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ゴミ袋

ゴミは油断している間にどんどん溜まる。

ゴミ袋に無理やり詰め込まれた廃棄物と同居していることもある。処理しなくてはと思うのだが、めんどくさい。カップ焼きそばの容器こそ最近は減ってきたものの、なけなしの料理をしても食材を包んでいた袋がゴミになる。生ゴミこそ少ないが、塵も積もれば山となるという言葉の通り、毎日少しずつ生まれるゴミが45リットルの袋3個分ともなればもはや山である。

出かける間際に、ゴミの収集日を確認すると、毎週月曜日と水曜日と書かれていた。私の職場は出勤も帰宅もゆったりしているので、ゴミを収集している時間、私は寝ている可能性が高い。午前中に回収されてしまうと困るので、火曜日の夜、私は45リットルのゴミ袋をゴミ捨て場に放り込んだ。ところが、翌日の昼、出勤するときにゴミ捨て場を覗いてみると全く回収されていない。出す日を間違えたのかと思ったが、間違いなく水曜日だ。さらに、私と同じようにゴミ袋がいくつも置いてあるので、間違えているにしても私と同じように間違えている人が何人も居ることになる。集合住宅でそれはないだろう、と思いながらも不安になったが、まだ収集車が来ていないということにして職場へ向かった。

しかし、その日ゴミが回収されることはなく、出かける時よりもゴミ袋の数が増えているにもかかわらず、その全てが置き去りにされていた。

私の元いた地域では、ゴミの回収日は決まっていてお昼頃に回収されていた。しかもゴミの区分ごとに専用の袋が決まっていて、燃えるゴミと燃えないゴミは別の色の袋に入れなくてはならなかった。更に紙ゴミや資源ごみなど種類は複雑で、いつ何を捨てれば良いのか全くわからない。

分別はその地域のゴミ処理場によって変わるそうで、火力が強ければプラスチックくらいまでは燃えるゴミとして処理ができるそうだ。低い火力だと有毒ガスが出てしまうものでも、高い火力で一気に焼却すればガスは出ないそうで、地域によって燃えるゴミと燃えないゴミの区分に差があるのはゴミ処理場の火力の影響によるものらしい。

私が今住んでいる地域はハイパー高火力のムキムキなゴミ処理場なので、ビン・カン、あとペットボトルを別にすればあとは全部燃えるゴミである。

「火をつければ全部燃えるゴミじゃん?」

という頭の悪い小学生だった私の言い分を「そうだね!!」と全肯定してくれている。

しかし、ひとまとめにして良いにせよ、ゴミがどんどん集まる中、全然回収されないのはいかがなものか。

そんなことが続いたある日。

「あれ」

ゴミ袋がいつの間にか全て消えていた。それも、燃えるゴミと一緒に並んでいたプラスチックゴミなどのすべてのゴミが綺麗サッパリなくなっている。燃えるゴミの回収がされないまま燃えないゴミ系統の回収日も来てしまったなぁ、と思っていた矢先のことである。

ちょっと油断していたので、今日回収されたのか、昨日だったのか、数日前には回収されていたのかが全くわからない。私は再び回収日を確認した。

「明日、紙ゴミの日だ」

家電を買うと、もれなくどでかいダンボールがついてくる。クローゼットの中に押し込んでおくのもいい加減限界なので、その日のうちにダンボールをまとめた。束になったダンボールを抱えてゴミ捨て場に放り捨て、少し不安になりながらも私は翌日もゴミ捨て場を覗いてみることにした。

そして翌日。ダンボールは回収されていなかった。しかし「回収日が違います!」というシールがあるわけでもなんでもない。他のゴミも置き去りなので、回収車が来ていない、ということだけはわかった。

心配になり、出かける前に余裕のある日はゴミ捨て場を覗くのだがやはり回収されていない。普通のゴミ袋の数もだんだん増えてきた。そして、月曜日の朝、なんだか聞き覚えのある童謡に起こされた。最初は灯油を売る車か、パンを売りに来た車でも通ったのかと思ったが、それにしては停車時間が長い。ただ、何かしらの車が来たことは間違いない。しばらくしてその音が去ると、私はスウェットのまま外に出て、ゴミ捨て場を見た。

回収されている。

結局、ゴミ捨て場に貼られている回収日はあまり関係ないようで、あらゆるゴミは月曜日に童謡を延々流しまくるゴミ収集車によってすべて回収されるようだ。

関西のゴミ収集車はユルい、かというと絶対そんなはずはなく、徒歩8分でつく職場のゴミはしっかり日程通り回収されている。多分、私とゴミ収集車のタイミングが致命的に合わないだけなのだ。

今日は日曜日、帰りがけにチラッとゴミ捨て場を覗いてしまう。まだある。あすは月曜日、おそらく、すべてのゴミが出かける頃にはなくなっているはずだ。

ペットボトルや、ビン・カンが燃えるゴミとは律儀に分別されている。でも、せっかく分けられているのにゴミ捨て場では隣同士で並んでいるのはちょっと変な光景だ。

明日の朝、まだ見たことのないゴミ収集車が、ズラッと並んだゴミ袋をすべて持ち去って行くのだろう。

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今日のテーマ「ゴミ袋」


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