コシツのコシツー2号室の場合

こんにちは、「北大路ハウス」での日々の暮らしやイベント企画のようすをお届けする「住人エッセイ」です!
毎回テーマを決めて、6人の住人+管理人の計7人が交代で執筆していきます。
今回のテーマも前回に引き続き個室についてです!

【コシツのコシツ】
北大路ハウスの個室は3畳程度の狭さで、形もそれぞれ異なっている。建築学生たちはこのクセの強い個室にどんなこだわり(=固執)を閉じ込めるのか?(個室についてもっと知りたい方はこちら)

【登場人物】
(左)2号室 うらら(B4)
:髙野麗(たかの・うらら)。京都女子大学B4。大学での専攻は建造物の文化財保存など。最近の悩みは料理の腕が上達しないこと。
(右)3号室 かわくぼ(M1):川久保美桜(かわくぼ・みお)。京都市立芸術大学卒→京都大学人間・思想文化論講座M1。大学での専攻は芸術表現についてなど。最近の悩みは梅雨に入りチャリで大学に行けなくなってきたのでサボりがちなこと。


【目次】
1.コミュニケーションの場である茶室を
2.まずは茶室の知識をつける
3.茶室普請会議

■コミュニケーションの場である茶室を

うらら こんにちは、2号室のうららです!今回は私のお部屋について、3号室のかわくぼさんとお話ししてみたいと思います!

かわくぼ よろしくお願いします~。

うらら かわくぼさんは、北大路ハウスの住人では唯一、建築以外のことを専門にしているんですよね!今回は建築以外のことにも触れながら、個室についてお話ししたいと思っています。

かわくぼ わたしはハイドレット・センターという、日本人芸術家グループによる戦後日本のパフォーマンスアートについて研究していたので、みなさんとはだいぶ違った立場です。うららちゃんは文化財が専門なんだっけ?

うらら そうなんです。所属するゼミが建築史や文化財を研究するところなのです。

かわくぼ あまり文化財とか建築史の人も住人やワークショップのメンバーにいないよね。文化財や建築史を学んでいるという背景もあって、新建築2017年12月号での住人インタビューに載っている個室案は茶室になっていて、他の部屋と比べて異色だったね。

うらら まだ入居とかも考えていない、北大路プロジェクトで個室の形を考え始めた去年の5月ごろから、勝手に2号室茶室宣言をしていました(笑)。去年掲載された案も茶室で出しています。千利休の待庵が2畳だから、3畳あったらいけるかも?と思い…。

新建築2017年12月号、インタビュー時の2号室の案。3畳の中で、向かって左側手前半畳を収納に、目の前に床を配置する。なんか丸いものの上に乗っているのはお茶と羊羹。

かわくぼ 雑誌掲載時のタイトルは、日本の文化は陰の美しさにあると唱えた谷崎潤一郎の著書でもある「陰翳礼讃」。この案は、自然光とその陰が美しい部屋にしたいということで、電気を使わないって書いてあるけど、果たして現在は…?

うらら ごめんなさい、バリバリ使っています(笑)。電気があって当たり前の現在ではあまりにも現実味がなかったですよね。窓が西向きなので、思っていたより光が入らないんです…。でも夕方はとても綺麗な夕日が見られるので、必要のない時には極力電気は消すようにしています。

かわくぼ 個室は初期の案から変えずに茶室をつくる計画で進めていくのかな?

うらら そう目論んでいます~。私は奥の茶室を究極のコミュニケーションの場にしたいと考えていて(笑)

かわくぼ 究極のコミュニケーションとは!?

うらら 茶室は刀を外して、人々が平等になれる社交の場であったそうですよね。暗くて狭い2号室ですが、茶室も光をあまり取り入れず、広さもそこまでないという似た性質をもっているので、このお部屋を訪れた人と昔の茶室で行われていたような、深い対話ができる豊かな空間にしたいな~と思って(笑)。

かわくぼ なるほど、2号室茶室案にはそんな意図も含まれているのですね…。

うらら あとは、共有部との関係も意識していて、北大路ハウスのリビングである、本がたくさんある空間が昔の屋敷の広間や対面所であると捉えれば、奥にはもっとプライベートな交流の場があっていいのでは、と考えているんです。昔は御殿に誰かを招いたときなどは、広間と茶室を行き来したという記録も残っているようなので。
という歴史的なことも、勝手に入れているような入れていないようなイメージで住みたいですね(笑)。

■まずは茶室の知識をつける

うらら 芸術系の方々は、茶室についてどう考えられているんですか?

