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【シュミレーション】西宮北高校が統廃合されたら

統廃合発表から約2ヶ月

2022年7月14日に西宮北高校と西宮甲山高校の統廃合が発表されてから、2ヶ月が経ちました。当初は色々と動揺がありましたが、皆「少子化を理由に」現実を見ているのか、少しずつ落ち着いてきている感じでしょうか。
今回は仮に統廃合を行った場合、どのような事が起こる可能性があるか、1つずつシュミレーションしていこうと思います。

①ますます広がる学力格差(ここから常体)

 まず、北高と甲高の偏差値から見てみる。前のブログでも挙げたように、北高の偏差値は52、甲山高校の偏差値は42となっており、その差は10もある。まあ、偏差値と言っても参考値にすぎないが、受検においては一番参考にしなければならない値である。
 「偏差値が10離れているだけじゃん」と思っているかもしれないが、それは大間違い。あくまでも高校入学時の偏差値であり、そこから高校の勉強が出来るか出来ないかは話が別なのだ。
 
実際に西宮北高校の進学実績を見て欲しい。国公立や関関同立に合格している生徒もいる一方で、産近甲龍未満や偏差値30レベル(いわゆるFラン)に合格、進学している生徒もいるのだ。先日の第1回の検討会で宮本校長は「国公立や関関同立に進学する生徒が年々増える中、統廃合後も活かしたい」という趣旨の発言をされた。もちろん発言に間違いはないが、残念だがら西宮北高校において、関関同立はボーダーではなく、みんながみんな進学しているわけではないのだ。そもそも「高校」という場所は「成績がよい子」と「悪い子」で二極化しており、同じクラスでも生徒間でかなりの成績差があるのだ。現時点でも、全員に合った授業が展開されているとは言えない中で、甲山高校の生徒も混ざったら、ますます学力格差が広がり「成績がよい子」しか授業についていけなくなるだろう。

②偏差値どうなるの? 西宮の生徒が尼崎へ流れる可能性も

 北高と甲高統廃合した場合、第1回目の検査は両校の学力層が受検しにくることが予想される。そうなると必然的に偏差値は両校の中間点になり、おそらくだが、47程度になるだろう。しかし、そうなるといくつかの問題が懸念される。
 1点目は偏差値が下がることによって、北高学力層が離れていくことだ。本来、西宮北高校の学力層は「偏差値57の鳴尾高校は高すぎるけど、偏差値46の西宮南高校は低すぎる生徒」の受け皿だ。偏差値が相殺されて西宮南高校と同程度になれば、西宮北高校の学力層は偏差値53の市立尼崎偏差値54の尼崎北高校に流れるだろう。事実、前者は武庫之荘駅、後者は阪急塚口駅から徒歩圏内にある。阪急沿線であれば、西宮北高校よりも十分通いやすいのだ。
 2点目は西宮南高校と偏差値が同程度になることによって、阪神沿線地域からの志望が減ることだ。西宮南高校は、通学費用がかからない自転車でも通えるし、山を登ることを考えれば、必然的に流れていくだろう。
 「棲み分け」という意味では良いように思えるかもしれないが、1つ問題がある。それは阪神バス鷲林寺線の通学需要が減るということだ。ただでさえ赤字で通学需要が大半の路線であるため、下手したら廃止になるかもしれない。これについては後日詳述したい。

③部活動・行事どうなるの? 多分現場任せ

 西宮北高校の生徒や卒業生にとって、部活動や行事がどうなるかについては一番気になるかもしれない。もちろん、両校の伝統を活かして融合させたものになると思われるが、もともと北高と甲高は文化が違うため、多分軋轢も発生するだろう。統廃合を決めたのが県教委である以上、そこに対しても責任を持って、双方が納得するまでフォローをするのが当然の責務だろう。
 だが、筆者の予想でそれは見込めない。多分、議論が平行線でも「それは現場で決めてくださーい」になる予感がする。行事や部活動の統合において県が責任を持ってくれるのか、現段階では疑問しかない。

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