てくてく北へ #0 「日本縦断グルメ作戦」(森山智仁)
はじめまして。登山が好き過ぎるフリーライター、森山と申します。この4月から、ほぼ徒歩での日本縦断に挑戦します!
鹿児島の開聞岳からスタートして、各地の山に登りながら、半年かけて知床半島の羅臼岳を目指します。北海道には8月下旬に上陸する予定です。
書籍の表紙やYouTube動画のキャラクターを藤沢チヒロさんに描いていただいているご縁で、このキタノステラで旅行記を連載させていただくことになりました。よろしくお願いします。
食事どうする?
全体的な計画・作戦はこちらの記事をご覧いただくものとして、本日は「食事」についての考え方を解説します。
まず、総予算は180万円。1日1万円の計算です。いい歳して叱られたくないので、野宿は原則として行わず、旅館・キャンプ場・山小屋・山中の幕営適地などに泊まります。
4月の旅館をすべて予約し、宿泊費の合計を出してみたところ、約16万円でした。単純に考えれば残り14万円を食費等に使えることとなります。わあ〜、潤沢!
しかし、贅沢三昧とはいきません。装備の破損・紛失や、台風で追加の滞在費や交通費(全徒歩にこだわらずスケジュールを優先します)が発生した場合に備えて、まとまったお金を残しておく必要があります。細かな点では洗濯代や床屋代、フェリー代もかかります。
ならば切り詰めるのかというと、そういうことでもありません。
切り詰めるなら、スーパーで安いパンを買って食べ続けるのがおそらく最強です。パンなら調理のための燃料が不要で、炊いた白米と違って数日は持ちます。普段の山行でも、行動食(昼食代わりの軽食)やテント泊の朝食としてよくパンを食べています。
しかし、パンばかりもそもそ食べていたら、つまらないし、たぶん体を壊すでしょう。健康維持の最重要ファクターは品目数であると考えています。
よって、ほどほどに各地のグルメを堪能していくという方針です。
「ほどほどグルメ」の戦略
毎日の行程は「登山」と「下界歩き」とに大別できます。
テント泊の登山に持っていく食糧は、カロリーがあって軽く、日持ちし、ゴミの出ないものが理想的です。「銘菓」の類は多くの場合、カロリーや日持ちは良いのですが、包装が手厚く、お値段がお土産価格なので、頻繁には手を出せません。山での食事は質素なものとなるでしょう。
下界歩きでは1日に20〜40kmほど歩きます。空身なら多くの人が時速4〜5kmで歩けると思いますが、研究の結果、16kg以上の荷物を背負った時、僕の速度は時速3kmほどと判明しており、長くて12時間以上歩き続けることになります。さらに、下界は平坦でもアスファルトのダメージが大きく、30kmを超えると普通に登山よりしんどいです。
そんな中、昼飯をたっぷり摂ってしまうと、死です。食事休憩をしっかり取る暇はありません。よって、下界でも山と同様に、昼は基本的に行動食で済ませます。
ではどこでグルメを楽しむのか? ズバリ、旅館の夕食と朝食です。
二食付きプランがある宿では積極的にそちらを選んでいきます。多少割高になるのかもしれませんが、荷を解いた状態で食事にありつけるメリットはめちゃくちゃデカいし、概して旅館はお客さんに土地の食材を味わってもらいたがっているものと信じています。
夕飯はたっぷり食べてOK。朝食はバイキング形式なら自分で調節できるし、量が多くても出発前なら落ち着いて食休みを取れます。
実は4月の16万というのは、できるだけ二食付きで予約してあるので、もうちょっと余裕あると考えていいのかもしれません。下界では食べ歩きサイズのものを買ってみたり、ちょうどいい塩梅の食材を見つけたら山にも持っていったりしてみようと思います。コンロとクッカーを持っていくので、基本的な煮炊きは可能です。
4月3日、羽田発鹿児島行きの飛行機に乗ってスタートです。月イチ強ぐらいのペースで書かせていただきますので、どうぞご期待ください。それでは、いってきます!
文・写真:森山智仁
Twitter:https://twitter.com/bacoyama
blog:https://moriyamatomohito.hatenablog.com/
●森山智仁のyoutubeチャンネル「東京登山」
https://www.youtube.com/channel/UC0HDQAfdJHYJtPpHgJUds1Q
Twitter:https://twitter.com/yamako_yamalove
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?