かわくぼ 専攻関係なく、結構好きな人が多いように感じます。1度、陶磁器の先生が教室にいきなり本格的な茶室をつくってきたことがあって…。

うらら その先生すごい!ぜひともお話を伺いたいところですね~。

かわくぼ 岡倉天心の「茶の本」とかも芸術関連の人は読んでいる方が多いんじゃないかな。

うらら 私も茶室普請に役立てようと、現在部屋の前の棚に飾っているところです(笑)。あとは近代数寄屋の考えが役に立つのではないかと思って、村野藤吾さんや吉田五十八さんなど、近代数奇屋をつくった方の本も少しずつ読んだりしています。

かわくぼ 茶室は色々知識が必要だよね。でも2号室は結構茶室に向いているんじゃないかな!入り口からのアプローチ的にも奥の方にあるし、部屋に近づくにつれてスペースの幅も狭くなっていので、私は露地のような空間だな~と思っていました。

うらら 先日個室の相談を住民会議でしたときにも、アプローチも含めて設計する話が出てきましたね。北大路ハウスならではの方法を現在模索中です…。

一番奥左側が個室2の入り口。広いリビングを抜けて、和室の隣に面しています。向かって左側、坪庭の隣に1号室。本棚には影響を受けた「茶の本」、「陰翳礼讃」など。奥にはこれまで収集した御朱印帳3冊。

■茶室普請会議

うらら 次は、実際に今のわたしのお部屋を見てみたいと思います!

【上】左側は収納、右側奥は現在普段よく使う物を置いていますが床になるかもしれないところです。
【下】入り口からの写真。茶室にできるようにと、既存の障子を平田研の方々が残しておいてくれました。その前には共有部にある収納ボックスを部屋に入れて簡単な机として利用しています。右には綺麗な葉書を張ってみました。
それにしても、このお部屋は狭すぎて、なかなか写真を撮るのが難しい。

かわくぼ 簾が掛かってる!

うらら 収納に使っている半畳のスペースに簾を掛けてみました(笑)。1号室の大スカさんじゃないですが、私もできそうなことから少しずつ始めようと思って…。長さも調節できるようにしたので便利です。茶室っぽいかはわからないんですけど、お部屋の雰囲気は少し変わったと思います。

かわくぼ もともとお部屋にも障子があるし、結構茶室の要素があるかもしれないね。

うらら あと、今は1枚葉書を張っています。反古張りという、古い消息(手紙)を壁の下部に貼っていた茶室があるみたいなのです。丁度綺麗な葉書を頂いたのでやってみました。下半分くらい埋め尽くしてみたい…!

表千家不審菴の反古張りの席。腰壁と襖に手紙を張っています。このようなとても簡素な茶室のことを「わび切った」茶室と言うそう。画像は表千家ホームページ「茶の湯 心と美」より。http://www.omotesenke.jp/list4/list4-3/list4-3-11/

かわくぼ 今の葉書でやったら、昔とは全く違う雰囲気になりそうだね~。

うらら わたしにはまだ本格的な茶室をつくことができるほどの力量も経験も全くないので、茶室のことも学びつつ、自分の部屋だし好き勝手にやってみようと思っています(笑)。

かわくぼ こんな機会めったにないもんね!そういえば、この部屋は狭さのわりに天井が高いけれど、天井はどんな風に考えてるの?

うらら 天井は木材と竹を組み合わせた吊り天井にしてもっと高さを下げて、実際に茶室にあるような天井にしてみたいと思っています。壁を今1番悩んでいるのですが、お茶室だけではなく住む場所でもあるので、取り外せたりすぐに変えられるようなものにしたいな~と考えています。

かわくぼ 少しずつ案が固まってきているんだね。2号室は個室全体の中でも完成となる目標がかなりはっきりとしているので、どんな過程でできあがるのが楽しみですね!

うらら 茶室は特にたくさんの知識がいると思うので、色々と学びながらここでしかできないような茶室にしたいですね!
それでは茶室談義はこの辺で!また色んなお話を聞かせてくださいね~!お送りしたのは2号室のうららと

かわくぼ 3号室のかわくぼでした。来週は私のお部屋を特集します~!


⇒【次回】個室3は6月22日に配信予定です。お楽しみに!

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