人を育てることは必ずしもその人を幸せにするとは限らないのかもしれない

人を育てることは、必ずしもその人を幸せにするとは限らないのかもしれないと、思うことがありました。

私はエンジニアだった時、特定の後輩を贔屓して仕事に関するいろんなことを教えていました。
その後輩は技術に対して好奇心旺盛で新しいことを学ぶのは好きだったようなので、教えるたびに新しいことを吸収してどんどん成長していきました。
同じプロジェクトになることも多かったので、仕事のやり方やコツなども色々と教えていました。

それからしばらくして、私はその会社を辞め、別の会社に転職して講師になります。
ただ、最近になって以前勤めていた会社から開発の案件を手伝ってほしいという依頼があったので、数か月ほど以前の会社で開発の仕事を手伝うことになりました。

私が色々と教えていた後輩はまだその会社に在籍していて、多くの仕事を任されていました。
周りの社員よりもスキルが高かったため、他の人よりも多くの仕事を任されていて、負担が大きいように感じました。
それでも本人が仕事を楽しんでいたり、満足しているのであれば問題はないのですが、客観的に見て楽しめているようには見えず、辛そうに見えて心苦しかったのが本音です。
このとき、人を育てることは必ずしもその人を幸せにするとは限らないなと思いました。

その後輩がいろんな仕事を任されるようになるまで成長できたのは、本人の努力が最も大きいです。
でも、一緒に仕事をしていた時に私がいろんなスキルやノウハウを教えたことも少なからず影響していると思っています。
私が色々なことを教え、その影響で仕事ができるようになり、いろんな仕事を任させるようになった。
その結果、負担が大きくなり、仕事が楽しめてない。
そんなことが起きるのなら、あまり教えないほうが良かったのかな。。とも思いました。
このまま講師という人を育てる仕事を続けても良いのだろうか。。とも思いました。

いろいろと考え、悩みましたが、結局は自分の実力不足だという結論に至りました。
スキルがある人とスキルがない人で、どちらの方が仕事を楽しめるかと言ったら、明らかにスキルがある人だと思います。
なので、人に教えることは悪いことではないと信じたい。
どんな仕事でも楽しめるような技術を身に付けさせる。
楽しめなかったとしても、嫌な仕事は断ったり、最悪その会社をサクッと辞めても仕事に困らないほどの技術や仕事術、マインドを身に付けさせる。
人を育てるということは、それぐらいの覚悟でやる必要があるのかもしれないと思いました。
最終的にどれだけ成長できるかは、本人の意志によるところが大きいので、どこまで成長させられるかを保証することはできません。
でも、自分が育てた人材が漏れなく仕事を楽しむことができるなら、それほど幸せなことはありません。
自分自身がもっと多くのスキルを身に付け成長し、仕事を楽しむことができる人を育てていきたい。

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