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漱石の「告白」

「月が綺麗ですね」
三日月の写真を添えてLINEをしました。
ほんとうに月が綺麗だったからそう送ったのです。

夏目漱石が「𝐼 𝑙𝑜𝑣𝑒 𝑦𝑜𝑢」の翻訳をした時に
まだ「愛してる」という言葉遣いがなかったので
「月が綺麗ですね」と書いたというのです。
その答えは「死んでもいいわ」たそうで。

ほんとうにほんとうに月が綺麗だったから?
ほんとうにほんとうにそれだけなの?

そんな訳はありませんよ。
秘めたる心の奥に貴方への思いがあるのです。
それを私はしっかりと自覚しているのです。

あ!貴方とどうにかなりたいだなんて思っていませんよ。
私と貴方の年の差では、とても恋に落ちて貰えるとは思えませんもの。
そこまでは……
人の世も数千万年。
年表を見ると、100年くらいズレていても同じ時代を生きていたように思える。
だけど、思い合えるには、たった20年、ズレて生まれてもその対象にはならないのですよね。

人に来世があるのなら次は貴方と添える同じ時代に生まれたい。

そんな事を思っている悪い私です。

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