見出し画像

母の日っていつだっけ

カーネーションが咲いてくれない。

去年、義母に母の日の贈り物とした鉢植えだ。
花が咲いた、てのひらに載るミニ鉢だったそれを、雪の降る前、日差しの暖かい秋に裏庭に植えた。それが咲かない。

カーネーションは温かい地方の花。原産地は南ヨーロッパや西アジアで、日差しが大好きだ。乾燥には強いが寒さには弱い。日本の出荷は、長野県と愛知県が1、2を争う。日差しと涼しさが同居した土地が良い証。

北海道の厳冬を越すのは無理。そうは思ったが、青々な植物を廃棄というのは心が痛む。裏庭に植えてみたのだ。カーポートに積もった圧雪を、一冬の間に2回は降ろす地域。お日様の届かない雪の底で耐え忍ぶのは不可能だろう、それでも、もしやという願いを込めて土を多めにかぶせた。

3月。融けた雪の下から顔をだしたのには驚いた。植物の生命力は意外と強いんだ。強いついでに、花をつけるものと期待で、鉢植えに戻した。そこまでの生命力はないらしい。葉こそ葵く元気だが、蕾はつけなかった。

どうすれば回復するのだろう。サボテンを枯らし、ハエトリソウの葉をカボチャみたくさせた経歴をもつ。花とかには詳しくない。ネットでは、カーネーションは風通しの良い日の当たる場所に置くべし、としかわからない。もっと調べると、挿し木という手段を知った。本体の成長は止まっても、枝葉、つまり子供を増やして伸ばすことができるという。

長め(といっても20センチもないが)の枝をちょきんと切断。4本切った。数日のあいだ水につけておき、それから、乾燥させないよう挿し木用の土に植え替える。根が生えてきたら、本格的に土に植えて芽吹かせる。そんな手順になる。けっこう手間だ。

3週間が過ぎたが、一向に根が生えてこない。土を乾燥させないように、鉢受け皿の水は切らさないように気をつけてる。枯れはしない。目立った成長も無い。4月~6月に咲くはずの花が、咲きそうにない。もうじき7月になる。

きょうになって、変化があった。一個だけ、可愛らしい蕾をつけたのだ。これはどうなるのだろう。次の母の日には、鉢からこぼれくほど満開に咲いてもらいたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?