幻のバラ色の明日。

マガジン「コルクなヒトビト」の記事です。今日見たくなった物を挙げます。

近年、電子本でまんがを読むようになり、人間がマネジメントするレジを通る恥ずかしさがなくなったことから少女まんがを読むようになりました。いくえみ綾なんかも楽しんでいます。

そんな買いやすくなる前のこと、でも一応大人になってからのこと、少女まんがを、物質の本で、店頭で買ったことがありました。いくえみ綾の『バラ色の明日 完全版』です。高校生の時に実は読んだことがあったからです。『バラ色の明日』はオムニバスなのだけどのその中の三編を使ったストーリーで、夢中になって読んでいたら最後に、「自分は誰だったのか?」を見失うような話があって、それだけ憶えていました。詳しい話は忘れてしまったのですが、その最後の、とても混乱する気持ちが心地よくて、もう一度味わいたいなと、度々思っていたのです。

確か最後の三編だったと思うので、そこに辿り着くまで、毎月楽しみに『完全版』を購入していました。そして、いよいよやってくる最終五、六巻の発売月。その時には少女まんがをレジ係の人に見られながら買う恥ずかしさをもう忘れていた頃。楽しみに帰って読むも、しかし、そのエピソードはないのでした。

あれは、僕の記憶違いだったのでしょうか。それとも、完全版を出すにあたって、削られてしまったのでしょうか。あの、タイトルも、詳しい内容も忘れてしまって、その時の気持ちだけが思い出されるエピソード、どこに行ったのでしょうか。

読みたい。

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