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趣味=仕事はしあわせか問題


「好きなことを仕事に」
「趣味を仕事に」

そんな価値観がすてきだと叫ばれはじめて久しいけれど、はたして「趣味が仕事に直結する生き方は心からしあわせなのか?」という問題に対して、改めて書いておきたいと思う。

大前提として、これは人による。これまでの生い立ち、心地よいと感じる環境や仕事に仕方にもぐわんぐわん左右されるはずなので、ひとつの考え方として参考にしてもらえたら嬉しいです。

「好きなことを仕事にするってすてきじゃん!」という価値観が流行り始めると、「そうとも言えない部分も多いんだから、一面から見た憧れだけで飛び込まないようにしようね」という注意喚起的な発信も多くなる。

おおむねこういった「注意喚起」は、実際に「趣味を仕事にしている側」から発せられることが多い気がしていて、広義的に見ると私もそちら側だ。けれど、「うちらにもこういう苦労がちゃんとあって……」とわざわざブレーキを踏ませようとする言い分には、無粋だよなあと思ってしまうのである。

安易に踏み込んで失敗させないよう、転ばせないように杖となろうとしてくれているのだろうけれど、そんなに親切にならなくてもいいのになあ、ってね。安易に踏み込ませて失敗させて、転ばせて怪我だらけにさせてあげたほうが良くない? と思ってしまうんです。痛い目みないとわからないことの方が、世の中には多いと思う。

こんなことを言い出すとまたドライな人間に思われるだろうが、「夢を見ている」「憧れている」状態から抜け出すには、夢から覚めないといけない。フリーランスって自由ですてき! と思うのなら、本当にフリーランスは自由なのかどうか、自分で確かめないといつまでも夢は夢なので。でもたまに、夢見ている状態が心地良い・幸せだと感じる人もいるので、取扱いは要注意なのだけれど。

「趣味=仕事はしあわせか問題」、私は、とても幸せに趣味を仕事をしています。読むことが、書くことが、そのまま仕事に繋がる世界。だけど、本来ならば苦労として知覚されるべき事象が、すべてしあわせとして感知される麻痺状態になってしまっているのかも。まるっと狂える人じゃないと、趣味=仕事に没頭するのはむずかしい。



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