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諸刃の剣

 皆様、お疲れ様でございます。最近、「オキシトシン」という脳内物質が話題を集めていますね。これは、少し前までは、子供に愛する愛情や仲間との絆を大切に思う心の働きに関与する事から「愛情ホルモン」などと呼ばれ、その良い側面ばかりが強調されてきました。しかし、最近になって、この物質が、人間の攻撃性にも大きく関与している事が色々な研究によって明らかになっている様です。先日に放送されたNHKスペシャルでも、この事が取り上げられていました。

 愛情に関与する脳内物質が、攻撃性にも働くというのは一見すると矛盾がある様ですが、生物にとっては必要性から生み出されたのでしょう。自然界は弱肉強食の世界ですから、生まれたばかりの弱い子供は外敵に獲物として狙われやすくなります。ですから、子供に対する愛情に関与する「オキシトシン」が、自分の「守るべき相手」「敵」を区別して敵を攻撃させる様にも働くのは、種の保存の為の合理的な仕組みであると思えます。

ヒグマ 走行車両を威嚇 50秒追いかける 新冠で読者撮影(動画):北海道新聞デジタル (hokkaido-np.co.jp)

 人類も、飢餓に苦しんできた長い歴史がありますので集団間での食料や農地(領土)の争奪は、繰り返し行われてきました。ようやく近年になって飢餓からは解放されつつありますが(※一般論としてです)、人間の脳の仕組みがそのような環境に適応して変化するには非常に長い時間が掛かる為、現代の人類にも受け継がれているこの仕組みが「苛め」「差別」「戦争」などを引き起こす原因になっている側面もあるのでしょうね。

 しかし人類は、他の動物と異なり、この脳の危険な仕組みについて「理解」する事ができる筈です。敵として認識される相手も同じ事情を抱えている側面があり、そういう意味において「敵も仲間」であるという事も言えるのかも知れません。人類にとっての「本当の敵」は、長年人類を苦しめてきた「飢餓」であったり、そのような「視座」を持つ事ができない「自分自身」である事に気付く必要があるという事なのでしょう。そして、その様に「高い視座」を持つ事によって初めて「協力」という「敵」「仲間」「変換してしまう」様な「奇跡」が起きるのでしょうね。

「鬼滅の刃」「柱稽古編」「絆ノ奇跡」







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