は、ブラウザの検索機能を使ってキーワードを検索すると良いでしょう。パソコンの場合は、「Ctrl + F」のショートカットキーで検索ボックスが出てきます。
ブラウザの機能を使って目的の内容に素早く辿り着けるようにしましょう。

全ての情報を鵜呑みにしない

インターネットは誰でも情報をアップすることができます。
そのため、ウソの情報や信憑性の低い情報も多いです。
なので、全ての情報を鵜呑みにしてしまわないことが大事です。
情報の出所を確認したり、自分で検証して真相を確かめるなどが必要です。

調べた内容は自分の知識として吸収する

プログラミングに関する調べ物をしている場合、ネットの情報をそのままコピペすることで実現したいことが実現できてしまう事があります。
その行為自体は悪いことではありませんが、調べたことを自分の知識として吸収できなければ、意味がありません。
調べたことは、100%でないとしても、自分の中の知識としてある程度理解しておきましょう。
そうしなければ、応用力が身に付きません。
特に、検索してその結果を使って何かをするだけなら、これから先の時代、AIでも可能になってくるでしょう。
そうなったとき、調べて意味を理解しない人は周りから求められる人材にはなり得ません。
調べたことをメモにまとめたりするなどして、自分のものとして吸収するようにしましょう。

本を読んで語彙力を上げる

検索においては、キーワードに何を選ぶかはかなり重要ポイントです。
これに関しては経験や慣れもある気がしますが、語彙力の差が大きいと思います。語彙力がある人は適切なキーワードを選ぶことができますが、語彙力がないとそもそもキーワードを選べません。
語彙力を高める確実な方法は本を読むことかと思います。
本を読む中で新しい知識を獲得したり、本の中で出てきた知らない用語を調べることで語彙力を上げることができます。
本を読んで地道に語彙力を高めることで、検索の質も上がってくるのではないでしょうか。


質問力

調べてもわからないときは、人に聞いてしまうのが問題解決の近道です。
ただし、質問の仕方が下手だと、自分が求めていた回答を得ることができませんし、必要以上に相手の時間を奪ってしまいます。
最短の時間で必要な情報を得るためには質問力が重要です。

質問力を上げる伝え方

質問するときの伝え方は以下のような流れにすると伝わりやすくて良いかと思います。

・何についての質問かを伝える
・質問が何個あるか伝える
・簡潔に質問する
・状況を伝える
・自分の仮説を伝える

何についての質問かを伝える
まず何についての質問なのか、そのテーマを伝えます。
そうすることで、相手は離す内容を頭にイメージすることができ、回答の準備ができます。

質問が何個あるか伝える
次に、質問が複数個ある場合は、質問が何個あるのかを先に伝えておきましょう。そうすることで、質問の対応にどのくらいの時間がかかるのか、事前に目安を知ることができます。

簡潔に質問する
質問の内容はできるだけ簡潔にしましょう。
質問が長いと、結局何が聞きたいのかがいまいちわからなくなります。
最も良い質問の仕方は、Yes/NOの2択の質問。いわゆる、クローズドクエスチョンと呼ばれる質問です。相手に回答の選択肢を与えることで、回答しやすくなり、短い時間でやりとりを終えることができます。
また、調べ方や調査方法を聞くのも良い質問です。
相手の時間を奪わない + 自分の調査能力を上げるという意味で、有効な質問と言えます。

状況を伝える
自分が理解していること、理解していないこと、試したことなどは事前に自分の中で整理しておいて、簡潔に伝えるようにしましょう。
前提を伝えることで、相手は状況を把握でき、必要最低限の回答で済ませることができます。

自分の仮説を伝える
「自分はこう考えている」という自分なりの仮説を持ちましょう。
何も考えていないのに相手の時間を奪おうとするのはよくないです。
まずは自分の考えを持ち、それを伝えましょう。それで解決するのであれば、それがベストです。それでも分からなければさらに質問して解決をはかります。

質問力を上げる習慣

質問するときはメモを持つ
質問するときには、メモを持っていくようにしましょう。
相手が質問に回答してくれた時に、すぐにメモを取ることができます。
また、相手にメモを見せながら質問することで、視覚的に質問したいことを把握できるため、回答もしやすくなります。

相手の時間を奪わない意識を持つ
質問する際の伝え方など、細かいテクニックを述べていきましたが、これらは相手に分かりやすく伝えることで、相手から奪う時間を短くすることを目的としています。
つまり、相手の時間を奪わないような意識を常に持っておくことが質問力の向上につながります。


