イラスト14

KODOMO一景 1.はじめに

6月半ば、私は第一子を出産した。
5日の入院と1ヶ月の育児を経て、ほんの少しだけ子どものいる生活に慣れてきたところだ。

はじめの頃は夜子どもが少し声をあげれば飛び起きていたし、少し寝られても毎回必ず夢に子どもが登場していた。(子どもがドブネズミになってベッドから抜け出してしまう夢や、子どもを自転車のカゴにいれて蛇の頭で埋め尽くされた道を走る夢はなかなかキツかった)
今では夜は子どもがわんわん泣くまでスヤスヤであるし、ちょっとの泣きなら自分がご飯を食べきるまでほおっておくのも前ほど心が痛まなくなった。
とはいえ、今日のように昼の12時から夜の21時まで理由もなくぶっ通しで泣かれるとさすがにこちらも泣きたくなるし、一時的な辛抱とはいえ魅力的な仕事のご依頼を断らざるをえない時は、悲しみといいようのない不安で心がいっぱいになる。

昨年10月に妊娠が判明してから9ヶ月、当然喜びもあったけれど、それと同じかそれ以上に、つらいことや、焦りや不安もたくさん経験した。
子どもができるということは、それ以前と以後では人生のレールがガッチリ変わるということで、私のようなモラトリアム人間がそれを完全に受け入れるには持っている受け皿が小さすぎる。

子どもができても幸せハッピー100%とはいかず、自分本位な焦りや不安を抱えて苦しむ「きちんとしたオトナになり損ねたまま人生のコマだけが先に進んでしまった人」は私以外にもきっといる。
そんな誰かがいつかこのエントリーを読んで「ダメ人間だけど、わかる〜」と言ってくれることを願いつつ、いろいろを忘れないうちに、清濁ひっくるめて妊娠出産期のあれこれを書きとめていこうと思う。

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