人に好かれよう

人に好かれることの重要性やメリットについてはビジネスマナーの記事で詳しく書いたので、詳しくはここを参照してください。

簡単にお伝えすると、周りの人に好かれていると、自分が困った時に助けてくれる人が多くなります。つまり、問題が発生したときにも助けてくれる人がいることで、結果として問題解決が速くなります。
まずは周りに困っている人がいる時には積極的に助けてあげること。
そうすることで自分が困っているときにも誰かが助けてくれる場面が増えてきます。

アウトプットする

問題解決は、問題の要因・原因の洗い出しや、解決策の洗い出しが不可欠です。どのような要因や解決策があるかの洗い出しを手助けするための手法としてフレームワークがあります。
フレームワークとは思考の枠組みのことで、うまく活用することで1から自分で考えるよりもより効率的に問題解決が行えるようになるツールです。
経営に関するフレームワークや、マーケティングに関するフレームワークなど、分野や目的によって様々な種類があります。
どのフレームワークを使うのが最適なのかは状況に応じて変わってきますが、フレームワークを使うことによるメリットで共通していることは、アウトプットすることで課題が見えやすくなることにあります。
アウトプットすることで考えていたことが見える化され、課題が分析しやすくなります。これによって解決策が考えやすくなります。
フレームワークを使う場合、紙やホワイトボードにアウトプットしたり、PCやスマホのツールを使ってアウトプットすることになるでしょう。

その他のアウトプットの手法としては、人に話すことも有効です。
人に話していると、その間に頭が整理させ、今まで思いつかなかったアイデアが不意に思いつくことがあります。
考えがうまくまとまらずに煮詰まった時には、紙に書いたり人に話すなどして、何らかの形でアウトプットすることを意識しみてると良いでしょう。


 前提条件を疑う

問題解決において、設定された課題がそもそもそれでいいのかどうかを疑うことはとても大事です。
例えば、「成績を上げたい」という課題があったとします。
その場合、どうすれば成績を上げることができるのか、というのが問題解決のテーマとなります。
それはそれでよいのですが、そもそもなぜ成績を上げたいのか、その根本的な部分を疑うことも大事です。
例えば、進学したい学校がある ⇒ 今の成績では怪しい ⇒ 成績を上げたい
という流れから成績を上げたかったとします。
ではなぜその学校に進学したいのか。
⇒その学校でしかできない部活がある。とします。
その場合、
・今の成績でも進学できる学校でその部活がある学校を探す
・進学した学校で新しい部活を作ってしまう
・学校の部活には属さず、地域でその活動をしている組織やチームを探す
といった選択肢が考えられます。
その選択肢を考えた場合、「成績を上げる」という行為をしなくても、問題が解決する可能性があります。

私が行っている研修の教材では、「カレーを失敗せずに作るには」というテーマでロジックツリーを考える演習があります。
ロジックツリーに慣れるための内容なのでこれはこれで良いのですが、なぜカレーを失敗せずに作りたいのか、という問題提起に疑問をぶつける人はなかなかいません。
なぜカレーを失敗せずに作りたいのかというよ、おそらく、おいしいカレーが食べたいでしょう。
問題提起が「おいしいカレーが食べたい」というテーマに変わった瞬間、他の解決策が出てきます。例えば、
・おいしいカレーのお店を探す
・料理が上手な人に作ってもらう
・おいしいインスタントカレーを探す(そもそも失敗しない)
などです。
これらの候補によって課題が解決すのであれば、元々ロジックツリーを用いて考えていた「カレーを失敗せずに作るには」というテーマに割いた時間は無駄になります。

仕事をしている中で、または日常の中でこういったことは意外と多い気がしています。
問題が発覚したときには、いきなり解決策を考えるのではなく、まずは目的が何なのかを考え、そのうえで解決したいテーマの設定はこれでいいのかどうかを疑う意識を持つことが大事です。


考えると悩むの違い

考えると悩むの違いをご存知ですか?
これは様々な本に書かれていて、本によってニュアンスが微妙に異なりますが、共通しているのは
・考えるは進展がある
・悩むは進展がない
ということです。
つまり、問題解決においては「悩む」は時間の無駄で、「考える」ことが必要です。
あるテーマについて考え事をしているとして、20分以上何も進展がないとしたら、それは悩んでしまっている可能性が高いです。
悩むことは解決につながらないので、何らかの形で考えることにシフトする必要があります。
・アウトプットする
・質問する
・前提を疑う
など、手法を変えて考える時間を増やすようにしましょう。






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